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注意! この物語は死亡表現があります。
そして、日常組が生きている世界がマイクラだと考えてください。
一度死んだらリスポーンしません。
(ハードモードみたいな感じ)
クロノアさんが主人公(?)です
それらが苦手な方はターンしてください。
では、どうぞ!
夕暮れの森を、4人の足音が軽く弾んでいた
「新しい拠点さ、あっちに作らね?!」
ぺいんとがはしゃいで走り出す
「ちょ、まだ資材ぜんっぜん足りてねぇけど?笑」
トラゾーが笑いながら歩幅を合わせる
後ろからしにがみが追いかけてきて、
「クロノアさん、ぺいんとさんの事だから先に決めてもらわないと収拾つかないですよ〜笑」
と冗談交じりに言う
ぺいんとは顔を赤らめた
「ちょ、うるせぇな!!」
トラゾーは笑ったあとに
「でも、なんだかんだで最終的にクロノアさんの案が一番まとまりますしね」
と言う
クロノアは照れたように目をそらす
「……そんなに頼られてもなぁ、でもまあ、みんなが楽しければそれでいいよ」
風が優しく抜けていく
森の空気はあたたかくて、4人でいる時間はあまりにも自然で、
ずっと続くと信じられるほど平和だった
──この時は、まだ
日が落ちた瞬間だった
風が止まり、音が急に重くなる
森の奥で“ザザッ”と草が揺れ、4人はピタリと動きを止めた
「……クロノアさん、なんか…湧き方おかしくないっすか?」
クロノアの表情も変わる
「……うん、皆、近くに寄って―」
だがその警戒よりも早く、
影がぞろぞろと滲むように湧き出した
ゾンビ、スケルトン、エンダーマン、
クリーパーの数々
いつもより数が多いのか、
倍の速さと攻撃の密度を感じた
「数が…ちょっ、これヤバッ!!」
ぺいんとが後退する
「クロノアさん!右側からも来てます!!」
トラゾーが叫ぶ
矢が飛び交い、視界を揺らす
クロノアは3人を見渡しながら剣と盾を構える
「大丈夫、落ち着いて、俺が前に出るから
後ろで──」
言い終わる前に、爆発音が割り込んだ
「はッ…ぺいんと?!?!」
クロノアが振り返る頃には、
その黄色い後ろ姿はもうなかった
……死んでしまったのだ
「ッ……くそッ……!」
クロノアが胸を痛ませるすぐ横で
しにがみが叫んだ
「トラゾーさん!!!!!!」
振り返ると、トラゾーにもクリーパーが迫っていた
「トラゾー!!!!!!」
クロノアは走り出し、手を伸ばす
だめだ、届かない
直後に爆発音が鳴り響く
──トラゾーも死んでしまった
しにがみの声が裏返る
「やだ……やだよ……クロノアさん……
どうすれば……!」
「しにがみくん、こっちに──!」
叫んだ瞬間、森全体が赤く光り、
また爆発音が鳴り響く
しにがみも、クリーパーの爆発に巻き込まれて
死んでしまった
ひとり残された暗い夜の森の中
獰猛なモンスターに囲まれる
クロノアの持っていた剣が地面に落ち、
荒い息と踏まれる草の音だけが彼の耳に
聞こえていた
「……嘘…だ…」
逃げ込んだ拠点には誰もいない、静かだけど、
重い空気が漂っていた
クロノアの喉が詰まり、息が入らない
胸を押さえたまま、膝が勝手に折れる
「……なんで……なんで…ッ…」
呼吸が浅く、早く、乱れていく
(守れなかった………
……助けれたのに……全部目の前で……
目の前で死んでしまうのを…………)
「……ッ…う………は………」
喉が塞がったように声が出ない
空気を探すように必死に吸っても、
ぜんぜん足りない
「……ッ、は……なん、で……息が…ッ……」
視界の端がチカチカし始める
声を出そうとしても、空気が喉を擦るだけで音にならない
胸が圧迫されるみたいに苦しくて、手が勝手に震え続ける
「ッ……は……、ぁ”……ッ……」
過呼吸ぎみの浅い息が続いて、頭の奥がジンジン熱くなる
壁にもたれかかりながら床にしゃがみ込む
しかなかった
その夜、クロノアはひとりで息もしづらい中、
壊れそうなりながら泣き続けた
どれだけ泣いたのかもわからないまま、彼はその場で倒れるように眠ってしまった
静かな草原、空は柔らかい夕焼け
クロノアが目を開けると、
そこには──
「クロノアさん! おそようございま〜す!!」
元気なぺいんとが走ってきて
「めっちゃゆっくり寝てましたねぇ笑」と笑った
「クロノアさん、お疲れ様です!
