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夏休み最終日。課題に追われていた。
やりかけの数学、 嫌いな国語。一日では終わらない量を残してしまったことを後悔しながらとりあえずやることにした。
案の定、終わらずに時計の針は午前0時を過ぎていた。課題は諦め、たまたま目に入ったマンガ本を手に取り、ベットへダイブし、くつろいだ。
あっという間に日は昇った。急いでやりかけの課題や筆記用具をカバンに入れ、制服に着替え、家を出た。
休み明けということもあり、教室は賑やかだった。人を避けて窓側の1番後ろの席で本を読んだ。あまり人と関わるタイプではないので、何がどうであろうと特に気にしない。今日も一日1人で過ごす。
はずだった。
「ねぇ、何読んでるの?」
下校時間を知らせるチャイムがなり、みんなが帰っていく中、クラスメイトの君はいきなり話しかけてきた。いつも明るくて、誰にでも優しい君。今みたいに優しいその笑顔。自分は根暗で無口。自分とは正反対な君はまるで太陽のようだった。
「別に何読んでてもいいじゃん」
少し雑に返事をした。でも君はずっと何かしら話しかけてきた。「今日の朝ごはんは何?」「好きなものは?」こっちは本を読んでいるというのに。邪魔だったから
「本読んでるのに邪魔しないで。」
そういった。すると君は悲しそうに
「そっか。ごめんね。」
と言い教室から出ていった。教室の窓からは茜色の夕日が見えていた。