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《私はアム・ゼーレ。姉さんに着いて行って共に学園生活を送っていた。これは色んな波乱を乗り越えて私が幸せになるまでの物語…》〜オンボロ寮 談話室〜

ヴィルとジャミル、グリムが???達に攫われた

アテナ「ヴィル兄…。!まさか⁈」(急に走り出した)

ユウ「え⁈どこ行くんですか⁈」

アム「姉さん⁈姉さん!!」(追いかけた)

デュース「アムまで行ってしまった」

エース「アテナ先輩どうしたんだ?」

〜メインストリート〜

アテナ「ッ!流星の如く!(メテオール・スネル)…お願い。間に合って…!」(ユニーク魔法で速く走れるようになった)

〜教室〜

ズドン!!!!

アズール「うわっ⁈一体何事です?」

イデア「あーーっ!!今のゲーム、拙者の方が優勢だったのに!チェスの盤面グチャグチャ!」

アズール「そんな事言ってる場合ですか!絶対に緊急事態が発生していますよ!」

イデア「オルト、状況の解析を」

オルト「了解」

ピピピピピ…

オルト「ーーー学園の魔法結界にむけ、高出力の魔導ビームが照射された模様。現在、結界に複数の破損あり。敷地内に部外者の生体反応を複数確認」

アズール「侵入者…⁈」

イデア「人数は?」

オルト「現在15の生体反応を確認。また、上空に複数の熱源を感知。侵入者の数値は増加する可能性があります」

イデア「学園の障壁を破れる魔導ビーム…。侵入者の装備は?分かる範囲で」

オルト「高度・移動速度から箒、あるいは魔導を用いた飛行装置に塔乗。魔法弾、及び電気性魔導ビームが使用されてます。………移動ガジェットの性能、魔導エネルギーの回路の性質により、S.T.Y.X.『ステュークス』製と判断」

イデア「あー、最悪。…って事は、“渡し守”か」

アズール「貴方達は、何故そんなに落ち着いているんだ⁈つまり学園が外部から攻撃を受けている事でしょう!すぐに他の寮長と連携を…」

オルト「3機の飛行物体、急速に接近。約3秒後に接触します。3、2、1…」

ガシャーン!!

シュワアアア!

???「ノナ班、被検体Cを目視で捕捉。…イデア・シュラウド。ならびに魔導ヒューマノイド・ORTHO。同地点に確認」

アズール「…遅きに失したようですね。1年生は教室から退避!オクタヴィネル寮長の権限において、侵入者に…」

イデア「ストップ、アズール氏。抵抗しないで、大人しくした方がいい」

アズール「え?」

イデア「アイツらは特警班・『カローン』」

アズール「とくけい、カロ…えっ?」

イデア「S.T.Y.X.『ステュークス』の所有する特別魔導警備班・『カローン』。とりあえずマジカルペンから手を離して。手を頭の後ろに」

オルト「兄さんの推奨行動により、アズール・アーシェングロットさんが負傷する確率が約87%低下するよ」

アズール「……わ、かりました」

カローン班員A「対象の無条件降伏を確認。同行を要請します

イデア「………はぁ〜〜〜。あのさ〜、キミらちょっと乱暴すぎん?絶対いつか訴えられますぞ。第一、今回は“ファントム”じゃなく一応理性ある人間が相手なんだから、せめて話し合いから入るとかさ…」

カローン班員A「…作戦内容についての発言は、禁則事項とされています」

イデア「あー、出た出た。禁則事項」

カローン班員B「本部より、イデア様のS.T.Y.X.本部への帰還要請が出ています」

イデア「は?僕も?父さんと母さん、どっか行ってるの?」

カローン班員B「構成員の現在地についての情報開示は、禁則事項とされています」

イデア「はぁ…。りょ、…いや、了解。行くよオルト、着いてきて」

オルト「はぁい、兄さん」

アズール「イ、イデアさん。これはどういう事なんです⁈貴方は一体…」

イデア「詳しいことは後で説明する。なにもしないのが、この突発イベントの最善の攻略法ってこと。…あーあ、今日からスタートの推しキャラのランキングイベ、走る予定だったのに。最悪だ…」

???「…待てーーーー!!」

イデア、オルト、アズール「⁈」

イデア「ア、アテナ氏⁈」

アテナ「ヴィルさんやジャミルくん、グリムくんで飽きたらず、アズールくんとイデアさんも攫う気?私が許さないよ!!」

アム「姉さん!ッ!カローン…!」

イデア、オルト「⁈」

アテナ「アズールくん、イデアさん。今助けます!!」(カローンに襲いかかった)

アム「姉さんダメ!そいつらは魔法が効かない!」

アテナ「知るか!!ヴィルさんとジャミルくんも返せ!!はぁーーー!!」

カローン1体を完全分解した

イデア、オルト、アズール「⁈」

アズール「ロ、ロボを分解した⁈」

オルト「あり得ない。どういう事?兄さん」

イデア「分からない。けど、今は」

カローンA「魔道ビーム、充電完了!ー発動!」

バリバリバリバリバリバリ!

アテナ「ッ!(かわそうとしたが、当たった)あ”ーーーー!!」(跪いた)

アム「姉さん!!(アテナに駆け寄った)姉さん、姉さん!」

アテナ「…うっ…アムは離れてな」

アム「でも!…分かった」(少し離れた)

アテナ「…ハァ、ハァ…イデアさん達を、返せ…」

イデア「アテナ氏、やめて!アテナ氏!」

カローンA「魔道ビーム、再度充電完了!ー発動!」

バリバリバリバリバリバリ!

アテナ「あ”ーーーーーー!!…ッ!おまえ、も…(ギリギリでカローンAを腕だけ分解した)…ッ…」(倒れた)

アム「姉さん!(アテナに駆け寄った)しっかりして!姉さん!」

イデア「アテナ氏…!」

オルト「兄さん…」

イデア(アテナに駆け寄った)「アテナ氏!」

アテナ「…ッ…イデア、さん…。守れ、なくて、ごめ、ん…」(気絶した)

イデア「アテナ氏…(アテナをお姫様抱っこした)この子も連れて行く。アム氏も来て」

アズール「イデアさん⁈」

アム「いいけど、どうして?」

イデア「…なんか今離れちゃいけない気がするんだ…」

アム「…」(遂に、か…)

アテナはイデアに抱えられながら、イデア達と共に嘆きの島へ…

〜S.T.Y.X.研究場 個室〜

アム「…姉さん…」

アテナ「…はっ!…ここは?皆は?」(夢から覚めた)

アム「!姉さん!良かった、起きたんだ。心配したよ」

アテナ「アム、ここは?」

アム「ここはS.T.Y.X.研究場の個室。この建物はイデアさんとオルトくんの実家」

アテナ「え⁈そうなの⁈」

アム「うん。姉さんはあの後、イデアさんに運ばれてここへ来たんだよ」

アテナ「そうなんだ…。あ!皆は無事⁈」

アム「無事だよ。彼らは情報と検査の為に連れてこられたんだ」

アテナ「…手荒な事してないよね?」

アム「してないよ。とりあえず、イデアさんの所行く?」

アテナ「…うん」

〜S.T.Y.X.研究場 廊下〜

アテナ「…服、用意してもらっちゃった。この服、なんだか…懐かしいような…この服ってここの仕事服?」

アム「そうみたい。S.T.Y.X.の人達は皆それを着てたよ」

アテナ「そっか。…アム」

アム「ん?」

アテナ「私達、ここに来るのは初めてよね?」

アム「うん、そうだよ」

アテナ「…だよね。なんか変な感じ…」

アム「…」(姉さん…)

〜S.T.Y.X.研究場 指令室〜

アム「ここだよ」

アテナ「!イデアさ、」(つまづいた)

