久しぶりに浮上しました!pixivで既に載せている作品をテラーノベルに再投稿します
オタワスです。急展開だし文章力がないです
R18描写はありません。
ワース・マドル には優秀な兄がいた。不出来な弟とは似ても似つかない。二本線かつ、魔法界では非常に地位の高い「神覚者」でもあった。俺は兄が大好きだった。色々なことを知っているし、時間があれば構ってくれる。でも、そんな俺が大好きだった”兄”はもういない、兄の警察学校への進学が決まり兄が寮へ行ってしまう際に何度も言った
「僕をここにに置いていかないで、」と
泣き叫びながら、何度も何度も
でも兄は出ていった。小さな俺を置いていって
なぜ兄は自分を置いていって出ていってしまったのか。両親は兄だけを褒めそやし、兄に追いつくことで精一杯だった自分には文句や愚痴を散々言うだけではとどまらず、不定期に父親から呼び出しをくらい理不尽に暴力を振られることだってあった。最近は無邪気な淵源に関わっていたことが両親に知られ、次第に呼び出しの回数も増えていた。
なぜ兄は自分を置いていって出ていってしまったのか。
いつまでも兄の事ばかり考えている自分に嫌気がさしてきた。もう大好きだった”兄”は存在しないのに。
オーター・マドルは、どれだけ手を伸ばしたって届かない存在だった。必至にしがみついても手を振り払われてしまう。あっちはどうせ自分に関心などない。今ではもう「血が繋がっているだけの他人」で、兄弟と呼ぶには余りに程遠い関係だった。
廊下を歩いていると、出くわしてしまった。見てしまった。愛弟子である「ドット・バレット」「ランス・クラウン」と並んで歩いている兄に。
「…最悪だ」
無我夢中に歩みを速くしてその場から逃げた。
「ワース、最近すごく気分が悪そうです、どうしたんですか?」
同室であり同じ七魔牙に属している アビス・レイザーだった。
「ああ、俺は大丈夫だから心配すんなよ ただ風邪をひいただけだから…」
そう言い終えると視界が自然と黒くなって行った。
「ス…」
「ース」
「ワース!」
目が覚めた。医務室だった。
「ん…?なんで俺はここに…」
「大丈夫ですか?」
そう心配してくれたのは アビスだった。
多分アビス1人で俺の事を運べるはずがないのでレアンの誰かに手伝ってもらったのだと思う
「あ、アビス、ありがとな…」
「少しここで休養をとった方がいいですよ。もし無理して勉強しようとしたら意地でも止めますからね」
そんな鬼のようなアビスの顔が見えてきたところでお言葉に甘えさせてもらうことにした
「あ〜分かったよ 少し寝るから」
パーっと明るくなったアビスを横目に目を閉じた。
「ん…」
「ワース」
「え?」
目の前に居たのは本を読み椅子に腰をかけている兄の姿だった
「なんでここにいるんだよ…」
「青髪の彼から聞いたぞ。倒れたとな」
「アイツ…」
そうどこにもぶつけ所のない怒りを握りしめた
「自分の体は大事にしろ。無理をするな」
そう言い切る兄に怒りが込み上げてきた。何年前からずっと溜めてきたの我慢の限界が超えた。
「…っなんなんだよ、今更兄貴ズラしやがって。俺の気持ちなんてどうでもいいくせに…!うぜぇんだよ。大事な弟子がいるんだってなあ?生憎オレらはアドラのガキ共に負けたけどなァ!」
言ってしまった。どう思うだろうか。嫌われるか、それとも最初から嫌われているのか
「…」
「なにか勘違いをしているようだ。」
「あ?」
「私は1秒たりともお前のことを忘れたことは無い。あの時あんなところに置いていってしまったことはすまなかった。一生もって罪を償いたい、許してくれるか」
幻滅されるかと思っていた。なのに逆に謝られた
「え?」
「ダメか」
「いいけど…俺もごめん。言いすぎた」
「大丈夫だ。気にしていない」
兄の体に顔を寄せた。
「…撫でて」
「!分かった」
兄は優しい手つきで撫でてくる。撫でられたのなんて何年ぶりだろうか
「…兄さん」
「どうした」
「捨てるなよ…」
「当たり前だ」