放浪者と名乗った彼は、まるで冷たいようなでも何処か哀れむような目で見ていた…
「それで…僕になにか用ですか?」
「君じゃなく、雷神に用がある」
「将軍様に…ですか?」
「様だなんて…あんな奴…普通に様なんていらないだろ」
「…僕の何かを知ってるんですか?まるで僕が雷神様に様をつけることを嫌がってるみたい…」
「君はアイツに捨てられたんだぞ?なぜそうつける?」
「確かにそうです、それでも親です…今幸せがある分、受け入れれると思うんです」
「馬鹿馬鹿しいね 」
「……、貴方こそ…どうして急に将軍様に会うんですか?」
「イライラをぶつけるだけさ、それと感想を…ね…」
「それと僕と何か関係が?僕は将軍様と関係あるから一緒に来いと?」
「違う、僕はこの世界じゃこの姿で行けないんだ、だから君の体を借りる」
「は…はい?」
「もちろん、拒否権はない」
「いや…でも…」
「丹羽を殺しても良いわけ?」
「ッ,なら…絶対に約束をしてください、丹羽や他の人達を傷つけないと…」
「君次第だね、僕が行動してるなか、君は脳内で僕とお喋りできる、マズイことがあるなら、伝えてくれれば良い」
そんな長々と話を続け、まとまったあと、空間が急に光に包まれた…
「!!?」
「あぁ、もう時間か、じゃあね、また朝…」
「え…ちょ!」
光に包まれ、気づいたら、丹羽に起こされていた…
「あ…に…丹羽…」
「まったく…最近疲れているのでござるか?」
「な…なんでですか 」
「珍しくよく眠っていた故、心配で仕方なかったのでござるよ、体調は平気でござるか?熱とかは…」
「元気です、」
僕は優しく丹羽に微笑んで見せた、丹羽は安心してくれたようで朝食を作りに行ってしまった…
「あの人…なんだったんだろ、放浪者…?僕に似てたな」
一人小さく思っていると…急に声がする
「似てるどころじゃないだろうね?」
「ええ!?」
「ちょ…バカ!声押さえろよ…丹羽に聞かれるだろ!」
「だって急に 」
「だから言ったろう、僕が行動してるなか、君はお喋りできる、つまり君が行動してるなかでも僕が喋ることもできるんだよ…普通そう考えないかい?」
「……、でも違いと言えば、お互い脳内で話してる時は周囲に聞こえない、僕が君の体で動いてないとき、つまり脳内で喋ってるときは誰も聞こえないんだ、君以外ね、だから…」
「互い一人ずつ…ですか…」
「そうなるね、君が体の主導権を握ってる時は回りには君の声が聞こえ、僕が主導権を握ってる時は僕の声が回りに聞こえる、だから僕は君の演技をしなきゃならないわけ…」
冷たい声でそう言っている彼は、説明していた…そんな時
「朝食できたでござるよー!」
「ほら、丹羽が呼んでるよ」
「は、はい!」
頑張って理解し、朝食を食べに体を起こす
「後、僕は将軍に会いたいんだ、何とかして行くように指示しろ」
「どうやって…?」
「……、いろいろあるだろ…」
「わ…わかったよ、」
「どうしたのでござるか?そんな何か呟いておるが、やはり少し…」
「平気ですから!今日の朝食は果物ですか、いただきます!」
「あ…ちょ…まったく…まぁ皆少しは隠し事があるものでござるか…」
そして少しして
「お前さ、いつ行くわけ?」
「だってだって!どうやって言うって言うんですか…」
「もう良いや、僕にさせろ…」
「あ…ちょ…」
急に夢の時と同じく暗闇の世界に入れられ、目の前にはスクリーンのように丹羽と僕が喋ってるのが見える、
「あ…あの…丹羽」
「ん…なんでござるか?」
「僕…稲妻のその…村にいって餅とか食べてみたいですし、りょ…旅行?みたいにやってみたいです」
「そうでござるか…でもここの管理も……とにかく少し許可とってくるでござるよ…」
「ありがと…丹羽、」
僕と丹羽が喋ってる、丹羽は気づかない…彼は稲妻のあそこに行って何がしたいんだろ…将軍様と会って何がしたい?話したいとも言ってた気がする…
「一人で考え事かい?それとも僕の事考えてた?」
「!?あ…そうか…僕の声も聞こえるんですよね… 」
「うん、君の心の声もはっきりと」
「……」
そんな時、少し寂しそうな顔をして言う
「丹羽もいないし、君に少し話してあげるよ、」
「はい…」
「僕はね、将軍に怒鳴りたくて「作った」のもあるけど、それと同時に聞きたかったんだ…僕が生まれた意味、僕が捨てられたこと…」
「え…と…貴方も将軍様の人形か何か…なのですか?」
「……あらら…知ってると思ってた、僕は君の未来の姿さ、つまり君の未来の自分…それが僕なんだ、」
「え…えぇ…じゃあ僕は未来そんな姿に…」
「うん、なるね、」
「……」
「まぁいろいろあるのさ、君は知らない方がきっと良い…」
「そう、ですか…」
「そういえば、君は丹羽に人形だって伝えた?」
「まだ…です…」
「そう…いつか伝えた方が良いさ、大丈夫だから…」
「どうしてわかるのですか?もしかしたら嫌われるかも…」
「そんな人だと思う?丹羽が…」
「ッ,それは…」
「彼は…優しい人だ…僕には勿体ないくらいに…優しかった…僕と暮らしてなかったら…会ってなかったら 」
寂しそうな辛い目をした放浪者…彼には何があるんだろ?
「何もないよ」
「心読まないで…ください…」
「やだ…聞こえるもんは聞こえるから仕方ないだろ…」
そんな下りをしてまた1日が終わった
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