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「なぁ!俺も髪おしゃれにしたい!」
「「…は?」」
いつもの夕暮れのことだった。
突然、なんの脈絡も無しに、遊征が声を上げた。
「…遊征だって、軽くセットしとるんやろ?おしゃれやないんか?」
「そうそう、てかオレらそんなにおしゃれじゃないし。
オレは仕事のために軽くセットしてるけど、魁星は雑にまとめただけで全然おしゃれではないし。」
「なんか、自分で言うんやったらええけど、人にそれ言われんの嫌やなぁ。」
「んはっ!ごめんて。」
「…いや、そうじゃなくて!
かいは朱いメッシュ入ってるし、ネスは羽のエクステつけてんじゃん!」
「「…あー」」
「おれだって何かワンポイントほしい!」
「おーん…」
「ほな、今度エクステ買いに行くか?今どきそういう店あるみたいやし。それか遊征の長さだったら染めるとかでもありか…」
「そうだな…」
そう話していると、突然、遊征の横に式神が現れた。
「ぅおっ!?」
「あ、任務?」
遊征がそう問えば、式神は遊征の頭に紙をばしっ、と貼り付けた。
「ぃ゛った!?もう〜もうちょい優しくしてくれてもいいじゃんか…」
そう言いながら紙を開いた瞬間、顔色が変わった。
「わり!行ってくる!」
「お、1人で大丈夫そ?」
「うん!すぐ戻る!」
そう言って、彼は走っていった。
それを見届け、隣の彼に話しかける。
「ネス?さっきから黙って、どうしたと?」
「…いや、あのさ、──────」
「ただいまー!」
「おぅ、おかえり。」
「おかえりー」
戻ってきた彼の髪を見て、納得する。
「あぁ…なるほどな。」
「でしょ?」
「えっ!?何?なんか付いてる?」
「…遊征、風呂入ってきな。」
「?分かった!」
「…確かに、呪いと戦ってあんなどす黒いの付けるやつは、おしゃれしすぎない方がいいわ。」
「ま、魁星はもうちょい髪に気使ってもいいけどね。」
「えっ」