次の日の昼過ぎ、俺が目を覚ました時はすでに太陽が高く昇っていた。う~ん、と伸びをして体を起こす。
さて、どうしようか。まだ寝ぼけている頭を叩き起こしながら考える。とりあえず腹ごしらえをするか。
ルームサービスで軽食を頼み、それを平らげる。
「41番GRを見に行ってからショッピングモールにでも行ってみるかな!」
ホテルを出て41番GRを見に行ったが船はなし。まだルフィは来ないのか。
それじゃあショッピングモールの方に行こうかな。ぶらり、と歩き回る。服とか欲しいな~なんて思いつつウィンドウショッピングを楽しむ。こういうのって見てるだけでも楽しいんだよな。
「アクセサリー……は、いろんな人から貰ってるからいいか。武器も、他のを使おうものなら烏融が嫉妬するからな…」
そう呟くと、腰に差している烏融がカタカタと俺にしかわからないくらい僅かに震える。わかったわかった。使わないから。俺は烏融一筋だから。
烏融の柄をさすさすと撫でながらショッピングモールを歩く。
「お、あの服屋入ってみるか」
気になった店に入ってみると、シンプルなデザインながらオシャレな服を着たマネキンがあった。おお、いいじゃんいいじゃん。気に入った服を手に取って試着室に入る。選んだ服を着て鏡を見てみれば、うん、なかなか良いんじゃないか。
それからもいくつか試着したのだが、この店にある服はどれも大変俺好みである。だが調子に乗るとあれもこれも買ってしまいそうなので最初に選んだものにした。
新しい服を買ってほくほく気分に歩いていると、俺の腹がぐぅ、と鳴る。そういえばもう昼過ぎだったっけ。何か食べようかな。適当に見つけたレストランに入り、注文をする。出てきた料理を食べながらこれからの予定を考える。次はどこに行くかなぁ……。
「にしてもこの魚美味いな……」
魚のムニエルをフォークで突き刺して食べる。美味い。
「…俺、この世界に来てから食べることをかなり楽しんでいる気がする」
でも旅人ってそういうものだよな。いろんなところに旅行して、その土地の美しいものを見たり、美味しいものを食べるのが醍醐味だもんな。
あ、このグレープフルーツジュースも凄い飲みやすい。柑橘系の酸味と苦みのバランスが絶妙だわこれ。
「…ふう。すごく満たされた」
満足した俺は会計を終えて店を出る。
「まだホテルに帰るには少し早いな…」
だがどこに行くか……。腹も膨れたし、俺は酒に強くないから酒場に飲みに行くのもなぁ……。
「ん~……」
迷ったときは海を眺めるに限る!
ということで俺は島のぎりぎり、海が眺められるところまで行くことにした。
しばらく歩いていくと見晴らしの良い場所に出る。
「いやあ、やっぱり海はいい」
広くて、自由で、11歳の頃に城から出たあの景色が自然と思い浮かぶ。空を見上げれば雲一つなくて、太陽の光がきらりと反射している。波の音を聞きながら潮風に当たる。
「あの海獣でけえなあ。何追っかけてんだか」
遠くの方で巨大な海の生物が泳いでいる。下半分はサメだけど上半分は熊みてえだな。この世界ってキメラみたいな海獣多いよな。
「にしても大分スピード上げてんな、何をそんな熱心に追いかけて…………ん?」
なんか、海獣の前にそこそこ大きめの影が見えるな……。
俺は少しだけ身を乗り出して何かを追いかける海獣に目を凝らす。そして、それがはっきりと見えた瞬間、俺は目を見開いた。
「うっそだろ!?」
俺は急いで月歩を使い海獣の前まで移動する。
海獣が熱心に追い掛けていたもの、それは。
「「た、助けてぇえええええ!!」」
人魚だ。
下半身が魚で、上半身が人。まごうことなき人魚だ。23年間この世界にいたが、初めて会った。なんかちょっと感動だな。……感動よりもまず、彼女と、彼女が抱えているオレンジのヒトデを助けるか。
俺は烏融を抜き、そのまま勢いよく振り下ろす。スパンッと音を立てて真っ二つになる海獣。そのまま倒れて海に沈んでいった。
俺は人魚の方を向く。
彼女とヒトデはぽかんと口を開けて俺を見ていた。
「…に、人間の人……。あなたが海獣を倒したの?」
「そう、だな」
「わぁっ、すごーい!」
「見かけによらず強いんだな」
キラキラとした目で俺を見る人魚と、感心したような表情を見せるヒトデ。
「えーっと、ちょっと陸の方に近づいてもいいかな。シャボンディ諸島の方……はまずいかな。船でもあればその上で話せたんだけど…。あ、あそこの岩場にしよう」
「うんっ」
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