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1組目、2組目のスーパーの登壇、プレゼンが終了した。画期的なアイディアもなく、斬新さはなかった。やはり思った通り、僕たちマルヨーと未来スーパーの一騎打ちになりそうだ。
「それでは、マルヨーさんおねがいします」
今回はあいうえお順なので、僕たちの方が先だ。未来スーパーが最後。
呼ばれたので橋本店長と登壇し、挨拶に入る。
「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。マルヨー株式会社の橋本、株式会社TENGAの天川と申します。本日は我々が海外販売に注力をする商品の製品サンプルを用意いたしました。グローバル戦略について、そしてその効果や実例についてご紹介します。まずはお手元の資料をご確認ください」
僕は用意した資料の解説を行い、いかにこのプランが海外向きであるかということ、フジノの資本や提携先を使ってコンビニ事業の拡大を担えること、エンターテイメントにも一役買えることを熱弁した。フジノはコンビニ大手のファミリーマーケットを傘下に持っていて、海外での売り上げは堅調だ。
そこにUFOキャッチャーを設置し、話題性を呼ぶ、と。
「では、実際に今日のために生産した商品を試食していただきます」
缶詰の中身を出したものを皿に並べ、試食用として用意したものを配った。その間に折り紙の味を閉じこめた缶詰のプレゼン。日本食を缶詰にして海外に売り出すことを視野に入れた生産ラインを整えることやその資金は、フジノだけに頼らずクラウドファンディングを利用することで解決する、と締めくくった。
玉子焼きの缶詰という斬新なアイディアやグローバル戦略、さらに資金調達の面も抜かりないとアピールできた。好感触だったこともあり、手ごたえは十分だった。あとは未来スーパーがどんな戦略で話を進めてくるか、だ。
でも、勝ちは決まったようなものだ。これ以上にいいアイディアはないだろう。
「それでは、未来スーパーさんお願いします」
呼ばれて翠子とさっき見かけた山本が登壇した。翠子までここに出てくるなんて、よっぽど僕の事業の邪魔をしたいんだろうな。
「こちらが弊社のビジョンです」
缶詰事業を世界に――僕たちのアイディアと全く同じものだったので、危うく大声を出しそうになった。
なんで…いったい、どうなっているんだ!?
つらつらと僕が自信をもってプレゼンをしたものと同じような戦略、しかし彼らはもっと大胆な発想で事業展開をする、と言ってのけた。
大手小売業のプチプラ商品ばかり集めた派手なディスカウントストアとコラボし、海外にそのディスカウントストアの1店舗目をオープンさせ、缶詰を何種類も置く、という企画だ。
缶詰の試食もしたが、味は折り紙のものにまったく及ばないものの、斬新さと値段の安さを取るのであれば、こちらに軍配が上がるだろう。
「未来スーパーをお選びいただければ、スポンサーとなってくださった都京銀行が店舗オープン時の融資をお約束いたします」
彼らはぼくたちよりも完璧で、斬新で、文句なしのプレゼンで締めくくった。
資金調達面までも、彼らは完璧だった。
「未来スーパーさん、ありがとうございました」
細波さんの声掛けで彼らは席に戻って行った。
その時、翠子と目が合った。彼女と視線を交わした際、不気味に微笑んでいたのは、僕から盗んだアイディアをもっと規模を大きく膨らませ、僕とマルヨーを葬り去る企画を持ってきたからだと確信した。どうやったのかはわからないが、マルヨーの社員に金を握らせ、内部情報を漏洩させるくらいのことをしたのだろう。彼女なら、金にものを言わせてそれくらいのことはやりそうだ。
「みなさま素晴らしい企画とプレゼンをありがとうございました。社内で検討し、結果については改めて知らせます。本日はありがとうございました」
負けた――フジノからの結果を聞く前に僕はそう思った。
ごめんね先生。
折り紙の玉子焼きを世界に広める話は、実現できそうにないよ――
コメント
1件
もう第77話…!?今回のプレゼン対決、めっちゃ手に汗握ったよ…😭✨ 主人公たちのアイデアが完璧だったのに、翠子に丸パクリされてしかもさらに上を行かれる展開、悔しすぎる…!最後の「ごめんね先生」で涙腺やばかった😢💦 でもここからどう巻き返すんだろう?続きが気になりすぎて今夜眠れないかも…!
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