イデア「!アテナ氏!(すぐアテナを支えた)もう体は大丈夫なの?」

アテナ「はい。お手数をおかけしました」

イデア「いや、いいんだ。君が無事なら…」

アテナ「イデアさん…。そう言えば、皆さんはどこに?」

イデア「あー、ヴィル氏達は別の部屋にいるよ」

アテナ「!顔合わせできませんか?少しだけでも!その後、必ずお手伝いします!」

イデア「…分かった。でも、僕は行けないからオルト、アム氏」

オルト、アム「はーい」

イデア「2人は同行させる。いいね?」

アテナ「!はい。ありがとうございます」

〜S.T.Y.X.研究場 廊下〜

オルト「アテナ・ゼーレさん、元気になって良かったよ」

アテナ「心配かけてごめんね」

オルト「大丈夫だよ。でも、結構寝てたね。体調は大丈夫?」

アテナ「大丈夫。ただ…(フラッシュバックした)長い夢を見てただけさ」

オルト「そっか。あ!ここが皆がいる所だよ」

〜S.T.Y.X.研究場 会議室〜

アテナ「ヴィル兄!」

ヴィル「アテナ⁈どうしてここに」

アテナ「色々あって私もここに連れて来られたの」

ヴィル「まさかアテナになんかしたの?💢」

オルト「してないよ」

アム「ヴィルさん。むしろ、姉さんが暴れたんだよ。それで魔道ビームでビリビリやられて」

アズール「ええ、あの時凄かったですよ。あのカローンを分解したんですから」

皆(アム、アテナ、アズール、オルト以外)「え⁈」

リドル「そうなのかい⁈アテナ」

アテナ「うん。なんか出来ちゃった」

ジャミル「よく軽々しく言えるな」

アテナ「あははは💧あ、オルトくん、アム。イデアさんのお手伝いに戻っていいよ。私も戻りたい時、連絡するから」

オルト「はーい」

アム「うん」

オルトとアムは行った

〜S.T.Y.X.研究場 廊下〜

アム「姉さん、大丈夫かな…?」

オルト「?皆がいるから大丈夫だと思うよ」

アム「あ、そうじゃなくて…姉さん、ここをある意味知ってるから」

オルト「え、それどういう、」

ヴィル『イデア、聞こえる⁈オルトかアムいない⁈』

オルト「!ヴィル・シェーンハイトさんからの連絡だ」

アム「ヴィルさん、どうしたんだろう」

ヴィル『アテナが魘されてるわ。何しても起きないの。とりあえず来て!』

アム「!私、姉さんのところ行く」(行った)

オルト「あ…ッ…」(急いでイデアの所に行った)

〜S.T.Y.X.研究場 指令室〜

オルト「兄さん!アテナさんが!」

イデア「⁈アテナ氏がどうしたの⁈」

オルト「なんか魘されていて、とりあえず来て!」

イデア「分かった!」(オルト共に向かった)

〜S.T.Y.X.研究場 会議室〜

オルト「連れて来たよ!」

アム「イデアさん!オルトくん!」

ヴィル「遅いわよ!」

イデア「ご、ごめん」

リドル「先程僕達が揺らしても起きなかった。でも、イデア先輩なら…」

イデア「アテナ氏…アテナ氏!」(アテナを揺らした)

アテナ(起きた)「…あれ?(横を見た)イデア、さん…?オルトくん、アムまで…」

イデア「良かった。君、うなされていたんだよ?」

アテナ「うなされ…そうだったんですか…」

ヴィル「びっくりしたわよ。急にうなされて起こそうとしたけど、アンタを揺らしても起きなかった」

アム「だから、私達ヴィルさん達に呼ばれて来たんだよ」

アテナ「そっか。ご迷惑をおかけしました」

イデア「いや、君が無事ならいいんだ」

アテナ「…はい…ありがとう、ございます…」

アナウンス「ヒトサンマルマルより、被検体ROS_859A、SUS_3320Bのテストを開始します。現在、該当のファントムのケージを凍結解除中。職員の安全に万全を期するため、テスト終了まで館内の扉は全て施錠されます。館内を移動中の方は、速やかに管轄エリアにお戻りください」

アテナ「な、何?」

イデア「…今日はAクラスのファントムテストか。少し時間がかかるかもしれないな。というわけで、君らは今から2、3時間はこの部屋から外に出られません。各自適当に暇つぶしヨロ」

皆「ええ〜〜〜〜⁈」

しばらくして、オルトがタルタロスについて説明をした

アテナ「タル、タロス…」

アム「…」

オルト「アテナ・ゼーレさん、大丈夫?」

アテナ「う、うん。大丈夫…」

アム(姉さん…思い出して欲しくないな…)

数分後、皆はゲームを楽しんでる

アテナ「え⁈ヴィル兄もやるの?うわ〜、ヴィル兄がゲームやるの見るの久しぶりかも」

アム「確かに!」

オルト(ヴィルにコントローラーを渡した)「では…」

イデア、オルト、アテナ、アム「遥か彼方の栄光を目指し、流星のように駆け抜けろ!」

ヴィルがゲームプレイ中

オルト「うまい、うまい!第1ステージのボスまで難なくクリアできたね!」

アテナ「ヴィル兄、凄い!」

ヴィル「プレイして気付いたけど…このゲーム、実写映画化されてない?このストーリー。おぼろげだけど、父と一緒に映画館で見た記憶がある」

アテナ「あー、そう言えばそうだったね」

イデア「マ?ヴィル氏とアテナ氏、実写映画見たの⁈」

ヴィル「あの映画、ゲーム原作だったのね。今日初めて知ったわ」

オルト「映画版は原作ゲームのファンから評価が高かったけど、原作を知らない一般層にもヒットして、『スター・ローグ』の名前を広めるきっかけになったんだ」

イデア「そうそう。映画をきっかけに、ゲームはさらに売上を伸ばし…ついに続編制作決定へ!」

オルト「でも…ゲームの続編制作決定と発表された直後、ゲームの開発チームが仲違いしちゃって」

イデア「マジで悲劇ですわ。シナリオライター、キャラクターデザイナー、ゲームプランナー、全員が揉めに揉めてゲーム会社を辞め、散り散りに…」

ヴィル「制作陣が誰も残らなかったんじゃ、続編を作っても別物になる可能性が高いわね」

イデア「そう。無理に別クリエイターを立ててまで続編を作らなかったゲーム会社のポリシーは評価できる。しかし、『スター・ローグ』の続編は永遠に叶わぬ夢となってしまったのであった…」

オルト「その流れで、実写映画の続編も凍結しちゃったみたい」

イデア「いつの日かまた神クリエイターたちが集結し、『スター・ローグ』の続編が発表される奇跡を、拙者はずっと夢見てるんでござるよ…。ウッ…」

アテナ「イデアさん…」

ヴィル「あら、夢見てるだけなの?」

イデア「え?」

ヴィル「そんなに好きなら、アンタが作ればいいじゃない」

イデア「はあ?」

レオナ「確かにな。シュラウド家の財を持ってすれば、クリエイターにギャラを払って再集結させられるだろ」

イデア「は、はぁ〜〜〜〜〜⁈分かってない!君たち全然分かってないっすわ!拙者は、クリエイターたちがこれは絶対に面白い!プレイヤーを楽しめてやるぞ!っていう熱い気持ちで作った『スター・ローグ』の続編がやりたいの!報酬で釣って、イヤイヤ作らせたものになんの価値があるんだよ」

アテナ「うんうん。分かる、分かるよイデアさん」

ジャミル「そういうものですか?」

イデア「そうだよ!これだからパンピーは!オタクの気持ち分かってないなぁ!」

ヴィル「アツくなってるところ悪いけど、アタシはそういう意味で作ればって言ったわけじゃないわよ」

イデア「へ?」

ヴィル「手始めに散り散りになったクリエイターひとりひとりを訪ねて、アンタの暑苦しい情熱を伝えて回ってみたら?」

イデア「は…?」

ヴィル「続編に心待ちにしている熱烈ファンがいることを真剣に伝えれば、なにか変わるかもしれない」

イデア「そ、そんなの…過去に何度もファン有志が署名とか寄せ書きとかしてますし…」

ヴィル「それはアンタじゃなくて他の誰かがやった事でしょう。アンタ自身は何かアクションを起こしたの?」

イデア「む、無理無理。拙者1人が何かしたところで、どうにかなるわけないし…」

ヴィル「最初から無理だって決めつけてなにも行動を起こさなければ、可能性はずっとゼロのままよ。アタシなら、ゼロをゼロのままにしない」

オルト「……⁈」

アム「オルトくん…?」

ヴィル「ゼロには何をかけてもゼロのままでしょ?でも何かアクションを起こせば、0が0.001に変わるかもしれない。そして、0.001は100になれる可能性を秘めてるの。だったらやらない理由はないわ。『スター・ローグ』の主人公だって、ゼロからスタートして、最後はヒーローになる。そうよね?」