えっと…よく眠れましたか?笑」
トラゾーが優しく声をかける
「ほら、早く!起きてくださーい!」
しにがみが手を差し伸べてくる
胸が締めつけられるほど嬉しくて、
同時に苦しかった
「……みんな……」
声が震える
しにがみが引っ張ることをやめ、
不思議そうに首をかしげた
「どうしたんです?クロノアさん」
死んだはずの彼らはあたたかくて、
触ると体温があって、笑ってくれる
涙が溢れる、溢れて溢れて止まらない
「ちょ、どうしたんですか?!クロノアさん!」
「もしかしてまだ寝ぼけてます?笑」
「珍しいですね、何かあったんですか?」
(ああ……ここにいたい……ずっと……ここに……)
けれど、クロノアは知っている
ここは夢なんだと
夢から覚めれば自分以外は……
クロノアは3人に、泣きながら尋ねた
「もう少し……グスッ……ここにいても……いい?」
3人は黙りこんだ
が、すぐにぺいんとは口を開いた
「何言ってんすかクロノアさん!いたいだけ
いたらいいんですよ?……まぁ、タイムリミットは
クロノアさん次第なんですけどね笑」
その優しい言葉にクロノアは安堵の表情を浮かべた
その後、表情筋が痛くなるまで、体がもう動かなくなるまで長い時間を過ごした
ずっとここにいててもいいんだと思い始めた頃
時間は来てしまった
3人の体が透け始めたのだ
クロノアは、過呼吸になりかけていた
「いやだ…ッ……もう……一人は…ッ」
「クロノアさん」
トラゾーはクロノアの背中をなで、
笑顔でこういった
「また、会いましょうね!」
その言葉を聞いた後、クロノアの意識が
なくなっていった
気づけば、クロノアは倒れた様に眠った場所で目を覚ました
そう、夢の世界は終わってしまったのだ
現実に戻ったクロノアは、ひとりで生き続けるしかなかった
あの出来事があってからは森に近づけず、
夜を避けた
それに3人の名前を呼んでしまう癖は治らなかった
そして数年後──
あの森に入ってしまった
木の影から蠢く影がまた、ぞろぞろと動き始めた
(あの頃のままだ……)
ゾンビの唸り声
クリーパーの火薬の匂い
スケルトンの骨の音
エンダーマンの叫び声
しかしクロノアは戦わなかった
ただ立ち尽くし、静かに目を閉じることしか
できなかった
「……もういいよ……殺してほしい…
俺は……みんなのところに行きたい……」
その瞬間、白い光が視界いっぱいに広がった。
また、あの時の夢の草原
4人が並んでいた
「あ!クロノアさんだぁ!!久しぶりっすね!」
ぺいんとが抱きついた
「遅かったじゃないですか!
いや、意外とすぐに会えたのかも?笑」
しにがみが嬉しそうに笑う
「お疲れさまですクロノアさん、
ずっと見てましたよ笑」
トラゾーが肩を叩く
クロノアは涙を流しながら残りの2人を抱きしめた
「やっと……会えた……」
でも──
そのとき気づいた
触ると少し透けている
3人の姿が薄い
「……え?」
前の時よりも早く3人が透けかけていた
しにがみが鼻を啜り、微笑む
「ほんと、なにしてんですかクロノアさん!
また今度、ちゃんと生きて戻って来てください」
ぺいんとが泣きそうな顔で笑う
「死ぬ所だったんですよ?
そんなすぐにこっち来ちゃだめですから笑」
トラゾーが続ける表情(目元)が袋で見えない
「クロノアさんは、まだ生きててくださいよ?
自殺なんかしちゃ、こっち来たとき
ぶん殴りますからね!笑」
クロノアは震えながら叫んだ
「嫌だ……もうひとりは嫌だ……
ここにいたい……4人で…!」
夢の世界が揺らぎ、
3人の姿がどんどん薄れていく
しにがみの声が遠くなる
「クロノアさんが生き抜いたとき、
また会えますから!
そのときは……また、ゲームしましょう!!!」
最後に、ぺいんとが言った
「お別れじゃないですよ、クロノアさん!
次は……“永遠に日常組で”一緒にいましょうね!」
光が弾け、クロノアは夢から押し出される
現実の森ではもう日が昇っていた
目を開けた彼は、気づけば溢れていた涙を拭いて
立ち上がった
「……分かったよ…笑
必ず……人生真っ当してから戻るから、
そのときは……また4人でゲームしような笑」
朝日が差し込み、森が静かに光った。
ぺいんと、しにがみくん、トラゾーとの約束を
守る
──それが、
クロノアが“現実で生きる理由”だった
たくさんの時間が流れた
クロノアは一人で探索を続け、
生きて、生きて、生き抜いていた
ある日、また昔と同じ森へ入ってしまった
茂みが揺れた
――クリーパー
まるであの日の再現のように、
四方から音が集まる。
クロノアは笑った
「……そっか、ここで終わりかな笑………でも…」
今まであの約束を守りたくて、
人生を諦めなかった
こんなところで終わらせたくない
クロノアはクリーパーを爆発させないように
距離をとって戦った
が、後ろにいたエンダーマンに気付かなかった
頭に走る殴打の衝撃
頭から血が流れる感じがして、
感覚がなくなっていった
視界が暗くなる、それを最後に、クロノアの人生は幕を閉じた
暗闇がほどけ、
柔らかい光が視界いっぱいに広がる
クロノアはあの夢の中世界に立っていた
目の前には――
「クロノアさん、最後まで約束守ってくれて、
ありがとうございました!」
「最後の戦い、あれ頑張ってくれましたね!
嬉しかったです!!」
「お疲れ様です、
ずっと3人で応援してましたよ笑」
3人が笑っていた
クロノアは涙をこぼした
でも今は笑顔だった
「……久しぶり笑頑張ったから、長かったでしょ」
3人は応える
「いや、ずっと近くにいたので
長くなかったですよ笑」
4人は笑いながら並んで歩き出す
あの森はもう怖くない
そして、誰も失われない
そう、
永遠に終わらない“4人の日常”が、
新たに幕を開けた
どうでしたか?
今まで書いたことないやり方に受験生なんで隙間時間でみちみち書いたこの物語笑
結構頑張りましたね
その後のストーリーが見たかったらまたコメントしてくれたら時間作って書こうと思いますね
では、おつです!