テラーノベル
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朝。
カーテンの隙間から光が入る。
ソ連はベッドの横の椅子に座ったまま、腕を組んで寝ていた。
その手は――
まだ日本の手を握っている。
ぎゅっと。
「……」
日本は先に目を覚ました。
少しぼんやりしている。
(あ……)
昨日の記憶が戻る。
倒れたこと。
ソ連が迎えに来たこと。
看病されたこと。
そして今。
目の前にある大きな手。
日本は少し笑った。
(ソ連さん……)
身長192cmの男が、椅子で無理な姿勢で寝ている。
しかも手を離していない。
(優しい方ですね)
日本はそっとソ連の顔を見た。
髪が少し乱れている。
普段より無防備だった。
(……)
日本は少しだけ考える。
そして。
ぎゅっ。
手を握り返した。
「……ん」
ソ連が目を開ける。
「……日本」
「おはようございます」
いつもの敬語。
でも。
声が少し柔らかい。
ソ連はすぐ額に手を当てた。
「熱は」
「少し下がりました」
「……そうか」
安心した顔。
日本はそれを見て、少し嬉しそうに笑う。
「ソ連さん」
「ん」
「手」
「?」
「温かいですね」
ソ連は数秒固まった。
「……」
なぜか視線を逸らす。
その数分後。
日本はベッドの上で座っていた。
ソ連はキッチンで何か作っている。
「ソ連さーん」
「なんだ」
「お水ください」
「自分で取れ」
「病人です」
沈黙。
数秒後。
ソ連がコップを持ってくる。
「ほら」
「ありがとうございます」
日本は受け取る。
でも。
飲まない。
「……?」
ソ連が首を傾げた。
その瞬間。
日本が言った。
「飲ませてください」
「は?」
ソ連の思考が止まった。
「……」
「?」
日本は普通の顔。
「病人なので」
完全に理不尽だった。
「……自分で飲め」
「腕が重いです」
「さっき動いてただろ」
「気のせいです」
ソ連は顔を覆った。
「……」
しばらく悩む。
そして。
「……ほら」
コップを持って、日本の口元へ。
日本は素直に飲む。
「……」
ソ連の耳が少し赤い。
日本は気づいた。
(かわいい)
しばらくして。
日本はまた呼ぶ。
「ソ連さん」
「今度はなんだ」
「隣」
「?」
「座ってください」
「ここ?」
「はい」
ソ連はベッドに座る。
すると。
日本が。
すっ。
肩に寄りかかった。
「っ!?」
ソ連の体が固まる。
「日本」
「はい」
「何してる」
「寄りかかってます」
「それは見ればわかる」
日本は目を閉じる。
「落ち着きます」
ソ連の脳が処理落ちした。
(落ち着く?)
(俺に?)
(こいつ今)
(寄りかかって)
(普通に)
「……」
ソ連は顔を覆う。
「どうしました?」
日本は無邪気だった。
「日本」
「はい」
「今日どうした」
「?」
「キャラ違う」
「熱のせいです」
それは嘘だった。
数分後。
日本はうとうとしていた。
ソ連は動けない。
肩に日本が乗っているから。
(……)
(かわいい)
(いや待て)
(かわいいってなんだ)
その時。
日本がぼそっと言った。
「ソ連さん」
「ん」
「好きです」
ソ連の思考が完全停止。
「……は?」
「いつも優しいので」
「……」
「ありがとうございます」
にこ。
ソ連の顔が真っ赤になる。
そして。
ガシッ。
日本を抱きしめた。
「っ!?」
「ダメだ」
「え」
「それ以上言うな」
「なぜです?」
「俺の理性が死ぬ」
日本は少し笑う。
「もう死んでる気がします」
「うるさい」
でも。
抱きしめる力は強くなる。
「日本」
「はい」
「熱下がったら」
「はい」
「覚悟しろ」
「何のですか?」
ソ連は日本の頭に顔を埋めた。
「甘えた分」
低い声。
「全部返す」
日本は少しだけ赤くなった。
「……それは」
「ん」
「少し楽しみですね」
その瞬間。
ソ連のキャパが完全に壊れた。
「……日本」
「はい」
「やっぱり今から返す」
「え」
ベッドに押し倒された。
「ソ連さん!?」
「黙れ」
でも。
その声は少し笑っていた。
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