イデア「そりゃそうですけど、それは作り話ですし…。現実はそう上手くいかないでしょ。結局ゲームの制作陣だって、志半ばで解散しちゃってるわけだしさ」

ヴィル「ええ、アンタの言う通り。いつだって現実は厳しく、予定調和のハッピーエンドとはいかないわ。でも…だからこそ、ひっくり返せる未来(シナリオ)もあるはず。だってアタシ達、まだ18歳よ?諦めてエンドマークをつけるのには早過ぎる」

アテナ「ヴィルさん…」

イデア「で、でも、拙者にはそんなの…」

オルト「無理じゃないよ、兄さん!!」

イデア「へぁっ⁈」

オルト「学校の友達を家に呼んで一緒にゲームをするなんて、僕達には絵空事(フィクション)だってずっと思ってた。でも、こうして実現したんだもの」

アム「オルトくん…」

イデア「え、えぇ〜?だからさ、今回の友達を家に呼ぶのとはちょっと違うでしょ…」

オルト「僕、なんだか自分がやるべきことが少しだけ見えてきた気がするよ。ありがとう。ヴィル・シェーンハイトさん!」

ヴィル「?お礼言われるようなことは何もしてないけど…アンタがポジティブな気づきを得たんなら良いことね」

オルト「うん!」

イデア「お、おーい、オルト?拙者の話聞いてる…?」

リドル「やった!!最初のステージをクリアしたぞ!」

アテナ「おー👏」

オルト「あっ!リドル・ローズハートさんがイージーモードで冥界伝説の1面をクリアしたみたい」

イデア「なんと!コントローラーの上ボタンがなんだか分かっていなかったリドル氏が⁈」

アズール「それもこれも、ひとえに僕の根気強いアドバイスのおかげですよ。ねぇ、リドルさん?」

リドル「君は横からあれこれと口を挟んでいただけじゃないか」

ヴィル「アンタ達、あれからずっとやり続けていたわけ?ちゃんと休憩は挟んだんでしょうね」

皆はワイワイし始めた

オルト「ゼロを、ゼロのままにしない…そうすれば…ひっくり返せる未来(シナリオ)も、ある…か」

アム「…」(オルトくん…?)

アナウンス「ヒトサンマルマルより、被検体ROS_859A、SUS_3320Bのテストを全行程終了しました。該当ファントムのケージを凍結、収容完了。館内の全扉のロックを解除します」

イデア「あ、ようやくテストが終わったみたいっすな。ふぅ…やっとこの猛獣だらけの空間から解放される…」

ヴィル「なんだかんだ、あっという間の3時間だったわね」

レオナ「ふぁ〜あ…よく寝た」

ジャミル「レオナ先輩…よくあの騒ぎの中で眠れましたね」

リドル「うう…目をつぶると、川を流れる人魂がちらつく…」

アズール「僕はゲームの実況動画がエンタメとして成立する理由が少し分かった気がします。もう少しでクリアだというところで、ミスをした時のリドルさんの叫び声ときたら…思い出しただけでも…フフフッ!」

イデア「それじゃ皆さん、各自個室に戻ってクダサイ。明日朝8時には、学園へ向けて出発する予定なんで…。それまで大人しくしといて。…あ、そうだ。ヴィル氏。ちょっと話があるから残ってくれる?」

ヴィル「アタシにだけ?構わないけど…」

アテナ「?」

ヴィル「ルークとエペルが、嘆きの島まで追いかけて来た⁈」

イデア「しかも、ユウ氏まで巻き込んでね」

アテナ「え⁈」

ヴィル「ユウまで⁈冗談でしょう⁈」

イデア「冗談だったらどんだけ良かったか。恐らくルーク氏達の襲来はS.T.Y.X.始まって以来の珍事として後世に語り継がれますぞ」

ヴィル「あの子達、なんだってそんな無茶を…まさか、アタシを助けだすために?」

イデア「オルト、ルーク氏から預かったもの出して」

オルト「了解(出した)はい。ヴィル・シェーンハイトさん愛用のスキンケア用品一式!」

ヴィル「…は?」

アテナ「え、え⁈まさかスキンケア用品をヴィルさんに渡す為に来たの⁈」

イデア「だよね?やっぱその反応になるよね?嘆きの島まで箒1本で乗り込んで来て…ヴィルにこれを!って化粧品を渡された時には、S.T.Y.X.一同完全にフリーズしましたわ」

アテナ「うわ〜。でも、なんかルーク先輩らしい〜」

オルト「我が盟友ヴィルの危急存亡のとき!ってね」

アム「ルークさん、そんな事言ったんだ」

ヴィル「……ふっ、あはははははは!!!あの子達を抱きしめてキスしたあと、ビンタしてやりたい気持ちよ」

アテナ「いや、どんな気持ちなのそれ…」

ヴィル「ルークの突飛な行動には慣れたつもりでいたけど、今回は流石に驚いた。しかも、エペルやユウまで来てるなんて!待機しろって言ったはずなのに。全く、全然言うことを聞きゃしない。自分達がどれだけ馬鹿な事をしたのか、学園に戻ったらみっちり説教してやらないと。でも、せっかく持ってきてくれたんだものね。ありがたく受け取るわ。…あら?この美容液…」

アテナ「!」

アム「?」

オルト「どうかした?」

ヴィル「いえ、大したことじゃないわ。普段使いのものじゃなく、“特別なおまじない”が込められたスペシャルケア用を持って来たみたい。カローン達に乱暴に連れ去られたのを見て…とんでもなく劣悪な状況に置かれてると考えたのかもしれないわ」

オルト「カローン達と戦っても勝ち目がないって分かってたはずなのに、それでも追いかけてくるなんて…ルークさん達は本当に友達想いなんだね」

イデア「いや、友達想いで済むレベルか?普通に怖いんですが…」

ヴィル「ふっ。確かにクセは強いけど、慣れれば裏表なくて付き合いやすい男よ、ルークは。裏表がなさすぎてデリカシーがないのが玉に瑕だけど。…おかげで来週に控えた雑誌のカヴァー撮影には、最高のコンディションで挑めそう」

アテナ「良かったですね、ヴィルさん」

ヴィル「ええ。外部から被検体への差し入れを許可するなんて、きっと顔見知り特権よね?感謝するわ、ボス」

イデア「別に。吠えまくる猛獣をなだめるためのジャーキーを与えただけにすぎないんで」

ヴィル「本当にいちいち腹が立つ言い方をしてくるわね、アンタ。話が終わりなら、アタシは部屋に戻らせてもらうわ」

イデア「ハイ。乙でーす…」

アテナ(あの美容液って…)

イデア「あい、こちらイデア・シュラウド」

オペレーター「所長代理。ケースナンバーLOD-627へ適応される『レテの河』についてのご報告です。現在88%チャージ完了。本日フタゼロマルマル、本部に収容されている被検体A〜E、そして賢者の島全域、その他関係者への使用が可能となる予定です。インターネット上へ流出した情報については、現在情報対策班・ムネーモシュネーが対応しています」

イデア「はい、お疲れさん。じゃあ洪水を起こすのは0時にしよう」

オペレーター「了解。賢者の島へはヘキサ班が出動予定です」

イデア「了解。あー、そうだ。ナイトレイブンカレッジには、茨の谷の次期当主マレウス・ドラコニアが滞在してる。妖精は『レテ』の効き方に差があるはずだから、注意して調整して。あのへんのご長寿な種族が知ってて当然の情報まで押し流したらまずい」

