「なんかよく分かんねえけど、出口はあるみたいだし早くこっから出ようぜ。」
「そうですね。」
レナトスとオーターは外に出るためにドアへと向かい、レナトスがドアを開けようとドアノブに手をかけ回して押したが、
ガチャ。ググ。
「ん?」
「・・・開きませんね。」
「見たとこ鍵らしきものはねえし普通のドアに見えるけどな。」
そう言いながら、レナトスが再度ドアノブを回して押した。が、
ガチャ。ググ。
先程と変わらず、ドアは開かなかった。
「駄目だ。やっぱ開かねえ。」
「・・・・。」
(窓も何も無い真っ白な部屋に開かないドア。もしや、この部屋はあの噂の。)
「まいったな。」
頭をかきながらレナトスが呟く。
そんな彼にオーターが話しかける。
「レナトス。」
「ん?どうしたオーター。」
「この部屋に心当たりがあります。」
「えっ本当かよ。」
「はい。私も今思い出したのですが、この部屋はおそらく◯◯◯しないと出られない部屋かと。」
「◯◯◯しないと出られない部屋?」
「ええ。その名の通り、この部屋が出す条件を満たさないと出られないという。」
「なんだそれ。その条件って何なんだ?」
レナトスの問いかけにオーターは首を振った。
「残念ながら私も風の噂でチラッと聞いただけなのでそこまでは分かりません。」
「そうか。しっかし何のためにあるのか分からねえな、この部屋。とりあえずその条件とやらが分かるまでは下手に動かずに待機か。」
レナトスの言葉にオーターは大きく頷きながら続ける。
「そうなりますね。」
「じゃあとりあえず、条件が分かるまで・・・って、おい。オーター、あれ!」
「あれ?・・・!?」
レナトスが指さした方向を見てオーターは、目を大きく見開き固まった。
レナトスが指さした方向、それは部屋の壁で、そこに黒い大きな文字でこう書かれていた。
“お互いの好きな所を言わないと出られない部屋”
コメント
2件
◯◯◯しないと出られない部屋は最高ですよ! お互いの好きなところってめっちゃありそうですね!♡押しときました