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#STPR#すとぷり#騎士X#AMPTAK×COLORS#めておら#すにすて
雲母みく@活動休止中
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コメント
1件
うわっ、もうめっちゃ良かった……!「円周率の日」ってタイトルからしてセンスあるなと思ったけど、最後の指輪の仕掛けに完全にやられたわ。箱を畳む癖の伏線、ずるいよ(褒めてる)。たっつんとじゃぱぱの関係性がぎゅっと詰まってて、泣き笑いの別れシーンにじんときた。続きが気になる!新幹線の中であの指輪見つけた後、どんな連絡取り合うんだろう。最高のホワイトデーエピソードでした🔥
attention
・jptt
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季節外れですみません🙇♀️
t「急に押しかけてごめんなぁ」
j「全然!暇だったし!!」
3月14日、もう卒業して2週間経った俺は後輩の家に押しかけていた。完全にアポ無しで来たのはミスったが、まあ、目的は達成できそうだから良しとしよう。
t「もう卒業して2週間も経ったんやな」
まだ少し肌寒さの残る日に行われた、俺らの卒業式。桜はまだ蕾だったし、木の葉はスカスカしていた。そのくせ花粉は舞っているなんて、気候としては最悪そのものだった。それでも晴れたのは、幼馴染ののあさんの影響だろうか。雲一つない青空は、体育館の中からでもその広さをひしひしと感じた。
j「ほんとに早い!留年してよ!笑」
t「ざんねぇん、余裕で大学生で〜す笑」
j「うわ、笑。」
t「それよりさ、俺答辞めっちゃ良かったくない?」
j「流石かいちょー様でした」
代々引退したばかりの生徒会長が担っている答辞は我が校名物の一つとして知られている。俺がなおきり先輩の姿を見た時には、あんな風にカッコよく話せる自信はなかった。し、実際先輩のようには話せなかった。なんとか涙は堪えたが声は震えていたし、嗚咽もしてしまった。それでもやり切ったのだから褒めてほしい。壇上から降りると気が抜けたのか堰を切ったように涙が溢れてきた。横にいたシヴァさんに慰められたことは記憶に新しい。
t「あんな。今日はこれ持ってきたんよ」
3月14日。今日のために調べて、作ってきたもの。1ヶ月前、「勉強中に飴舐めてるんでしょ」と渡された10個くらいの可愛らしいキャンディー。その時はただただありがたいだけだったが、今はほんの少し期待している。
t「今日って何の日か知っとる?」
j「ホワイトデーでしょ」
本当はそうだけど、バレたくないから
t「いやいや。3.14やで?円周率の日でしょうが!」
t「じゃーん、アップルパイ!!」
j「うわ!!うまそ!!」
狡くてごめんな
t「冷やしてから食べた方が美味いから冷蔵庫しまっとき」
j「はーい」
パイを仕舞いにキッチンへ向かうじゃぱぱ。パイを入れている箱の中には大きめなプラスチックのカードを入れておいた。俺からのお別れの言葉。なんにも言わずに卒業して、今日、俺は大阪に行く。第一志望の名門校に受かったから。BIGになるって夢を、叶えたいから。
j「俺もね、今日ドーナツ買ったんだ〜」
t「ええな」
誰かにホワイトデーでも渡すつもりやったんか。そうだとしたら、今、とんでもない邪魔をしているのではないか。
j「たくさん買ったから一緒に食べよ」
t「ありがとぉな」
誰かへのホワイトデーの贈り物ではなかったようだ。可愛らしい箱の中にはたくさんのドーナツ。10個近くもあるそれはなんとも魅力的な香りを放っていて。ポンデリング、フレンチクルーラー、エンゼルクリーム、と中身を見ているとじゃぱぱの好みがわかる気がする。半分を占めているポンデリングを1つ、手に取った。
j「ん、うま」
横で幸せそうに食べているやつを見ていると、こっちまで幸せになってくる。こいつには、不思議な力がある。人を笑顔にする力。なんでも軽くこなしているように見えて、実は裏でしているたくさん努力を隠し通す力。緊張をほぐしてくれる力。次期生徒会長にピッタリの力だ。
