テラーノベル
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◆深夜のスタジオ・佐久間視点
「蓮…」
薄暗いスタジオ。
機材のランプがぼんやり光り、二人の影が重なる。
蓮は一歩後ずさるが、背中が壁に触れた瞬間、佐久間が距離を詰める。
指先が、蓮の顎をすくう。
逃がさないように、ゆっくりと。
「佐久間くんど、どうしたの…?変だよ…?」
「俺さ、蓮のこと…ずっと想ってた」
耳元で囁くと、蓮の肩がわずかに震えた。
その反応が、俺の理性をひどく甘く溶かしていく。
唇が触れるか触れないかの距離――
蓮の呼吸が、俺の口元にかかる。
「さくま…くん…やめ――」
言い終わる前に、俺はその口を塞いだ。
触れた瞬間、抑えていた熱が一気に溢れだす。
蓮が押し返そうとする腕を絡め取って、
指がその手の甲をなぞる。
「本気で押し返さないってことは……嫌じゃないんでしょ?」
唇の隙間から落ちる声は、囁きとも溜息ともつかない。
俺は蓮の耳たぶを軽く噛み、息を吹きかけた。
蓮の腰がかすかに揺れる。
“ここから先は、二人しか知らない。”
スタジオの片隅で、衣擦れの音が静かに響いた。
そして――
照明の影に溶けるように、二人の姿はゆっくり沈んでいった。