オペレーター「了解」

オルト「…『レテの河』使ったら、皆S.T.Y.X.のことを忘れちゃうんだよね」

イデア「そう。いくらS.T.Y.X.の技術をもってしても、時間を巻き戻すことはできない。だから、『レテの河』を使って強制的に、齟齬の出ない範疇で記憶を書き換えるんだ。被検体A〜Eの5名の記憶は、英雄の国の大学病院に特別要請を受け、ブロットに関する調査に協力したことに変わる。嘆きの島へ連れ去られて、戻って来た魔法士がいない…なんて言われてるけど…行ったこと自体を忘れちゃうんだから、戻ってくるわけがないんですわ」

オルト「……皆と一緒にゲームしたことも、忘れちゃうの?」

イデア「当然だろ。拙者に対しての認識も、S.T.Y.X.所長代理じゃなく、ただの引きこもりの根暗オタクに戻る。あ、それはここでのことを覚えても変わらんか。フヒッ!」

オルト「…」

イデア「…オルト?」

オルト「…えっ?」

イデア「さっきから少し様子がおかしいけど、どこか調子悪い?魔導回路か、リアクターに不調があったりするのかな…念の為にメンテしようか?」

オルト「ううん!ボディのどこにも不調はないよ。兄さんのメンテはいつも通り完璧。普段あまりしないことを経験したから、メモリの処理に時間がかかってるのかも」

イデア「そう?ならいいけど…」

オルト「僕、研修施設のルークさん達の様子を見てくるね。ちゃんとヴィルさんに化粧品を渡したよってことも伝えてくるよ」

イデア「ああ、うん。いってら」

オルトは行った

アム「あ!私も!」(オルトを追いかけた)

イデア「オルト…?」

アテナ「アムもどうしたんだろう?」

〜S.T.Y.X.研究場 廊下〜

オルト「ゼロをゼロのままにしないために、僕が出来ることってなんだろう…」

アム「確かにそうだね」

オルト「アム・ゼーレさんも考えてるの?」

アム「…うん」

???「教えてあげようか」

オルト「!!誰⁈」

アム「⁈」

???「…おいで。こっちへおいで」

オルト「…この声…『タルタロス』の方から…?まさか、ファントム…⁈」

アム「え⁈ファントムは喋れないんじゃ…」

???「知りたいんでしょう?君に何が出来るか…」

オルト「…知りたい。どうしても変えたいんだ…未来を」

アム「オルトくん?どうしたの?急に」

???「なら、もっとこっちへ…降りておいで」

アム「!そんな事、オルトくん?ちょっと!」(オルトを追いかけた)

???「もっと、もっと…深いところまで…」

アム「オルトくん、止まって!オルトくん!」

???「もっと暗くて寒い地の底まで…」

アム「どこまでオルトくんを呼ぶ気…?」

オルトとアムは着いた

オルト「ここは…」

アム「!冥府の扉…!」

たくさんの笑い声が聞こえ始めた

アム「…不気味…。オルトくん、戻ろ?オルトくん!」

オルト「…そこに、いるの?」

???「うん。君が生まれる前からずっと…。でも、寂しくなかったよ。ここにはたくさん友達がいるから」

オルト「友…だち?」

アム「貴方、何者なの⁈」

???「僕は君に…ううん。世界中のみんなに僕たちの友達になって欲しいんだ。そうすれば…この檻(ケージ)はいらなくなる。兄ちゃんは自由になれる!」

オルト「兄ちゃんって…君はまさか…っ!

アム「そんな、嘘…こんな事って…」

〜へカーテ地区・研修施設〜

オルト「やあ、ルーク・ハントさん。エペル・フェルミエさん。ユウさん。なにか不便なことはない?」

ルーク「ああ、オルトくん。お気遣い痛みいるよ。おかげさまで快適に過ごさせてもらっている」

オルト「ヴィルさんやグリムさん達の検査は全行程終了したよ。大きな異常もなく、経過は良好。今はテストによる疲労を回復させる為、各自個室で休息を取っている。特にグリムさんはテスト項目が多かったからね…お腹を天井に向けて大の字で熟睡中さ。君達と合流できるのは、明日の朝この島を発つ時になりそうだ」

ルーク「おぉ…一刻も早くヴィルの元気な顔を見たかったけれど、疲れているのなら押しかけるべきではないね」

ユウ「グリムに何事もなくて良かった」

オルト「そうだ。ルークさんから預かった化粧品…ちゃんとヴィルさんに渡したよ」

ルーク「本当かい⁈メルシー!君達の友情と厚意に感謝を」

オルト「ううん。お礼を言うのは僕らの方だよ。君達が嘆きの島にやってきた事で、僕が生まれてきた意味がやっと掴めそうなんだ。僕もやれるだけのことをやったって言えるように頑張ってみる。ゼロをゼロのままにしないように」

ルーク「ムシュー・お人形…。君の掴み取る未来が輝かしいものとなるよう、願っているよ」

オルト「ありがとう。それじゃあ、また…」

オルトは行った

エペル「…なんだかオルトクン、昼間とは雰囲気が違うような?」

ルーク「…?」

???「さぁ…まずは『ケルベロス』を眠らせよう」

オルト「このコマンドは取り消すことができません。実行しますか?」

???「時は来た。行こう。全宇宙が僕らを待っている」

アム「…ねぇ。貴方なら姉さん、いや“お姉ちゃん”も自由になれる?」

???「もちろんだよ。行こう。君のお姉ちゃんと僕達の兄ちゃんの為に」

アム「…うん…!」

オルト「声帯認証完了。システム・オールグリーン。プログラムを実行します」

???「ああ…この日が来るのをずっと待ち望んでた。僕達ならきっと、未来を変えられる」

アム、オルト「ゼロをゼロのままにしないために…」

???「やっと会えたね」

ーーはじめまして、僕(オルト)ーー

~S.T.Y.X.研究場管制室~

オペレーターA「ケルベロス・システム、完全に沈黙。外部からのコマンドを受け付けません!」

オペレーターB「タルタロス凍結維持レベルを低下!第1、第2、第3タワー内、第1層にて、ケージ内の融解開始を確認。各被検体の意識レべル、上昇中です!」

オペレーターC「外部への緊急要請、所長への緊急コール共に応答がありません!賢者の島へ行ったカローン・ヘキサ班とも連絡が途絶えました!外部との通が全て遮断されています!」

オペレーターD「インビジブル・シールド、緊急解除コード、否認!」

イデア「こ・・・これは…一体何が起こってんだ?」

アテナ「私達の想像以上に皆さん混乱していますね」

オペレーターA「所長代理!ケルベロス・システムが全ての機能を停止しています!」

イデア「あり得ない!ケルベロス・システムの設定を変更するには、シュラウド家の人間の生態認証が必要だ。この島で今その権限を持っているのは僕だけのはず…。なのに、どうしてこんなことに?とにかく、原因究明は後。まずはケルベロスを叩き起こさないと!生態認証で起動出来ないなら、手動で再起動用のコードを打ち込んでいくしかない」

アテナ「私も手伝います!」

オルト「一兄さん」

アム「一姉さん」

イデア「オルト!良かった、やっと繋がった」

アテナ「アム!無事だったのね」

イデア「ケルベロス・システムが止まってる。復旧を協力して!」

アテナ「アムもお願い!」

オルト「ごめんね、兄さん。それは出来ない」

アム「姉さん。私も出来ない」

イデア「えっ・・?」

アテナ「え・・・?どういう事?」

オルト「僕、たくさん考えたんだ。ゼロをゼロにしないためには、何をすればいいのか。やれるだけの事をするってどういう事なのかなって…」

イデア「オルト?何言ってんの?!今それどころじゃないって!」

アテナ「そうだよ!オルトくん、なんか変だよ!」

アム「姉さん…。これは姉さんの為でもあるんだよ」

アテナ「え…?私の、為…?」

オルト「そうだよ!それでね、さっきやっと最適解を導き出す事が出来たんだ。未来(シナリオ)を修正するのが難しいのなら一度消して、最初から書き始めればいい。プログラムだってそうでしょ?色んなエンジニアを経由してバグが積み重なったプログラムを地道に修正するより、1から書き直した方が早い」

