僕はいつも同じフロアでしかレベル上げをしない。だがもうここも飽きたのでもうちょっと深いフロアに行ってみるこにした。
「それにしても、なんか明るいな…」
なんか住んでるのか?と思うほどには明るかった。すると…
「イィィィ!!!」
「ッ!」
奇襲か…‼
「はぁぁ!」
俺は、魔法で周りを照らしている左手とは逆の、何もしていない右手を使い魔術をお見舞いした。
「ファイヤーボール!」
「ガァァァ‼」
その敵は、ゴブリンのような見た目をした生物だ。
「何⁉」
手にはランタン的なものと鉄で出来た鈍器を持っていた。本来、人間以外の種族は知識を有しておらず、己の生存本能に従い動物を襲い、食らう、残虐な生物…のはずだ…
(何故こいつはこんな物を持っているんだ⁉)
とりあえず殺す事にする。自分の命最優先。僕は自分の光源を消してから、相手のランタンの光を消すため…
「ウォーターボール!」
「イッ!?」
そして僕は千里眼を発動させた。
(これ、魔力めっちゃ食うからあんましたくないんだけどな。)
そう思いながら僕は困惑している敵の背後から魔術を食らわした。
「フリーズタッチ」
「イッ」
敵は背中から徐々に凍っていき、やがて生命活動を停止した。
「ふぅ…」
一応、強くはない。浅い階層ではザコ敵として存在していたからな。
僕は千里眼を切り、いつもの光を出す魔法を使おうとした。
「やっぱこいつ使お」
そう言い僕はゴブリンのランタンを拾った。
とりあえずゴブリンの肉は獲った。凍らせておくことで腐らないということもありフリーズタッチは重宝している。普通に強いしな。ゴブリンの肉はあまり美味しくはないが、自給自足生活では大切な食料だ。
(どうやって調理してやろうかなー)
とか考えてたらまたゴブリンが奥からやってきた。
またもや目を見張った。そいつらは陣を組んでいた。前方は剣や鈍器、盾を持っている。後方は弓矢を構えてじっとしている。本来ならば、あいつらは人を見かけたらすぐに襲いかかっていた。なのになぜこんなことが起きるのだろう。こいつらはじっと俺を見ている。まるで、隙を伺っているように…
僕はわざと隙を見せた。自分から背を向けた。その瞬間ゴブリン達が一斉に襲い掛かってくる。少々理解は追いつかないが、とりあえず対処はする。
僕は後方のゴブリンが飛ばした矢を全て魔術で弾き落とす。
「ウィンドブラスト!」
矢は全て吹き飛ばされる。
その次に前衛のゴブリンがやってくる。やはりおかしい。なぜこんなにも統率できているのだろう。
疑問は増えるばかりだ。僕は飛んでくるゴブリンをもう周りを照らしていない左手と右手を使い吹き飛ばす。
「ウィンドブラスト×ファイヤーウォール!」
「「グギャャャャ!!」」
…どうやら飛んだゴブリンの鈍器やら何やらが後衛のゴブリンにも当たったらしい。全員気絶している。その内に僕は全員フリーズタッチで生命活動を停止さして殺した。
…もちろん、肉は獲った。
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