テラーノベル
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自室に戻った咲は、ベッドの上に腰を下ろした。
さっき亮から聞いた言葉が、頭の中で何度も繰り返される。
――悠真、1年くらい前に彼女と別れたんだよ。
――相手に浮気されてさ。恋愛には臆病になってんだ。
胸の奥がきゅっと締めつけられる。
優しくて、いつも笑っている悠真にも、そんな過去があったなんて。
「……知らなかった」
声に出すと、余計に切なさが広がった。
窓の外に夜風が揺れる。
その音に耳を澄ませながら、咲は思った。
――もっと、悠真さんのことを知りたい。
その気持ちはもう抑えられなくなっていた。
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