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※実際の団体、個人とは無関係です。

※ボイドラ時空でお送りします。

※成人向けに準ずる表現があります。ご注意ください。

※その他捏造した設定が多く含まれます。


正直一番最初のときは最悪だった。それでもこの身を預けたのはきっと、お前だったからだ。

ランドリーへ向かう道、大通りから裏路地に入ったところ、そこからさらに階段を登った場所。まだ通い慣れないその道を確認しながら歩いていく。

すぐに入口まで入れないのはもしものことを考えて、我がリーダーが気を利かせてくれたおかげだ。

『セラ夫は2時間後だから……。今は奏斗と雲雀だけか。』

カンカン、と鉄の階段とブーツを鳴らしながら扉まで歩いていき、ドアノブを捻る。すると鍵の開いていた扉は容易に開いた。

中から漂った甘ったるい匂いを振りまいて。

「…ッ、あきら…!?」

ランドリーには雲雀がいたのだがどうにも様子がおかしい。具合でも悪いのか、ソファでうずくまり、ブランケットを頭から被り、ちらりと見えた大腿から臀部にかけてはしとどに濡れていた。

『雲雀…?一体何を……それにしても、この匂いは…なんだか、頭がくらくらするな…。』

「!?まずい、アキラ、出てってくれ!お願いやから、お願い…っ」

甘いお菓子のような、花の香りのような不思議な匂いは雲雀からしているようで、嗅いでいると頭がくわんくわんと回り、妙な気分になってくる。

雲雀の言葉通り引き返そうと足を動かしたつもりが一歩、また一歩と雲雀へと近づいていってしまうアキラ。

「だめ、アキラ、だめやって……っ」

だめだというのに抵抗もしてこない雲雀に手を伸ばす、怯えたような期待しているような瞳が揺れている。

小さく震える雲雀からブランケットを奪うと、頭には髪色と同じ紫色の立ち耳、そして腰の辺りにはふさふさと豊かな毛を蓄えた尻尾があった。どちらもイヌ科の動物を思わせるものだった。

『え……』

「あ、ぅ…あぅ……」

そういえば聞いたことがある。

大昔、男女ともに妊娠できるΩへより繁殖力を付け加えようと、子を産みやすく手懐けやすい動物を掛け合わせた、最悪の実験があったそうだ。 それが成功したΩには耳と尻尾、それが発情期には現れる、らしい。

今では個体数が減り、いなくなったのではないかと言われていた。

『貴方、もしかして…』

雲雀がぎゅっと目を瞑ると耳が後ろに倒れ、尻尾は体へ巻き付いた。犬のこれは恐怖や怯えを表していたはずだ。

それでも。

アキラは目に見えて怖がっている大事な友人をソファに押し付けるように、上から被さった。 近づくと雲雀から甘い匂いが濃く香ってくる。

「あ、あきら、…ッ、だめ、ぇ、だめっ…、あぁっ…! 」

着ていた雲雀の服をほとんど引き裂くように脱がせて、露わになった肌へ噛みついた。

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