その日、二人は居酒屋でウォッカを飲んでいた。
「これ美味いな…」
「だろ?分かってんなロシア。やはり俺の息子なだけある。」
「息子じゃねぇやめろ、ソビエト。」
自分を息子という目の前の男にムッとしながら答えると、ソ連は微笑みながら言う。
「そりゃあ悪い。だがお前は可愛いからなぁ、父性?ってなモンがくすぐられるんだよ。」
「はっ!可愛いだと?お前一回眼科行ったほうがいいぞ。」
「言うじゃねぇか。」
そんなやり取りに、ロシアは誇らしく思ったり、特別感?というものを感じたりする一方で、少し驚いた。
この男は、自分がどれほどロシアに愛されているか知らないなんて…と。
だって、こうやって飲みに行くのも、微笑むのも、目を見て話すのも、全部コイツだからやっているのだ。
それなのに気づいていないなんて、鈍感過ぎる。
だって明らかに違うじゃないか。
日本と話す時は、目を合わさない。
イタリアに飲みに誘われても面倒だからと断っている。
フランスと話す時は、無表情か不機嫌な顔をする。
それを目の前でやっているにも関わらず気付かないなんて…。
一周回ってムカつく。
そんな思いを抱く中、ロシアの酔った頭の隅である案が浮かんだ。
『自分がどれほど愛されているか、分からせてあげよう』
普段のロシアならそんな浅はかでリスクの大きい案は浮かばないし、浮かんだとしても押し殺すだろう。
だが、生憎ロシアは酔っていたので理性もほぼ無くなっていたようなものだった。
ので、そのリスク高杉の案が名案に見えたのだ。
ロシアは速攻で行動に移した。
「…ソビエト、抱きしめていいか?」
そう言った瞬間、ロシアは理性を取り戻し羞恥心が湧いた。
いきなり率直に言い過ぎた、しくじった。
と思っていたら、ソ連が言う。
「抱きしめてくれんのか?ほら、やっぱり子供じゃねぇか。」
「…やめろよ、ほら抱きしめたぞ。」
ほんのり顔を赤く染めながらロシアが言うと、ソ連が吹き出した。
「あ?なんだよ?」
「いや、お前心臓バクバク言い過ぎだろ?」
「は?」
「こんなんじゃ、好きな子に馬鹿にされるな。」
まるでからかうような言い草に、ロシアはムッとして、ろくに考えもせずソ連にキスをした。
急にキスされたソ連はビックリして固まった。
「…おら、これでもまだ子供かよ?」
「おま、何を…」
「あ?何、もう一回?」
「言ってない!てかそういうのは好きな奴とやらなきゃダメだろ!」
「好きだからやったんだろ。」
「いや、…え?」
ソ連は典型的な二度見をして、顔を赤く染めた。
「え、ロシア…マジ?」
「当たり前だろ?」
ロシアは吹っ切れた様子で答える。
「え、じゃあ…付き合う…のか…?俺達…」
「ああ…まぁうん。」
ボソボソモニョモニョ喋る二人を何者かが眺めていた。
「……急展開過ぎないかい?凄く短いし…というより毎回毎回なぜ私達がオチに使われるのか気になるよ。」
「展開と短さに関しては作者がカスなのが原因ですね…。」
「オチに関してはお前が一番扱いやすいからなんね!」
「マジで作者は、全フランスファンに怒られてほしいね、ホント。」
「怒るんじゃないなんねフラカス。」
「口を慎めヘタリア。…えまってこれ前もやったよね????」
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みやび様より頂いたリクエストです!
みやび様、お気に召さなかったら申し訳ございません。これが限界でした…。
コメント
3件
居酒屋要素ほぼない…ごめんなさい…