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#ご本人様には関係ありません
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「……暇、悪いけど、これ。今日の会議の議事録、部長の最終チェックをもらってくれないか?」定時直前、佐藤がなつのデスクにこっそり資料を置いた。
「え、今から? ……でも、みんなもう帰り支度してるだろ」
「いいんだ。俺たちはみんな『急ぎの用事』があるから先に失礼する。……いいか、部長室にはもう誰も入らない。……なつ、お前の手で、あの嫉妬の嵐を鎮めてきてくれ!」
佐藤は親指を立て、他の部下たちと一緒に嵐のように去っていった。
残されたのは、静まり返ったフロアと、奥でどよ~んとしたオーラを放つ部長室だけ。
なつは溜息をつき、資料を持って部長室のドアを叩いた。
「……いるま。まだ拗ねてるのか?」
「……なつ。……みんな帰っちゃったね。……俺、やっぱり嫌われてるのかな。なつも、もう帰るんでしょ?」
デスクに突っ伏したまま、いるまが消え入りそうな声で呟く。
なつは少しだけ頬を赤くして、いるまの隣まで歩み寄った。
「……バカ。みんなが気を利かせてくれたんだよ。……ほら、この資料のチェック。……二人きりで、ゆっくり残業しよう……って言ったら、機嫌直すか?」
「……!!」
いるまが跳ねるように顔を上げた。その目は、一瞬で「捕食者」……いや、「甘えん坊な大型犬」の輝きを取り戻している。
「……なつ。今、二人きりって言った? ……残業って言ったよね? ……それって、俺を甘やかしてくれるってこと?」
「……仕事のチェックだって言ってるだろ! ……でも、……まあ、今日一日、ずっと機嫌悪かったみたいだし。……少しだけなら、……隣にいてやるよ」
なつが隣の椅子に座ると、いるまは待ってましたと言わんばかりに、なつの肩に頭を乗せて、その腕をぎゅっと抱きしめた。
「……あぁ、これだよ。これがないと、俺の仕事効率は上がらないんだ。……なつ、大好き。……あいつら、たまには良いことするね。明日、佐藤のボーナス査定、少し上げとこうかな」
「……公私混同はやめろって! ……ほら、早く書類見て」
「やだ。あと5分……いや、30分はこのまま。……なつ、俺のこと、もっと構って? ……部長命令じゃなくて、……『いるま』からのお願い」
「……っ、……わかったよ。……今日だけだぞ、いるま」
結局、仕事が始まったのはそれから1時間後。
静かな夜のオフィスで、なつの温もりに包まれたいるまくんは、これ以上ないほど幸せな「残業」を堪能するのでした。
コメント
1件
ああ、これはもう完全に「甘えん坊な大型犬」モード全開ですね(笑)。部長の嫉妬で拗ねてるところから、なつが「今日だけだぞ」って隣に座ってあげる流れが、じわじわ来ますね。 佐藤たちが暗黙のうちに二人きりの時間を作って去っていくのも、なんかいいなって思いました。職場の空気が温かい。 結局仕事よりイチャつき優先なあたり、もうお互い様って感じです。安心して読める、ほっこり回でした。