テラーノベル
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ツインブルーとカニ
🦀×🟦🟦
🔞あり 🦀が押され気味、🟦🟦は誘い受け
無線の名前表示が無い時代と思ってください
【】無線
「らだおー?アイツどこいった?」
「らだお先輩?屋上居ないの?」
「いや、俺ヘリで帰ってきたけど見てない。」
副業の納品を終え、戻ってきてみたが目的の人物は見当たらない。その辺にいたまるんも知らないと言う。垂れ流していた無線で、先程の客船のIGLをしていたのは把握しているので、その後どこへ消えたか。無線の私物化ももはやご愛嬌、スイッチを入れ声をのせる。
【らだおいるー?今どこ?】
【あ、えっと、】【おい、待って!】
「……ん?」
なんだ?今の。
【らだおー?】
【【はーい!】】
「は?歪んでんのか?【ちょ、今どこだよ?】」
【言うな!】【宿直室!】【おい!】
なんか、自分に向かって怒ってる。アイツヘリに乗りすぎてついにおかしくなったか?大方歪みの類いだろ、と苦笑いして宿直室への階段を登った。
「らだお?」
「あ、成瀬。」「おいばかやめろって!」
扉の向こうかららだおの声と、バタバタと物音がする。ああなんとなくわかった。
「らだお、鍵開けて。」
言い争う声に混じって、小さくカチリと音が鳴る。制止を待たずに勢いよく扉を開ければ、そこには。
「…成瀬。」「成瀬~。」
取っ組みあったまま固まっているのは、我らが青井らだおと、…同じく青井らだお。
「何、2人に分裂したの?それともどっちか偽物?」
「本物だよ!」「帰ってきたらなんか増えた~。」
「マジか…。」
片方は声を荒らげ、片方はしなしなになる。しなしなな方はもう片方を止めたがっていたようだし、若干性格が違うのだろうか。
「スマン、ミスった。」
「うわ、いつの間に来たんすか。」
「「市長おいこらてめぇ!」」
降って湧いた市長に2人のらだおが同時に掴みかかる。
「データ覗く時にcontrol+Cしちゃった。」
「メタいメタいメタい。」
「ちょっと直すの時間かかるから、あーまあ、せっかくだし楽しめ!自分が2人とかなかなかないぞ。」
「ええ…。」「嫌なんですけど。」
「そうだな、分かりにくいし、どっちかソレ取ったらどうだ?」
すぽ、と市長が片方のらだおに手をかけ、ヘルメットを外す。
『うわ、何すんだよ。』
「私は偉いからな。仮面無しの方の鍵括弧を『』に変えてやろう。」
「何言ってるかわからんけどそれめっちゃ助かる。」
「じゃあ、私は作業に戻るから。」
「あ、はい。」
「帰っちゃった…。」『どうしよ。成瀬。』
言いたいことだけ言って去っていった市長にため息をつく2人。もちろん俺もつく。しかしなんだ。コイツ、本当顔が良い。今更ここで話題に挙げるのもなんだが、俺とらだおは現在お付き合い中のラブラブカップルである。
「とりま皆に報告しといたら?見られて騒がれたら面倒だろ。」
「は!これなら仕事が2人分できる。」『ヘリも2台だせる!』
「流石にOP。」
『ダメか。』「ヘリはダメだろ。」
こんな時でも仕事の事ばかり考えるのだコイツは。お前の恋人は仕事じゃなくて俺だろう。無線を入れるらだおを見ながら喉仏くらいまで出かかった言葉を飲み込む。
「【なんか歪みで分裂しましたー。】」
『【片方ヘルメット外してるんでそれで見分けてください。】』
【ぶ、分裂?どういう事?】
【らだおが2人になりました。今成瀬が見てます。】【はい!?】
途端に騒がしくなる無線を笑って受け流していると、ドタドタと署員たちがやってきた。
「うわマジだ、ほんとに2人いる。どういう状況すか。」
『神子田。』「なんか増えた。」
「え~らだちゃんパイセンかっこいいね!イケメンだ!」
『ありがとう~。』「普段からイケメンだけどね?」