アム「つまり…このバグだらけの世界を、一度リセットしてイデアさんと姉さんが新生すればいいんだ!」

イデア「オルト、何を言ってるんだ⁈」

アテナ「そうだよ!アムまで一体どうしたの?おかしいよ!」

イデア「チッ…やっぱりあの時、AIの演算装置内でバグが発生したんだ。すぐにメンテしてれば!」

オルト「バグじゃないよ、兄さん。これは僕の意思だ」

イデア「違う。お前は…今のお前は、僕の弟を模して作られた自律型AI搭載の魔導ヒューマノイド。お前が意思だと思っているのは、全部プログラムされているんだ…!」

オルト「そうだね。僕は確かに造られた存在だ。一でも、知らないの?僕を造った兄さんは異端の天才と呼ばれた魔導工学の申し子。だから僕はロボットの枠を…プログラムを超える!」

警報が鳴った

アテナ「今度は何⁈」

オペレーターA「S.T.Y.X.のメインサーバーが何者かにハッキングを受けています!逆探知成功。これは…ヒューマノイド・ORTHOのAIプログラム?!」

オペレーターB「侵食領域が拡張していきます!防壁アイギス、機能しません!S.T.Y.X.全システムのコントロールが、ORTHOのAI制御下に切り替わっていきます」

イデア「嘘だろ!オルトにそんな権限持たせてない!…僕が止める!…なっ?!」

オペレーターC「ORTHO、緊急停止:コードを否認。なおも侵食を続けています!」

オペレーターB「ラケシス、クロートー、アトロポス、全サーバーに侵食を確認!」

オペレーターE「あらゆるシステムのアクセスコードが、全て書き換えられていく…・・!」

イデア「くっ、手動じゃオルトのブログラムを書き換えるスピードに追いつけない!こうなったら最終手段だ…緊急用含めて全源を手動で落として!」

オペレーターD「ダ…ダメです!篭源、落ちません!」

イデア「嘘だろ…。こ、このままじゃ…嘆きの島が全部乗っ取られる!」

アテナ「ッ!…オルトくん、アム!もうやめて!なんでこんな事するの!」

オルト「だから、世界を新生する為だって!RTS (リアルタイムストラジー)は、僕の勝ちだね」

イデア「や、やめるんだ、オルト。世界を新生するなんて、不可能だ!」

オルト「不可能じゃない。ヴィル・シェーンハイトさんが言ってたでしょう。0.001%でも可能性があるなら、それは可能って事なんだ!新しい世界では、ファントムと既存の生物が共存することになる。冥府とタルタロスを解放するんだ。そうなれば世界はブロットで満たされて…ブロットを焼却できる呪いを持つ僕達が、新しい世界のボスになれる!」アム「そしたら、普通の人みたいに気軽に友達を家に呼べたり、一緒にゲームや映画を見たり出来て、記憶をリセットする必要なんてない。また遊びに来てねって言える。どんな事だって、イデアさんと姉さんが望めばなんだって叶う!」

オルト「そう!そして、新しい世界では、兄ちゃんが全宇宙の支配者で、スーパーヒーローなんだ!」

イデア「兄ちゃん…だって⁈」

アテナ「⁈」

イデア「…そんな、あり得ない!だって、オルトはあの日…!」

アテナ「でも、ケルベロス・システムをシャットダウン出来る人を考えると…」

イデア「まさか…ッ⁈ほ、本当、に…?本当に、お前なのか…オルト?」

オルト「そう…僕だよ、兄ちゃん。僕があの番犬を眠らせたのさ」

アム「そして、私もそうだよ…お姉ちゃん」

アテナ「⁈…嘘…」

イデア「…ッ!!」(行った)

アテナ「イデアさん、私も、ドクン」(倒れた)

オペレーターA「所長代理?!どこへ行かれるのです!所長代理!イデア様…!!」

オペレーターB「大丈夫ですか?しっかりしてください。大丈夫ですか?!」

アテナ「…ハア…ハア…(なんで急に発作が…。早くイデアさんを追いかけないと…私もアムのところ行かないと…)イデア…様…」(気絶した)

アム(…ごめんね、姉さん…)

~S.T.Y.X.研究場 管制室〜

アテナ「うっ…う~…」(起きた)

ヴィル「アテナ!」

アテナ「ヴィル兄!って、何そのカローン達⁈」

レオナ「説明は後だ!手伝え!」

アテナ「あ、はい!」(どんどん分解していった)

リドル「す、凄い。これがアズールが言っていたアテナの分解」

アズール「本当器用ですね」

ジャミル「しかも、魔力無しでその技術、凄まじいな」

しばらくして、エペル達と合流した

オペレーターA「ん?その髪色と瞳…」

アテナ「ッ!な、なんでしょう?」

カローンの1体がアテナを守るように立った

ヴィル「!アテナ!」

リドル「アテナ!離れて!」

アテナ「待って!このカローンだけ何か違う。お願い、信じて!」

レオナ「…チッ!面倒なことを…」

アテナ「…君はアムでしょ?正確にはアムが操ってるカローン、かな?」

カローンからスクリーンが出てきた。そこにはアムが映っていた

皆「⁈」

アテナ「アム!」

アム「お姉ちゃん、急にカローンを動かしてごめんね」

アテナ「ううん。アムなりに私を守ろうとしたんでしょ?」

アム「うん。…お姉ちゃん、よく聞いてね。お姉ちゃんと私は元々嘆きの島出身なの」

皆「え⁈」

アテナ「…それで?」

アム「お姉ちゃんは代々シュラウド家に仕え、シュラウド家を守る一族、ゼーレ家なんだ」

アテナ「…そっか。アムは知ってたんだ」

アム「うん。私ね、ずっとお姉ちゃんの側にいたの。本当はオルトくんと同じ場所にいるはずだったんだけど」

アテナ「え?もしかして…私の作ったアムのヒューマノイドに本物のアムの魂が?」

皆「⁈」

アム「そうだよ。ごめんね、ずっと黙ってて。言ったらお姉ちゃんやヴィルさんが危ないと思って…」

アテナ「いいのよ。貴女は昔から溜め込む癖があった。その分、とても優しくて可愛い自慢の妹。私は貴女が変わらなくて安心したわ」

アム「ありがとう。詳しくここの事を知りたいなら、あとはお姉ちゃん次第。お姉ちゃんならきっと思い出すよ」

アテナ「…ありがとう。お姉ちゃんは敵になっちゃうけど、貴女が愛する妹なのは変わらないわ」

アム「…うん。あ、もうすぐスクリーン終わっちゃう。こんな事言うのもあれだけど、オルトくんとイデアさんを止めて。私も理想はオルトくん達と同じ考え。でも、やり方は反対なんだ。だから…」

