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「――王宮の日常の警備を手薄にすることなく、国境警備隊の増援に割ける手兵はどれほどある、シルベストル伯爵」
幹部たちとの軍議を終えた私は、己の執務室に戻り、今回の国境での抗争を見事に防戦した指揮官のシルベストル伯爵を前に、今後の国境警備隊の増強について話を向けていた。
濃紺の絨毯が隅まで敷かれた執務室は、黒檀でできた文机と黒革の長椅子、それから部屋を取り囲うように置かれた本棚以外の調度品はなく、ひどくそっけない印象を与える。
それも、私が落ちついた色合いを好むことと、華美な装飾を避ける傾向にあるからだった。
文机を挟んで向かい側の長椅子に座るシルベストル伯爵は、整えられた白髪混じりの短髪に手を添えながら、悩むように小さく唸った。
「……そうですな、おそれながら陛下、あまり大人数を動かしますと抗争が苛烈をきわめてしまうかもしれませんゆえ、ひとま*************************
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