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「兄ちゃん!大好きだよ!ずっとずっと一緒だから!━━━━━」
ピピピピッピピピピッピピピピッ
「…夢か。兄を大好きになるなんてあるわけない。そもそも会ったことないんだから」
ちょっとだけモヤモヤしたけどなんでかは分からない。
「おはよう〜○○〜!」
「おはよう!お母さんお父さん!」
家族のことはみんな大好き。兄以外は。
兄以外だったらすぐに好きにも嫌いにもなれる。
カギがあるから。
カギ。私の中にあるみんなの名前が刻まれた棚のカギのこと。
もし嫌なことがあったらその人の棚のカギを閉めればいい。
好きになりたいんだったらカギを開ければいい。
私はカギを無くしたことなんて1度もない。だから無くしてしまったらどうなるのかなんて知らない。
新しい友達が出来る度にカギが見つかる。だから 棚に名前を刻んで、さされたままのカギをひねって棚をあける。
でも秘密がある。そのカギを1周回すとその棚に書かれた名前の人とは赤の他人になれる。
なぜそれを知っているかは自分でも分からない
私はある日男の子にあった。友達になってないのにカギが見つかった。こんなの初めてだ。しかも何だか特殊な形。カギを閉めたら折れちゃいそうな凄く細いカギ
それからは毎日その男の子と会って沢山話した
(この子と話しているとなぜか胸がドキドキする)
何日か経ってやっと気づいた 私この子の事が好きなんだ だからカギは閉めれないように細くなってるんだ。
その後私達は付き合った。幸せな時間だった。
すごく…すごく幸せな時間だった…だけど
その子と一緒に帰ってた時のことだ。横断歩道の信号が青になり道路を渡ろうとした瞬間
赤信号を無視した車に跳ねられた。
それと同時にポキッて音がした…気がする
なんで曖昧なのか?頭を強打したから。記憶が曖昧なんだ。でも記憶喪失にはなってないそうだ。でもなにか大事なことを忘れてる。
私は隣のベットをみた。男の子が寝ていた。すごく綺麗な男の子だ。
「起こすのも悪いから起きるまで待ってよう」
「おーい おはよう」
やっぱ待ちきれなかった。
「生きてる…?」
なんだか懐かしい声 私を守ってくれたからなんだろう。私より怪我が酷かった。
「 お兄ちゃん?」
咄嗟にでた言葉。何を言っているんだろう。この人はお兄ちゃんじゃないのに。
「 気付いちゃったか(笑)そうだよ」
「僕が君のお兄ちゃんなんだ」
すぐに思い出した。私は小さい頃にお兄ちゃんのカギを1周回して挙句にどこかへ無くしてしまったらしい。曖昧な記憶の中に出てきた男の子のカギ…いや2つ目のお兄ちゃんのカギは神様がまたチャンスを与えてくれたのかもしれない 無くしたお兄ちゃんのカギはすぐに見つかった これからは家族みんなのカギを今よりもっと大事に扱おうと誓った。
「おかえり」