j「ドーナツも丸いから買ったんだよ」
t「そうなん?」
j「今日ホワイトデーだけどさ、3.14って円周率じゃん!ってなって。気付いてたの俺だけだと思ってたのに笑」
t「今日は丸い物に縁があるのかもな笑」
もう1つ、箱からドーナツを取り出して口に運ぶ。口に広がる甘みは、今までの高校生活のようで、幸せの味だったけれど、少しくどかった。
j「ね、わかってるからさ。俺、気付いてるから。だから、たっつんの口から言ってよ」
心臓がばくん、と鳴った。ドクンじゃなくて、ばくん、って。
t「は、?なんのことや笑」
受験の時よりも、心臓の音がうるさい。あの時も心臓が飛び出そうって思ったけれど、今のほうがずっとずっと飛び出てきそう。
j「…引っ越すんでしょ?遠いところに」
ああ、お前には敵わないよ。
t「そうや」
t「黙っててごめんな」
また、声が震える。答辞の時よりずっと、涙が湧き出てくるスピードが早い。
j「ずっと一緒にいてくれるって、根拠もなく信じてたから。受験の前日、図書室で勉強してるたっつんを見た時、声、かけようと思ったんだけど、過去問の表紙に大阪の大学の名前が書いてあるのが見えて。お別れって知っちゃって。今も、パイがどんなのか気になって箱開けたらお別れの手紙が入ってるし」
涙をぽろぽろ流しながら、目を合わせて話してくれるじゃぱぱはこんな時でも誠実で。この目は全ての嘘に気付いていそうで。その目に見惚れながらも、じゃぱぱは続ける。
j「ずっと、言ってくれるのを待ってた。でも、もうお別れかも知らないから。大阪行きの新幹線、4時でしょ?」
こんなところまで、お見通しなのか。
t「ほんまに、ごめん。お別れだと思うと、ずっと言えなくて」
しんみりとした空気の中、それを破ったのはじゃぱぱだった。
j「ほら!新幹線に遅れたら大変だから!もう行きな。ドーナツ持ってっていいから!!」
t「はぁ!?まだ間に合うし!1人で6個も食べれんわ!!」
お互いに顔を見合わせる。
「「あははっ笑」」
たった数日ぶりのアホみたいなやり取りが面白くて、声をあげて笑った。涙を流しながら、笑顔で笑い合った。
それから、本当に新幹線の時間が近づいてきて、お暇することにした。キャリーケースを持って、ドーナツの箱も持った。流石に6個は多いから、半分にしてもらったけれど。
t「またな、じゃぁぱ」
j「またね、たっつん」
じゃぱぱは泣き腫らして目元が真っ赤になっている。きっと、俺も似たような顔をしているのだろう。
t「じゃぁぱの卒業式の日は戻ってくるから」
j「忘れんなよ、」
t「忘れるもんか」
そうして、住み慣れたこの街に暫しの別れを告げた。
♢
t「3個でも多かったかもなぁ」
駅に着いてみると新幹線の時間がギリギリで、駅弁を買う時間がなかったから、意外とドーナツの存在がありがた。本当に今日は丸い物に縁があるのかもしれない。
車内は暖房が効いており、ドーナツのアイシングが少し溶けている。包んでいる紙に染みてきて、手がべとべとだ。今はもう3つめを食べ始めた。3つとも甘いと流石に飽きるし重い。なんとか食べ切って、箱を捨てるために折って小さくする。すると、指に不思議な感覚を感じた。何か、硬い物の輪郭。確かめるために、慎重に箱を解体してみる。
t「は」
そこにあったのは綺麗な宝石の付いた指輪。オブラートのような薄い紙に包まれている。唖然しつつも、1人しか考えられない犯人の連絡先を開く。スマホが汚れることなんて気にもせず、ただ早く確認をしたいという気持ちだけがあった。
t『これなんや』
送った瞬間に既読が着いた。
j『○?×?』
そう言えば、ずっと前にじゃぱぱに聞かれたことがあった気がする。
j「たっつんってさ〜、箱、なんでも畳むよね」
t「なるべく小さくしたいからな」
j「それってさ、どんな箱でもそうすんの?」
t「そうやな」
j「ふーん」
どうやら、ずっと前から俺はじゃぱぱの掌の上だったようだ。そもそも、俺が指輪に気付ずに箱を捨てたらどうするつもりだったのだろうか。そんなことが起きる可能性は無いとでも確信しているような行動に思わず感嘆の声が漏れる。
3月14日。3.14。円周率の日。ああ、今日は本当に丸い物に縁があったみたいだ。