テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
15歳の太宰ポートマフィアにて美琴と付き合うまで
ーーーーーーーーー
「てめぇ本当に美琴の事好きなのかよ」
「…なんで中也がそれを知っているんだい?」
「見てたら分かんだよ」
「何僕の事見てんの気持ち悪いんだけど」
「話を逸らすんじゃねぇ」
「うぅ……」
太宰が唸るように声を漏らしたその瞬間、中也はじれったそうに溜め息をついた。
「お前、いつもそうやって誤魔化してんじゃねぇか。美琴がどんな顔してお前のこと見てるか、分かってんのかよ」
「……見てないよ、そんなの」
「だろうな。バカかよお前は」
中也の語気が少し荒くなる。太宰はわざとらしく目を伏せたが、その耳がほんのり赤くなっているのを中也は見逃さなかった。
「……好きだよ、美琴のこと」
ぽつり、と落ちたその一言は、いつになく真面目で、冗談めいた調子はどこにもなかった。
中也は少し目を見開いて、それから鼻で笑った。
「やっと言いやがったな」
「……言わなきゃ、だめ?」
「美琴はもう気づいてるんじゃねぇか」
「言わなくていいなら俺がばらすけど?」
「……それはやめてよ」
太宰は頬をかきながら、どこか不安げに空を見上げた。まだまだ未熟で、恋なんて分からないけれど。
でも、美琴の笑顔が心に残って離れない。
それが、たぶん答えなんだろう。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!