テラーノベル
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「おそらくは……」
セドリックは、苦しげに目を伏せた。
「王都では今、王妃派の暴政に対する反発が限界を迎えております。王妃は陛下の死を秘匿している間に、一気に反対派を抑え込むつもりなのでしょう」
「偽の勅書で摂政の座について、反対派の貴族を拘束、買収……それでも黙らない者は、すべて粛清する」
「邪魔者が消えたところで父上の崩御を発表し、ユリウスを即位させる……完璧なシナリオだね」
ふっ、と。冷たい笑みが漏れた。
「……じいや」
セドリックがはっと顔を上げる。
「はっ」
「王都方面の貴族に追加の合図を。今夜中に、王都へ進軍するように伝えて」
「……!」
「夜明けまでに城門と主要街道を封鎖。王都を包囲する」
「……ついに、動かれるのですね」
「うん。盤面を、ひっくり返す時が来た」
「ジュール男爵家には、若手貴族連合を。エルベルト公爵家には、公爵軍の出陣を要請して」
「……王都へ、ですか?」
「ううん」
レオンは首を振った。
「アイリス領へ」
「……!」
「ベルシュタイン騎士団に加勢して、マレフィカ侯爵軍を駆逐する」
「王都を包囲しながら、さらにアイリス領へ軍を……?」
「マレフィカ侯爵家は今、アイリス領で苦戦するウィステリア軍へ加勢するため、王都の精鋭軍を出発させたばかりなんだ」
窓の外へ視線を向けた。
「つまり今、王都の守りは一番薄い。しかも、マレフィカ侯爵軍をアイリス領で叩けば、王都へ戻る援軍も消えるからね」
「なるほど……」
「それから、神殿にも連絡を」
「神殿へ?」
「明朝の勅書朗読に、異議を申し立ててもらって。本当に父上の意思なのかを公の場で、問わせる」
「ジュール男爵家とエルベルト公爵家には、今夜中に直接接触する」
「王子様ご自身が……?!」
「うん」
レオンは、上着を手に取った。
「じいやは、僕がこの部屋にいるように偽装を頼むよ」
「……はっ。仰せのままに」
「それから」
レオンの声が、わずかに低くなる。
「エレナを絶対に守って」
「……はい」
「王妃派は、必ず彼女を消しにくるから」
「この命に代えましても、必ずや」
「駄目だよ」
即座に返された言葉に、セドリックが驚いたように目を見開いた。
レオンは、ほんの少しだけ、困ったように笑う。
「じいやまで死んだら、僕が困る」
「王子様……」
その笑みが、ふっと消える。
「もう、大切な人を、誰一人として失いたくないんだ」
しばらく、返事はなかった。やがてセドリックは、胸の前に片手を当てる。
忠誠を噛みしめるように。
深く、頭を下げた。
「……かしこまりました」
柊トワ
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百はな🍑
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Jasmine
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ひより
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コメント
1件
第90話、やばすぎた…!!😭✨ レオンがついに動く決意を固めたところ、鳥肌立ったよ! 「盤面をひっくり返す時が来た」ってタイトル回収エモすぎる…! セドリックとの絆も、エレナを絶対守る覚悟も、全部が熱すぎて何度も読み返した📖💕 次の展開が待ちきれないよ〜!🥺