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唯月さんは椿さんと華恋さんと共にカフェに向かって行った。
僕は暇だしなと思い、買い物に向かった。
スーパーに着き、今日の夕飯の買い物をする。
今日はロールキャベツ、ブロッコリーとツナのマヨ和え、クリームシチューだ。
僕はキャベツを見ながら、唯月さんと椿さんの関係を考える。
仕事関係なのは分かる。
でも、上司には見えなかった。
そう思いながら、棚の向こうにあるブロッコリーが置いてある場所に移動する。
買い物が終わった。
あの後もしっかり考えていたのだが、ふと思った考えがある。それは、取引先の人というものだ。
唯月さんの話し方から考えるとそれが一番妥当だ。
でも、なぜ華恋さんと一緒にいたのだろう。
そこが疑問だ。
そんなことを考えながら歩いていたら、唯月さんが入って行ったカフェの近くに着いていた。
そこには椿さんに頭を下げている華恋さんと唯月さんがいた。
僕は邪魔をしてはいけないなと思い、すぐそこの壁に隠れる。
ちらっと、右を見ると椿さんが歩いて帰って行くのが見えた。
そして、椿さんの後ろに華恋さんがとぼとぼ歩く姿も確認出来た。
二人の姿が見えなくなった頃、僕は唯月さんが近くにいるであろう、カフェに向かう。
「唯月さん!」
「陽向、」
唯月さんはとても疲れている。
「お疲れ様です、帰りましょうか」
「ありがとう、買い物はしてきたのか?」
「はい、今日の夕飯はロールキャベツです」
僕がそう言うと、唯月さんは僕が持っているエコバッグを持とうとした。
さすがに疲れている唯月さんに持たせるのはよくない、
「持てるので、大丈夫ですよ」
「本当か?じゃあ頼むな」
いつもなら何がなんでも持とうとするが、今回はすんなり受け入れた。きっと、それほど疲れているのだろう。
「雪まだ降ってますかね?」
「さぁな、積もっていたら大変なんだよな」
「僕は、車の中で一緒に居れる時間が増えて嬉しいですけど、」
「ハハッ、それは嬉しいな」
唯月さんは僕の頭を撫でる。
そうやって、唯月さんと話していたら車の前まで来た。
「はい、どうぞ」
「ありがとう、唯月さん」
唯月さんは運転手側に行く。
僕は聞きたいことをあえてまだ聞かない。
それは僕の激しく動く鼓動が理由を表してくれているだろう。
「じゃあ、出発するか」
「はい!」
僕達は駐車場から出た。
そこには、少し積もった雪と雹が降っていた。
「雹だ!」
「そうだな、陽向、今日は帰るのが遅くなりそうだぞ」
「分かりました」
僕達の間には沈黙が流れる。
「聞きたいんだろう?」
「へ?」
「何があったか」
「は、はい、」
唯月さんは自分から話してくれるそうだ。
僕の手には緊張で手汗がびっしりだ。
「椿さんって居ただろう?」
「はい、取引先の方ですか?」
「ああ、そうだ、しいて言うならお客様というとこだな」
そう言いながら、僕の頭を撫でる。
そうされることで僕の緊張は少し和らぐ。
「椿さんは昔からお世話になっていて、今は息子さんがうちの会社に依頼してくれているんだ」
「そうなんですね」
「うちの会社では決まりがあって、その内の一つで設計途中の図は依頼主には見せてはいけないっていうのがあるんだ」
「なんでですか?」
「社長が中途半端のものよりも完璧のものを見せたいという考えを持っている人だからね」
ここまで聞いて何となくカフェであったことを理解する。
「華恋さんが情報を漏らしたんですか?」
「ああ、そうなんだ、でも俺は不思議だったんだよ」
「確かに、なんで情報を漏らしたのか気になりますよね」
僕がそう言った瞬間、降っている雹が車が凹みそうな程に強くなった。
「最初、華恋さんは知らなかったと言っていたんだ。でも、段々と嘘はめくれていって、結局、俺に頑張っているところを見せたかったと言っていたよ」
僕は唯月さんの話を聞き絶句する。
唯月さんに頑張っている姿を見せたくても、決まり事は破ってはいけない。
それに、もしそのせいでその話が白紙になったら責任を取るのは華恋さんではなく唯月さんだ。
「そうだったんですね、お疲れ様でした」
僕は何か漬け込んだことを言うとあまり良くないと思い、その言葉で終わらせた。
「陽向、話が変わるがいいか?」
「大丈夫ですよ」
唯月さんは少し明るくなった。
僕も少し唯月さんのお手伝いが出来たかな、
「今度、うちの両親に挨拶をしに行かないか?」
予想とは全然違った質問だった。
いつかは来ると思っていたご両親へのご挨拶、その言葉を聞いただけで緊張する。
緊張する原因の一つとして、唯月さんのご両親、そう水面建設会社の社長さんということがある。
とても有名な会社の社長さんは僕のことを番として認めてくれるだろうか、