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萩
「どうしてお前は__ だ… !!」
ムダ先はいつもそう言うんだ。
いつも大事なところが聞こえない。
でも多分俺に怒ってる。
怖いよ。すごく怖い。あんな顔して怒るところなんてちょっと前まで見たこと無かったから。
俺に向かってムダ先が何か言う時は怖い顔っていうよりも辛そうな顔をしてて。
それがさらに悲しくて。
どんな時も俺と目を合わせてくれないの。
俺に触れてくれないの。
暴力は振るわれなかった。
怒られてる時、目は合わないけど、息は詰まるけど、その時間だけ唯一おれを認識してくれてるみたいでどこか安心してた。胸の痛みには気付かないフリをして。
でもね、皇后崎だけはおれと目を合わせてくれるの。ずっと横に居てくれるの。
皇后崎は時々変だ。
俺を見て一瞬だけ顔を歪めて、目を細めて、ぽつりと
「お前は、それで良かったのか ?」
って呟く。
どういうこと ?って聞こうとしても、
俺の口は動かない。
けど皇后崎は俺の目を見て
「分かってる」
って言う。
そっか ちゃんと分かってくれてるんだ。
じゃあ、いつかその答えを聞けるよね。
あれ ? 何を分かってくれてるんだっけ ?
もう分かんないや。 まぁいっか。
ある時ムダ先と皇后崎が話してるのが聞こえた。
「どうしてお前は__
もしかして皇后崎にまで怒るつもりなのか ?
俺が守らないと_ _
「どうしてお前はあいつが居るみたいに振る舞うんだ… ?」
え
あぁ そうだったのか。
俺はもう死んでいたのか 。
通り魔から子供を守ってに刺されたんだっけ。
鬼の回復力でも治らなかったんだった。
ムダ先は悲しんでくれていたいただけなのか。
俺の遺影写真に話しかけていただけなのか。
思えばムダ先はあんなに顔を歪めた事は無かった。
ごめんな。約束破っちゃって。ムダ先に辛い思いさせたな。
皇后崎は俺の生きてる時の写真をずっと持ち運んでいてくれてたのか。
らしくねぇな。笑
皆はずっと憶えていてくれてたのか。
気付かなくてごめんな。
俺、もっと皆と一緒に居たかった。
もっと隣で笑って居たかった。
俺が居ない世界で笑わないでほしい。
寂しいよ。
皆俺のことも見てよ。
ずっと俺と一緒にいてくれよ。
あ。
皆俺と同じになればいいんじゃない ?
そうしたら ずっと一緒に居られるね。
もう少しだけ、待っててよ。
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