アテナ「大丈夫よ、アム。ヒューマノイドとしてから私達を見てたでしょ?だから、信じて。あと、お姉ちゃんに任せなさい!」

アム「!…ありがとう、お姉ちゃん」

スクリーンは閉じてしまい、そのカローンは倒れた

アテナ「…やっぱり」

ヴィル「アテナ…」

アテナ「大丈夫です。あとは私次第なので。とりあえず、イデアさん達を止めましょう」

ヴィル「ええ」

〜S.T.Y.X.タルタロス 入り口〜

アム「お2人とも、私の我儘聞いてくれてありがとう」

オルト「いいんだよ。それに冒険のゲームみたいにワクワクするよ」

イデア「そうですな。でも、負ける気はしないけど」

アム「…そっか」

イデア「それに…」

アム「?」

イデア「僕もアテナ氏、守りたかったし」

アム「!…ありがとう、イデア様」

~S.T.Y.X.タルタロス 第3タワー非常階段~

リドルとアズールは喧嘩してる

アテナ「…はあ…。さてと(エレベーターのボタンを押した。少ししてエレベーターが来た)行くよ」

皆、エレベーターに乗った

アテナ「…来たよ、オルトくん。いや、オルト様の方が良いかい?」

オルト「やぁ!アテナ・ゼーレさん。まさか君がそっちだとは思わなかったよ。あ、呼び方は好きに呼んでいいよ」

アテナ「ありがとう。貴方がこうしてるって事はなんか試練とかあるんでしょ?」

オルト「その通り!その試練はこれ!」

冥界伝説のゲーム画面が出てきた

アテナ「…冥界伝説か」

アズールとリドルがゲームをプレイしたが、失敗

アテナ「次は私ね」

アム「お姉ちゃん!」

アテナ「!アム」

アム「お姉ちゃんがいるって聞いたから来ちゃった。お姉ちゃん、頑張れ〜!」

アテナ「ふふっ。んじゃ、声援に答えましょう。私のゲームさばき、とくとご覧あれ!」

無事ゲームクリアした

オルト「流石アテナさん!高得点!」

リドル「アテナ、凄いね」

アテナ「イデアさんの指導の元、ですからね」

アム「お姉ちゃん、かっこいい~!」

アテナ「クリアしたわ。オルトくん」

オルト「もちろん!約束は守るよ。通してあげる」

〜S.T.Y.X.タルタロス 入り口〜

アム「…」

オルト「どうしたの?」

アム「なんというか…ゼーレ家には私達に厄介な魔法があるの。お姉ちゃん、使えないといいけど…」

オルト「大丈夫!僕達は強いんだ。そんなのだって跳ね除けちゃうよ」

アム「…そうだね。ありがとう、オルト様」

~S.T.Y.X.タルタロス第3タワー収容所~

オルト「仲間割れ深刻化してるね」

アテナ「オルトくん、あっちはほっておいて。何かあるんでしょ?」

オルト「流石アテナさん!実は大事なヒントがあるんだ」

アズール「ヒント?」

???「…すけて…助けて…!」

アズール、リドル、アテナ「!!!」

リドル「これは、女性の声…?」

アテナ「まさか、ST.Y.X.の職員の声?!」

オルト「正解!」

アテナ「…ゲームでいう人助けにより、アイテムを貰うってやつだね」

アム「そうだよ。仲間割れしてる場合じゃないよ。このままじゃ彼女が大変な事になるよ」

研究員「出して…誰かぁ…!」

アズール「まさか、ここにあるケージのどれかに閉じ込められているのか?」

リドル「なんてことを!すぐに助け出します。ケージを叩いて居場所を教えてください!」

アテナ「ダメ!研究員さん。中の状況は?」

研究員「く、暗くてよく見えないけど、同じケージにファントムが…っ!」

リドル、アズール「なっ⁈」

アテナ「やっぱり…。そう簡単には行かせないって事ね。今はじっとしてるとは言え、大きな音でファントムが目覚める可能性がある」

オルト「流石アテナさん。察し良い~」アテナ「ゲームでの当たり前ってやつだよ。ある意味君達のおかげでね」

アズール「分かりました。出来るだけファンドムを刺激しないように、じっとしていてください」

アム「冒険者達、大ピーンチ!!この危機的状況を乗り越えられるのか?!」

アム、オルト「それでは諸君、健闘を祈る!」(切れた)

〜アムの夢〜

子どもアム「お姉ちゃん。イデア様とオルト様って、とても素敵な人だよね」

子どもアテナ「そうだね。初めて会った時、あの綺麗な青い炎の髪はとても素敵だったわ。それにお2人とも、とてもお優しい」

子どもアム「…お姉ちゃんはイデア様好き?」

子どもアテナ「え⁈///」

子どもアム「だって、お姉ちゃん。イデア様達と一緒にいる時、ずっとイデア様を見てたもん」

子どもアテナ「嘘?!まさか我が妹にバレてたなんて…///」

子どもアム「アムは嬉しいよ!お姉ちゃん、イデア様とオルト様と仲良くなって笑顔が増えたし、イデア様がお兄ちゃんになったら、ずっと一緒だもん!」

子どもアテナ「え?アム、何言ってるの?」

子どもアム「だから!お姉ちゃんとイデア様が結婚すれば、イデア様はアムのお兄ちゃんになるし、オルト様ともずっと一緒だもん!」

子どもアテナ「え、え?!それは無理よ!イデア様と私じゃ身分が違うもん…」

子どもアム「お姉ちゃんはイデア様が好きじゃないの⁈」

子どもアテナ「ッ!好きだよ!大好きだよ!従者としてじゃなく、私自身としてずっと好きだし、側にいたいよ…」

子どもアム「…なら、一緒に野望を考えよう」

子どもアテナ「野望?」

子どもアム「うん!考えるのはただでしょ?そして、お互いの秘密にするの!」子どもアテナ「お互いの秘密…」

子どもアム「ね、ね!いいでしょう?」子どもアテナ「…うん。いいよ」

子どもアム「やった〜!」

そこで夢が終わった

〜S.T.Y.X.タルタロス 入り口〜

アム(起きた)(…懐かしい夢…)

オルト「大丈夫?」

アム「大丈夫。懐かしい夢見てただけなので」

オルト「そっか。…今更後悔してない?」

アム「なんで?」

オルト「だって、アテナさんと敵対しちゃったでしょ?だから尚更、」

アム「ストップ!」

オルト「⁈」

アム「私は私の意思でここにいるの。たとえお姉ちゃんが敵だとしても関係ない。だから、後悔してない!」

オルト「…そっか」

アム「…行こう、オルト様。私達が望む世界への一歩へ」

オルト「うん。3人で果たすんだ」

〜S.T.Y.X.タルタロス〜

アム「…お姉ちゃん…」

アテナ「アム…。これが最初で最後の姉妹喧嘩よ…!」

オルト「兄ちゃん、上を見て!」

イデア「!…アテナ、氏…なんで?君はこっち側だろ?」

アテナ「…そうですね。きっと貴方はアムから色々聞いたでしょう。私がここにいたことも全部。確かに私はこの世界が憎いです。無茶苦茶な罪で追い出され、昔ゼーレ家が住んでいた輝石の国の森の中で野放しにした。しかも、罪の証の瞳のせいでいじめられた」

オルト「なら、どうしてそっちにいるの?」

アテナ「…そうだね。たとえこの世界は残酷でも美しいのと、アムのこともあるから」

オルト「え…?」

イデア「アム氏が?」

アテナ「…」(ヴィル達に加護を与えた)

ルーク「!これは…加護?」

ヴィル「ええ。瘴気の影響を和らげてくれてるのよ」

エペル「凄い…」

アテナ「アム!返事をして!」

アム「…お姉ちゃん、お姉ちゃん…」

アテナ「アム!」

アム「お姉ちゃん、ごめんね。でも、これだけは信じて!私はオルトくんやイデアさんの意見に流されて決めたんじゃない!自分の意思で、自分の野望を叶える為にイデアさん達のところにいるの!」

アテナ「…そう。良かった」

アム「え?」

アテナ「アム、覚えてる?私の野望」

アム「…大好きな発明で皆を笑顔にすること?」

アテナ「そうだね。…でも、それは私の夢。私はアムと同じ野望を叶える為にここにいる!」

アム「!もしかして…」

アテナ「うん。全部思い出したよ。何もかも全部。だからね、アム。イデアさん、オルトくんも。私は自分の野望を叶える為にイデアさん達の夢を全力で潰します。全力でぶつかりましょう!最後にこのステージを制するのは私達です!!」

イデア、オルト、アム「!!」

ヴィル「うふっ、よく言ったわ。アテナ」

ルーク「ブラボー!素晴らしいよ!アテナくん」

イデア「なんで…なんで…!!」(アテナの首を絞め始めた)

アテナ「ッ!」

ルーク「アテナくん!」

アム「お姉ちゃん!」

イデア「なんで…なんで!この世界を新生したら、馬鹿にした奴らを見返せる。僕とずっと一緒にいれるんだよ。それなのになんで!!」(力が強くなった)

