剣を振り翳し、歌舞伎風にビシッ!とポーズをキメる
大きな猫耳、二股に分かれた尻尾、白と赤の衣を纏った
妖怪HERO『剣豪紅丸』の誕生だ!
マタロウ「マジかーッ!!変身!!マジカッコいい!!アハハハハ…」
特撮ヒーローが大好きなマタロウは大興奮
マタロウはこれでもかという程目をキラッキラに輝かせると、
コマの元へ駆け寄り、その手をブンブンと振り回した
マタロウ「ヤバくね、ヤバくね?実は僕変身ヒーローとか特撮とか
そういう類が大好物なんだよねッ!!///」
コマ「そ、そうなの……」
下手したら変身したジンペイよりヤバいマタロウの興奮様に、コマはドン引き
獅子黒「刀を携えた猫か…ならば丁度いい!刀のサビにしてくれよう!」
そう言ってパッと手を開くと、そこに細長い光が出現し、日本刀に変化した
獅子黒も剣を手に持つ
紅丸は、鞘に刺してある剣を抜くと、チャキリと構えた
紅丸「笑止千万!!」
マタロウ「笑止千万キタ――ッ!」
マタロウは両手を突き上げて喜ぶと、紅丸の尻尾にしがみつき、頬擦りした
勝負をする為の準備が整った2人。
先攻は紅丸!
紅丸「ザンッ!」
紅丸の剣を、獅子黒が受ける
紅丸が間合いを取る為に蜻蛉返りををすると、
尻尾にしがみついていたマタロウがワンテンポ遅れて獅子黒に『たまたま』ヒットする
紅丸「ザンッ!」
紅丸はもう1度謎の掛け声とともに斬りかかるが、またしても躱される
だが、クルッと回った拍子に、尻尾に付いていた(←)マタロウがまたしても
『たまたま』ヒットする
今度は獅子黒が剣を振り翳す
紅丸「避け!」
紅丸はジャンプして躱すと、獅子黒の上空を超え、その大きな背中に手をつき
空中でクルッと回転し、シュタッと着地する
獅子黒は更に斬りかかるが、紅丸は思いきり後ろに仰け反り躱す
紅丸「避け!仰け反って~、、またザンッ!!」
その謎の掛け声と共に再び獅子黒に斬りかかる紅丸
獅子黒はその攻撃を刀で躱し、ガードする
だが、仰け反った勢いで尻尾に掴まっていたマタロウが、『またまた』
『たまたま』獅子黒にゴンッ!!と、クリティカルヒットする
その衝撃で、獅子黒の足元がふらつく
獅子黒「小賢しい…猫の分際で……!」
紅丸「猫の分際!?ちょっと待たれよ、そこの御仁」
紅丸の静止の声に全く耳を持たず、獅子黒は怒り狂った表情で
紅丸に襲い掛かる
獅子黒「うぉおおりゃあああ!!」
紅丸は次々と繰り出される攻撃を華麗に躱している
そんな戦いの中、マタロウは恐怖という感情を持ち、紅丸の尻尾から
四つん這いで慌てて離れた
紅丸は引っ切り無しに攻撃を仕掛けてくる獅子黒の顔を思いきり踏む
そして、そのまま後方に回転しながらジャンプし、距離を取った
紅丸「猫の分際で……とは、これ如何に?
猫が人間よりも下等かのような言い回し。
断じて捨て置きならぬ!
この猫『紅丸』。誇りを持って戦っておるのだぞっ!」
マタロウ「説教が出来る猫ッ!?」
マタロウは吃驚しながらも突っ込むことは忘れない
だが、怒りで頭がいっぱいの獅子黒は、攻撃の緩めず、紅丸に襲い掛かる
獅子黒「じゃあかあしいぃぃぃ!!覚悟しいやぁぁぁッ!!!」
聞く耳を持たない獅子黒を見兼ねた紅丸は、咄嗟にコマンドメダルをセットする
ワーイ! エグゼキュート!
