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🐮×🐱
センシティブ中
わざと
出掛ける準備をしながら、ふと視界に入ったキヨが服選びで困ってる。
「これ羽織っとけよ」って自分のパーカーを渡した。
マーキングみたいなもんだ──まあ、ただの悪戯心。
「……うっしーの匂いする…」
その瞬間、頭が真っ白になった。
……は? 何だそれ。
お出かけ? んなもん、もう頭から吹っ飛んだ。
「おい ……今のそれわざとだろ?」
「え? なにが?」
無自覚か……いや、これ誘ってる……よな?
気づけばベッドの上。
貸した服を着たままのキヨを押し倒して、何度も、何度もキスを落とした。
甘い匂いが、自分の匂いと混ざって充満していく。
途中で「やっぱこれ脱がすのもったいねぇな」なんて思ったくらいだ。
──そして、すべてが終わったあと。
まだ荒い息をしてるキヨが、パーカーの袖をぎゅっと掴んで呟く。
「……うっしーの匂いがいっぱいで、気持ちぃ…♡」
……おい。
それ、無自覚で言ってるのか?
それとも、わかってて俺を狂わせにきてるのか?
どっちでもいい。
──もう、今日は外なんか出ない。