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ひっさびさにこのカプを書きましょうかね!
akg×kuti 疲れたときは
『』→視点主
「」→その他
キャラ崩壊注意
「ねぇ、皇帝。もうそろそろ終わりにしない?」
すっかり外も暗くなり、署内を照らすのは頭上の蛍光灯だけになっていた。
その柔い光に照らされ、机越しに皇帝を見る赤城。
『……何をだ』
「何って、この仕事」
赤城が指差した先には、机の四方に積み重なった書類があった。
『別にいいだろう。これは我が好きでやっていることだ』
「でも、もう三日寝てないでしょ」
その言葉に、文字を書いていた皇帝の手が止まる。
何も言い返せない。
――いや、自分がやらなければ、誰がこの書類をやるというのか。
そう思い、一瞬止まった手を再び動かそうと、皇帝がペンを握り直した、その時。
赤城の手が、皇帝の手ごとペンを握った。
「はい、ストップ」
「あ」と声が出る前に、手元にあった書類を取られ、ペンもいつの間にか消えていた。
顔を上げると、書類とペンを手にした赤城が立っている。
取り返そうと皇帝が立ち上がった瞬間、目の前が一瞬真っ暗になり、 そのまま体は椅子の上に崩れ落ちた。
「ほら、絶対寝不足じゃん。一旦この仕事は預かっとくから、皇帝は寝てきな」
『いや、でも』
視界が戻り、再び立ち上がろうとしたところで、皇帝の額にデコピンが落ちる。
「でも、じゃない。いま平気でも、後々倒れでもしたら後悔するのは皇帝自身なんだから」
『……』
「分かったなら、さっさと仮眠室行きな」
そう言って、赤城は交代するように、先ほどまで皇帝が座っていた椅子に腰掛けた。
そして、あまりの仕事量に苦笑しながら、小さく呟く。
「まったく……どんだけ仕事するつもりだったんだ」
代わりに仕事を始めようとする赤城の背中を見て、 皇帝は衝動的に、その服の裾をそっと掴んだ。
「……どうした?」
自分でもなぜそんな行動を取ったのか、皇帝には分からなかった。
理由の分からないまま視線を落とし、固まっていると、 不思議そうに様子を見ていた赤城が、ふっと口を開く。
「なに、皇帝ちゃん。寂しくなっちゃった?」
『な……っ』
赤城の言葉に、皇帝は思わず顔を上げる。
そこにあったのは、いつもの気味の悪い笑みではなく、 どこか柔らかく、穏やかな笑顔だった。
その表情に再び言葉を失っていると、 皇帝の腕を掴んだ赤城が、そのまま胸元へと引き寄せ、抱き締める。
『やっ…煉先輩、離せ!』
「まぁまぁ」
ぐずる子どもをなだめるかのような、優しい手つきで赤城は皇帝の頭を撫で始めた。
皇帝は離れようと抵抗するが、徹夜続きで疲れ切った体には力が入らず、 その動きは次第に弱まっていく。
やがて皇帝の動きは完全に鈍くなり、 そろそろ活動の限界が来たようだった。
それからさらに数分も経つと、 赤城の耳元で、小さな寝息が聞こえてくる。
それを確認した赤城は、皇帝を起こさぬよう静かに書類を片付け、 その軽い体をそっと抱き上げた。
「……疲れたときくらい、素直に甘えてくれたっていいのに」
赤城の独り言は、 署内の明かりとともに、静かな暗闇へと溶けていった。