オルト「兄ちゃん!」

エペル「アテナサン!」

アテナ「ッ…だって…世界を新生してしまったら、その世界を肯定してしまったら…(涙を流し始めた)私は…ゼーレ家としてではなく、私自身として貴方を愛してるなんて、言えないですよ…グスッ…」

イデア「…」(急に手を離した)

ヴィル「アテナ!」(助けた)

イデア「?」

ヴィル「今よ!雷霆の槍で最後の一撃を!」

ルーク「狙いは任せておくれ、ロア・ドゥ・ポアゾン!」

エペル「ありったけのパワーでぶっ飛ばしてやる!」

ヴィル、エペル、ルーク「はああああああ!!」

イデア、オルト、アム「!!」

オルト「もう少し…もうすこし、だっ…たのに…」

オルトの体が崩壊し始めた

イデア「オルト…!…今度こそ、お前を置いて行ったりしない」

アテナ「ッ!ダメ…!最後の力…暗黒の囁き!!(アンクル・ソニード)」(ファントム達の力で特び黒い翼を出し、イデア、グリム、オルト、アムを引っ張っている)

アム「⁈お姉ちゃん⁈」

イデア「アテナ氏?何してるの?その手を離せよ!!このままだとアテナ氏も道連れに、」

アテナ「だからなんだ!!」

イデア「⁈」

アテナ「私の野望は私1人では叶えられない!貴方がいないとダメなんだ!!それにこのままだとアムの野望も叶えられない!!私はそれはヤダ!!」(涙ぐんでる)

イデア「!(記憶を思い出した)…アテ、

ナ…」

アム「お姉ちゃん…」

オルト「アテナ、サン…」

アテナ「ッ、もう…ダメ…」(翼が消え、イデア達と共に冥府の方へ)

イデア「!アテナ!!」(アテナを抱きしめ、アテナの頭を片手で守った)

ヴィル「アテナ!!このままだと…行かせない!!」

ルーク、エペル「⁈」

エペル「ヴィルサン⁈あんたなすんず!まさが…」

ルーク「待つんだ!ヴィルーーーー!!」

イデア「ッ…アテナ…。今度こそ君を…」アム(このままだと、お姉ちゃん達が…)

「ッ!みんなお願い!!お姉ちゃんを、皆を助けて!!」

アムの呼び声にたくさんのファントム達がイデア達を助けた

~アムの回想~

私はシュラウド家に代々仕えるゼーレ家の次女として生まれた。だからなのか、ほぼ甘やかされて育てられた。

アテナとアムの母「いい?アテナ。シュラウド家に楯突くことしちゃダメよ?絶対にシュラウド家の顔を立つように振る舞うようにしなさい」

子どもアテナ「はい、お母様」

アテナとアムの父「シュラウド家を立派に支えるのが我々ゼーレ家の使命だ。分かったな?アテナ」

子どもアテナ「はい、お父様」

子どもアム「…」(こっそり見ていた)

両親はいつも、いつもシュラウド家を神のように崇め、お姉ちゃんに教えこんだ。それが当たり前過ぎたからなのか、お姉ちゃんは私以外、無表情。だけど、ある時、一変した。

イデアの父「イデア。この子がお前の従者になる子だ」

子どもアテナ「アテナ・ゼーレと申します。どうぞよろしくお願いします、イデア様」

子どもイデア「あ、うん。こっちはオルト」

子どもオルト「初めまして!よろしくね!」

子どもアテナ「はい、よろしくお願いします。アム、貴女も」

子どもアム「アム・ゼーレです!よろしくね」

イデアの父「では、仲良くな」(行った)

子どもアテナ「…」

子どもイデア「…ねぇ、ゲーム好き?」

子どもアテナ「え…?ゲー、ム…?」

子どもアム「お姉ちゃんとアム、ゲーム知らない」

子どもオルト「え、そうなの⁈面白いよ!やってみよ!」

子どもアテナ「え、でも…」

子どもイデア(子どもアテナの両手を握った)「大丈夫!僕が教えるから!」

子どもアテナ「!…はい」

子どもアム「!」

私は初めてお姉ちゃんの顔を見て驚いた。お姉ちゃんがあんな笑顔になるなんて思わなかった。それきっかけで私はお姉ちゃんと一緒にイデアさんオルトくんとゲームをよくやった。私はこの日々がずっと続けばいいと思った。しかし、事件が起きた。

子どもアテナ「イデア様、本当に大丈夫ですか?」

子どもイデア「大丈夫、大丈夫。でも、アテナこそ良かったの?止めなくて」

子どもアテナ「本来なら止めるべきですが、正直自分も冒険したいです。それに私はイデア様の側にいたいので」

子どもイデア「!そ、そう…」

子どもオルト「僕もアテナとアム、一緒がいい!」

子どもアム「私も~!」

子どもイデアがシステムをいじったら、アナウンスがなった

子どもオルト「…兄ちゃん。これ、なんの音?」

子どもアテナ「まさかハッキングしたセキュリティはタルタロス…?」

子どもイデア「ど、どうしよう。戻さなきゃ!」

子どもアテナ「!イデア様、オルト様!私とアムの後ろへ!」

子どもオルト「あ、あれ、何?」

子どもアム「ッ!来る!!」

???「グルルル…ガアアアアッ!!!」

私はこの時、命を落としたはずだった…

〜ヴィルの家 倉庫〜

アムの魂『何、これ…私死んだはずじゃ…ん?あれって…』

子どもアテナ(何か作ってる)

アムの魂『お姉ちゃん?』

子どもアテナ「待っててね、アム。絶対完成させるからね」

アムの魂『あれって、私?凄い、ロボットかな?お姉ちゃん、私の為に……ッ!』(ロボットの中に入った)

数ヶ月後…

倉庫の扉を開き、何かのスイッチを押した

アム「初めまして。アム・ゼーレです」

子どもジャック「うわっ!喋った⁈」

子どもヴィル「これって…ロボット?」

子どもアテナ「そう!正確には魔道ヒューマノイド。私の妹だよ」

子どもジャック「それって、よく話していた離れ離れの妹?」

子どもアテナ「うん。AI機能とかアムの記憶をしっかり組み込んだ自律型なんだ。ヴィル兄、ジャックくん。アムのこともよろしくね」

子どもヴィル「ええ」

子どもジャック「おう!」

アム「よろしくお願いします」

私は幸運に恵まれていた。たくさん笑顔のお姉ちゃんを見れたから。側にいれたから。だから、今度はオルトくんの側に…

アム「…お姉ちゃん」

アテナ「…アム…」

アム「私を助けようとしてくれてありがとう。私の野望の事も思ってくれてありがとう。嬉しかったよ。でも、お姉ちゃんはまだこっちに来ちゃダメだよ」

アテナ「…そうだね。そのままだと、私の野望もアムの野望も叶えられないもんね」

アム「うん…。ねぇ、お姉ちゃん」

アテナ「ん?なぁに?」

アム「止めてくれてありがとうね」

アテナ「うん…」

アム「お姉ちゃんはちゃんとイデアさんの側にいるんだよ?何があっても」

アテナ「うん…」

アム「私はオルトくんの側にいるから!」

アテナ「うん…。でも、少し残念。アムの野望は叶えてあげられてもアムの夢は叶えてあげられないなぁ…」

アム「それでもいいよ。野望が叶うんだし。…お姉ちゃん」

アテナ「ん?」

アム「私、ずっと一緒にいるからね」

アテナ「うん。…またね、アム」

アム「またね、お姉ちゃん」

~S.T.Y.X.タルタロス 非常階段~

無事にアテナが目覚めた

アテナ(アム…)

アム(お姉ちゃん…)

アテナ(アム⁈どうしたの?)

