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8 - 君の明るい髪と虹の橋を見上げて

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2023年12月13日

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僕は頭を抱えた。


酔っても気にくらいは気にしてほしい。その声は完全に男だろ。


ほんとに、なにも考えられないんだな。


ほら、浮気とか気にしないの?


僕がなにも思わないって思ってるかな。いつも言えないからな。


でも、僕は嫌…だよ、な?


普通に怒りたいのかもしれない。


こんなのじゃ駄目だ。


彼氏は優しく。


彼氏だから、我慢しないと。


「待ってて、今行くから」


と言って電話を切った。


また大きくため息がでた。


こんなため息つくくらいなら断れば良かったけどな、と思いながら、ドアのベルをならして外へでる。


思っていたよりも寒かった。


彼氏って大変だな。嫌だな、断りたかった。


僕にはできなかった。彼氏がそう言うものだと、教えてくれたのは彼女だから。


車を運転して彼女のいる店へ向かう。


フランス料理店だ。


高そうだなあ、僕のお金を持っていって。タンスにしまった金から、十万ほど抜かれていた。


まあ、いいんだ。


普通なんだよね。彼氏だから。


車を走らせる。意外に遠かった。


暗い夜道、でも明るかった。


店の鮮やかな光が町中を照らしていた。


橋がレインボーに光っていた。


僕は見たくなかった。


彼女を思い浮かべてしまいそうだ。


2人でいつかドライブした、あのきれいな虹色の橋を。


そして今の、彼女の明るい髪色を。


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