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〘安心〙
リクエスト頂いたものです
“ 後藤視点 “
―夜の劇場裏―
スタッフの声も笑い声も遠く、
自分の足音だけがやけに響いた
「後藤さんですよね?」
振り向くと、知らない男が立っていた
「あ、はい」
距離が近い
近すぎる
「あの、どなたですかね?」
反射的に笑ってしまう
いつもの癖。
でも男は下がらない
むしろ近づいてくる。
「あ~、実は僕、ずっと応援してて…今日も最高でした。」
そう言って、自然と腕を掴んでくる
「あ、そうなんですか。ありがとうございます」
無理に笑顔を作る
「はい。もし良ければ…この後少し話しません?」
腕を掴む力が強くなる。
痛い。
「あ~…いや俺ちょっとこの後用事があるんですよ…」
はっきり断ればいい
でも声が出ない
「ちょっとだけです。お願いしますよ」
じりじりと壁に押し寄せてくる
「いやあの、ほんまに…」
「…やっぱり近くで見ると本当に可愛い顔立ちしてますね…」
男の口角が上がる
あっかん。 どないしよう
「ー何してんすか?」
低い声が響く
声のする方に視線を動かすと
福徳が立っていた
「福徳、」
「はよ離れてください。」
いつも通りの声だが、目線は冷たかった
「…いや、僕この後、後藤さんと用事がー」
「何を言うてんすか。俺らこの後仕事あるんで」
男の声を遮り強く発する
「行くで。」
俺の手を引き、足早にその場を立ち去る
…
情けないとこ見られてもうたな
「…福徳、ありがとうな。 」
「……ええよ。けど、」
福徳の言葉が詰まる
「…お前危なかっかしいわ、ほんま…」
そう言われ、福徳の方を見る
「嫌やったら、ちゃんと言わな、 」
そう言う福徳の顔はいつもより真剣やった
…気がする
「…おう」
照れくさい気持ちを抑える
そして、しっかりと手を握ったまま
静かな廊下を歩いていった
〘安心〙
コメント
10件

福ごと多くてすいません💦後藤さんがやられて福徳さんが消毒するのみたいです🙂↕️

主さんの書き方がすごく好きでリクエスしちゃいます💧

ありがとうございます!いつも見てます!