並んでると双子みたいでちょっとオモロい。ただ少し不服なのは、コイツの素顔が晒される事。そもそも俺がコイツを探していた理由だって、退勤して2人あまーい夜を過ごそうぜ、のお誘いだったのに。無線に報告入れさせなきゃ良かったな。
「らだお、ちょっと。」
『「?」』
2人してキョトンとするの可愛い。とりあえず、2人に増えたところで俺のらだおである事に違いは無いので。人混みから連れ出して、並んで立たせる。
「今日、デートでもどうかなって思ってたんすけど。」
「んえ、」『あー…。』
ちら、と顔を見合せ、耳打ちで何やら話し出す。
「成瀬はどっちとデートしたい?」
「は?」
『どっちか残って警察しようかなって。』
この効率厨。
「いやどっちも。どっちも俺のらだおだろ。どっちかとか無いから。」
「え、いいの?」『まあ…成瀬がそう言うなら?』
それでもなんか納得していなさそうなので、追撃。
「いっつも俺からやってるし、2人協力して俺の事好きにしてくれてもいーんだよ?」
「『!』」
らだおの瞳がキラリと光る。あ、ちょっとコレ間違えたかも。
「そう。それなら。」
『好きにさせてもらおうかな?』
ーーーーー
初めて致した時は1回戦でひいひい言っていたコイツも、俺が懇切丁寧に育てたおかげでまあえっちになっていて。
「らだおさんらだおさん、ちょっと、流石にコレ入れさせて。」
『精力剤?いいけど…。』「そんなにするの…?」
「いや、お前気づいてないかもしんないけど、結構体力ついてきてるぞ?2人分は流石に無理だって。」
そう言って帰り道コンビニで買ったソイツを左右に降って見せる。精力剤のボトルに書かれたいろんな謳い文句に顔を赤らめるらだおと呆れるらだお。一息に飲み干して、ベッドに横になった。
「はい、ドーゾ。」
「なんか、そう言われると恥ずい。」『あ、じゃあアレやらん?』「ん?」
こそこそと身を寄せあい話し合う2人。準備万端に済ませてあるので、今は2人とも素顔だ。片方が驚いたり、くすくす笑ったり、楽しそーねお前ら。と思えば作戦会議が終わったのかこちらを向いて、俺を挟んで向かい合わせになった。
「じゃあ…始めるね?」
「おう。」
『力抜いて…?』
「…っ、らだお。」
「ふふ、上手。」『いいこ。』
これは。これはヤバイ。両耳に囁かれるらだおの声が、ダイレクトに股間にクる。どこで覚えたこんなもん。ふーっと息を吹きかけたり、服の上から優しく股間を撫でたり。どこぞのエロ同人かと思うほどに、いやらしく、甘い。
「なるせはいつも偉いね…偉いなるせなら我慢できるよね…?」
「……ッ、ふ…。」
『我慢なんかしないでいーよ。俺なるせがいっぱい出してるの…見たいなぁ…?』
「…ちょ、……っは…うまくね…?」
愛しい恋人の可愛い顔と声に囲まれて、俺の素直な愚息はすぐに反応する。それを見たらだおが嬉しそうにズボンを下ろす。
「あ、ちょっとぉ抜け駆け。」
『いいじゃん、後で代わるから。』
「じゃー俺キスするもんね。」
「うお…。」
変に張り合いだしたらだおが俺の顔を掴んで口付ける。もう1人は顕になったモノを握って上下に扱き出す。やば、これ本当にすぐ…!
「ン゙ッ…ぅんん゙っ…!」
『うお、』「あ。」
「は…はぁ……お前らなぁ…ちったァ加減しろよ…。」
『ごめぇん。』「…なるせ気持ちい?」
「…きもちいよ。」
そう言ってやれば2人は嬉しそうに笑って。いや、だからって再開していいとは言ってないけど。…そこから先はもう、お察しいただいて。2人が満足する頃には俺はヘロヘロだった。
ちなみにらだおが1人に戻ったのは、そこから1週間後のことで。直るまでに何度も空っぽにされたことは、内緒だ。
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