アム(あのユニーク魔法使って。皆とお話したい)

アテナ(お話?わ、分かった)「皆さん!」

皆「?」

アテナ「少しだけお時間ください」

レオナ「チッ!なんだ?早く帰りてぇのに」

アテナ「手短に終わらせます。…暗黒の囁き(アンクル・ソニード)」(周りが光だし、白い空間に入った)

〜魂の記憶の間〜

ジャミル「ここは…?」

アズール「アテナさんがいません!」

リドル「え⁈」

アム「ここにいないのは当たり前だよ」

ルーク「⁈…君は?」

アム「…こうして話すのは初めましてだね」

ヴィル「!…アム?」

皆(ヴィル以外)「⁈」

アム「そうだよ。今お姉ちゃんの力でこの通り、会話ができるんだ」

レオナ「とりあえず、早く要件を言え」

アム「もう!冷たいな~。改めて、私達を止めてくれた事、イデアさんを助けてくれてありがとう」

エペル「そう言えば、なんでイデアサン達と一緒に行動したの?」

アム「私の野望の為だよ」

エペル「野望?」

リドル「一体どんな野望を…」

アム「それは…お姉ちゃんが幸せになること!」

皆「…は?」

アム「え⁈そんな反応する⁈結構大事だよ⁈」

アズール「そう言えば、アテナさんは瞳が戻って最初の言葉はアムさんとお揃いと言ってましたね」

ジャミル「姉妹そっくりだな」

アム(お姉ちゃんが…?)

ルーク「ふむ。それなら、我々と一緒でも良かったんじゃないかな?」

アム「それが無理だったんだよ。私の野望の一部にはお姉ちゃんの野望があるんだよ。そのお姉ちゃんの野望にはイデアさんが必要なの。というか、イデアさんにしかできない!」

イデア「え、え⁈拙者アテナになんかした⁈」

アム「!…ううん、してない。ただ野望に必要。まぁ、イデアさんがあんなになっちゃったし、決めた事を曲げなかったから尚更、ね」

ヴィル「そう…」

アム「…皆、お姉ちゃんのこと、今回のこと、本当にありがとう。あと、イデアさん」

イデア「は、はい⁈」

アム「お姉ちゃんの側、離れないでね」イデア「!…絶対離れないよ」

アム「!…そっか。お話できて良かった。ありがとう、皆。バイバイ~」

皆(元の場所に戻った)

〜S.T.Y.X.タルタロスの中〜

アム「…良かったの?オルトくん。皆と話さなくて」

オルト「いいんだ。僕は兄さんと話せたからそれでいい」

アム「…そっか。分かった」

オルト「…アムちゃん」

アム「ん?なぁに?」

オルト「これからは一緒だよ」

アム「!うん。お姉ちゃん達来るまで2人で一緒だよ」

オルト「うん!」

~S.T.Y.X.研究場 管制室〜

イデアが無事オルトを完成し、ある意味和解した

アテナ「さて、私もお披露目しようか」イデア「!それは…」

そこにはスリープ状態のアムがいた

オルト「アム、さん?」

アテナ「実はね」(手のひらを見せた。そこには、アムのメモリーカードがあった)

イデア「それってアム氏のメモリーカード!」

アテナ「うん。もしかしたら、あの一瞬で私に持たせてくれたのかも。アムは言ってたの。オルトくんの側にいる。私とも一緒にいるって」

オルト「!アムさん…」

アテナ「だから…いくよ、アム」

アム「エネルギー充置率100%、魔道リアクタ一起動。…動力安定」

アテナ「よし、その調子!」

アム「メモリーカードの読み込みを開始します…54%、83%・完了」

オルト「お願い…」

イデア「アム氏…」

アム「魔道ヒューマノイド「AM』…再起動します」

アテナ「…おはよう、アム」

アム「…おはよう…お姉ちゃん」

アテナ「!アム…アム!(アムを抱きしめた)うっ…おかえり、アム」

アム「…ただいま、お姉ちゃん」

イデア「アム氏、おはよう」

オルト「おはよう!アムさん」

アム「おはよう。イデアさん、オルトくん」

アテナ「良かった…良かった…」

アム「…だって、言ったじゃん。ずっと一緒にいるって…」

アテナ「…うん…うん…!」

アム「それにお姉ちゃんの野望を見届けないと〜」

イデア「野望?」

オルト「そう言えば、アテナさんの野望って何?」

アテナ「えっと、それは、あの…///」

アム「イデアさんのお嫁さんになる事だよ!」

イデア、オルト「…え?」

アテナ「あーーー!!///アム!なんで言っちゃうのよ⁈///」

アム「だって、お姉ちゃん絶対に焦らすでしょ。だから、教えたんだよ」

アテナ「だからって、本人の前で言わないでよ!///ま、待て~!!」

アム「うふふっ、待たないよ~」

アテナとアムが追いかけっこを始めた

オルト「…兄さん」

イデア「うん。…アテナ!!」

アテナ(止まった)「え…?今、呼び方…」

イデア「うん(アテナに近づいた)僕も思い出したよ」

アテナ「嘘…本当に…?」

イデア「アテナ、約束を果たそう」

アテナ「!覚えてくれたんですか…?」

イデア「もちろんだよ。時間はかかったけど、やっと君を見つけたよ。(アテナを優しく抱きしめた)アテナ、好きだよ。ずっと…」

アテナ「ッ!…(涙を流し始めた)私もです。私もゼーレ家としてではなく、私自身として貴方を愛してます。貴方が初恋です…うっ…うっ…」

イデア「…嬉しいよ、アテナ。君を離さない、ずっと側にいるから」

アテナ「…はい…!」

アム「お姉ちゃん、良かった…」

オルト「アムさんは野望なかったの?」

アム「…野望は今叶ったよ」

オルト「…そっか。じゃあ、今度は僕の野望聞いてくれる?」

アム「ん?なぁに?」

オルト「アムさんをお嫁さんにすること」(アムに小さな声で囁いた)

アム「え…え⁈///」

オルト「♪」

アテナ「アム?」

イデア「どうしたの?」

アム「な、なんでもない!…その、オルトくん」

オルト「ん?」

アム「その、野望の一歩手前の恋人ならいいよ…///」(オルトに小さな声で囁いた)

オルト「!本当?」

アム「う、うん///」

オルト「やった〜!!」(アムを抱えてぐるぐる回った)

アム「きゃっ⁈///」

オルト「ありがとう、アムさん!僕、とっても嬉しいよ!」

アム「!私も嬉しい!」

数週間後。編入生としてオルトとアムがナイトレイブンカレッジに編入した

~オンボロ寮 談話室~

ヴィル「まさか、オルトとアムが学園に編入するとは」

アテナ「えへへ。イデアさんのおかげなんです。イデアさんがオルトくんとアムのお願いを聞いてくれて…」

ヴィル「…そう」(アテナと話し始めた)

エペル「でも、良かったの?同じクラスじゃなくて」

オルト「同じクラスじゃないのは寂しいけど」

アム「同じ寮だし、いつでも会えるよ」

エース「そう言えば、先輩達が婚約したって聞いたけど」

デュース「そうなのか⁈」

オルト「うん。兄さんと義姉さんは婚約してるよ」

エース「うわっ、もう義姉さんって呼んでる」

オルト「あと僕達も婚約してるよ」

皆(イデア、アテナ以外)「え?」(アムを見た)

アム「💦///」(頷いた)

皆(イデア、アテナ以外)「え、えーーーーー⁈」

ジャミル「マジか…」

カリム「おー!良かったな、オルト!アム!」

オルト「うん!」

アム「💦///」

エペル「アムサン、照れてる?」

オルト「どうやら、本人曰く恋愛で僕のことは好きだけど、恋人というのが慣れないみたいで」

エース「なんじゃそれ」

デュース「そうなのか」

オルト「…アムさん」

アム「…ん?」

オルト「ゲームしよう!」

アム「え…?」

オルト「勝負しようよ、今日も勝つよ〜」

アム「!いいよ。今日こそ勝つ!」

皆でワイワイし始めた

アテナ「ふふっ、良かったわね。アム」


《私は色々と大変な事を乗り越えて、私は好きな人と結ばれ、幸せになりました》




〜the end〜

ツイステオリキャラ   恋物語シリーズ

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