健康な肉体はバランスのとれた食事、十分な睡眠、そして、適度な運動である。
最推しである芥川君の体に転生することになった私は、どうにか芥川君の体が健康でいられるようにしたかった。その為、朝に軽くヨコハマ中をジョギングすることにしているのである。
ちなみに心配することなかれ。太宰さんに気付いて貰えるようにと原作の芥川君が上げていた狼煙、あれは今回やっていないので軍警に顔がまだバレておりません!!!拍手!!!
てなわけで、勿論指名手配もされておらず、街中を堂々と歩けるのであった。
ジョギングコースは決まっているかと言われたら、そうではない。完全にその日の気分で、今日は公園の方に行ってみたいな、だとか、川沿いを走ってみようかな、だとかそんなことを思いながらあちこちを巡る。
だって、私にとってはどこもかしこも聖地なのだから。運動もできて聖地巡礼もできる、何て素晴らしい案だろうか。私ってばやはり天才…………あ、はい。黙ります。
ちなみに今日は河川敷の気分。敦君と太宰さんが始めて会った川沿いを走っている。
いやあ、ここが、あの。記念すべき、というか。物語の始まり、というべきか。
なんて感動していると下の方で声が聞こえた。ん……???声…???
「お、おい!!え…っと、かかか、金を出せ!」
一応金を奪おうとしているのに何でそんな情けない声なんだ主人公。優しいんだろうな。可哀想に、君が今カツアゲしようとしているのはポートマフィアの禍犬だよ。うわ、後々会うだろうから、その時の反応が楽しみだなあ(^o^)
まあしょうがない、財布を持ってきた筈だからあげよう。数百円ぐらいしか入れてないけど。……と、思ったのだが、ここで一つ思い出した。そういえば、途中で美味しそうな無花果があったから思わず買ってしまったことを。
今私の懐に入っているのは財布に入った少しの小銭と、無花果。……あーあ、またの機会に食べるかあ…。うっかり会っちゃったのは私だし。こんなだから太宰さんにもポンコツって言われるんだよなあ。
「生憎金は今持っていなくてな。持ち合わせが此れしかない」
「……いち、じく、?……何で、」
「…何か不満でも?」
「あッ、否!一寸気になっただけで、!あの、!ありがとうございますッ!!…お名前は?」
「名乗る程の者ではない。精々味わって食うんだな」
敦君は懐からにゅっと取り出した無花果を不思議そうな顔をして受け取った。大方、何で無花果が懐に入っているんだ、と言ったところだろうか。その疑問はごもっともである。むしろ「一寸」気になった、で済ませた敦君が凄い。私だったら一生気になると思う。
あの後恐らく川から太宰さんが流れてきて、物語が進んでいくのだろう。次に会ったら驚かれるだろうな。そう思うと、愉快で愉快で堪らなかった。
ちなみに張り切りすぎて、翌日の任務でちょっとばかし破壊しすぎたのは、ここだけの秘密である。
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