紅丸の刀に炎が纏わりつく
紅丸「怒髪天横一文字斬り!!!!!」
次の瞬間、紅丸は獅子黒の遥か後方に佇んでいた
音速はあるであろうスピードで走り去ったその道筋には、
チラチラと炎が迸っている
獅子黒「………」
獅子黒は、自分の身に何が起きたのか理解できず、茫然と立ち尽くしている
紅丸は、炎が引いていく刀を鞘に納めた
紅丸「成…敗……」
紅丸がカチリと鞘に納めたと同時に、獅子黒の呻き声が聞こえた
獅子黒「グハッ!」
獅子黒は横に真っ二つに裂けて消えた
紅丸「また、つまらぬものを斬ってしまった」
マタロウ「またつまらぬもの、キタ――ッ!」
紅丸のカッコイイセリフに、マタロウは大興奮状態
すると、玉座で戦いを見守っていたメラが、ゆっくりと拍手をした
メラ「ほう、妖力で変化した戦士か」
紅丸「勝負には勝った。さあ、アゲハを返してもらおうか」
何気にアゲハの事を呼び捨てにしている紅丸
メラは玉座から立ち上がると、ゆっくりとこちらに歩み寄る
メラ「まあ待てよ。こいつを返して欲しいんなら、俺様と戦おうじゃねえか。
この俺様自身でお前をぶっ倒してやる、猫野郎」
メラは左手にナックルをはめると、拳にグッと力を籠め、攻撃してくる
その動きの素早さに、紅丸は思わず仰け反る
メラ「うぉおおりゃああああああッ!!」
次々と攻撃を繰り出してくるメラを、紅丸は刀で躱す
しかし、何故か防戦一方、紅丸はメラに攻撃を仕掛ける気配が無い
メラが振り上げた拳にグッと力を籠めると、それが真っ赤な妖気に包まれる
メラ「百獣ナックル―――ッ!!」
凄まじいパンチの嵐が紅丸に降り注ぐ
まるで無数の手が襲い掛かってきているかのようだ
すると、その一撃が紅丸に軽く当たり、爆発を起こす
少し掠っただけにも関わらず、紅丸はズザーッと後ろに飛ばされる
紅丸「ぐっ……」
滑ってきた紅丸を、マタロウとコマが支える
マタロウは不思議に思い、紅丸に尋ねる
マタロウ「なんで戦わないno…?」
と言おうとしたその時、
アゲハ「ちょっとみんな!争いはダメー!」
紅丸/メラ/マタロウ/コマ「「「「え!えぇぇええ~!」」」」
メラ「お前いつの間に起きてたんだ!?」
説明しよう!アゲハは、メラが、百獣ナックルを紅丸に当てるところで起き、
アゲハ(やばい助けなきゃ!でも…今行ったら
みんなの邪魔になりそう…ちょっと待ってみよう)
という訳で待っていたが、紅丸のあの様子を見てつい、大声を出しってしまったのだ!
紅丸「なるほどでござる」
紅丸はそういうと、シュルシュルとリボンを解くようにとジンペイの姿に戻った
メラ「お前……まだ、勝負は終わってないぞ!」
ジンペイ「だってアゲハに言われたらねぇ~」
マタロウ/コマ「うんうん!」
アゲハ「わかってくれてよかった(^▽^)/」おい!
メラ「おい!俺はまだ、納得してないぞ!」
アゲハ「プチン」
アゲハの何かが切れてしまった💦
アゲハ「あのねぇ~(#^ω^)争いしても意味がないのわかるでしょう?
それなのに、まだ争いを続けたいんですか?
暴力で君臨してるんだったら無意味な争いか必要な争い、
ぐらい割ったって下さいよ?ガミガミガミガミ」
それから、三時間に及ぶ説教が行われた
みんなーメラ「(アゲハちゃん/アゲハ
だけは怒らせないようにしよう」
一方メラは、
メラ「Ω\ζ°)チーン」
メラ「ピクピク…」
あかん
完全にお花畑にいっちょる
メラ「は!」
お帰りメラ君(^▽^)/
ジンペイ「なあ、なんで暴力で人を従わせようとするんだ?」
メラ「か…母ちゃんが病気で、学費が払えねえんだ。
そんな時、組織のヤツらが金をやるから従えって……」
マタロウ「組織?」
アゲハ「あれだよ、学園マフィア。学校を裏で牛耳る闇の組織の事」
マタロウ「なるほど~!」
ジンペイ「それにしても良かった、アゲハが無事で」
ジンペイは無意識にアゲハの頬に手を添える
コマ「ちょっとそこの2人!何良い雰囲気になってんの!」
マタロウ「ウンウン!」
メラ「(ん…?俺、空気…??)……あの、俺の話……」
アゲハ「あっ、そうだった!それで、どうして組織に従ってたんですか?」
アゲハは気を取り直してメラに質問した
メラの話によると、学園の不良達を操り、生徒会への反感をメラ1人に
集めておけと命令されたらしい
マフィアは、メラを悪用して、厄介な生徒会から自分たちの目を反らしたかった様だ
メラ「うぅ……」
メラは悲しそうに呻く ジンペイは、メラにもう一度聞く
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