⚠タヒネタ 閲覧注意⚠
汗を飛ばすように、風を直接肌で感じる。10月の冷たい風も今の俺にとっては全く苦ではない。むしろ普段より暖かく感じる。そんな風に頭を隠していたパンダフードが外されるが、そんなの気にしない。風や木、それだけでなく俺の肌を照りつける太陽は、反対の山までもを照らす。木々が光輝いている。
そう。ここは山。それも木々を抜けた後の崖。鬱蒼とした木々の迫る登り道とは違う開けた場所。
思いっ切り体を伸ばす。先程までの疲れが吹き飛ぶようだ。
所で俺がここに何をしにきたのか、それは…
そう。一度はやってみたかった「やまびこ」都会出身で海は行っても、山には行かなかった俺。これが初めてのやまびこだ。大声を出したせいかちょっと咳き込む。
やっほぉぉ………やっほぉぉ………やっほぉ…………やっほ…………やっ……
咳き込んでる途中、段々小さくなっていく声。自分の声では無いような声。それを耳にした途端、つい咳きなど忘れ、口角が上がる。誰も周りに居ないから止める必要は無いし、止めるつもりもない。強さを増していく風。髪に隠れた目が見えようとも、風に揺れ後ろの葉が強い音を鳴らしても、全く気にすることは無かった。
俺は続けてもう一度声を張り上げた。
木々や葉の音に負けないくらい、思いっ切り叫んだ。
ザッッ
やまびこが聞こえることも、風が聞こえることも無かった。
その代わりか、目には
赤い花吹雪が何処からか見えていた。
WT/Nakamu
ご本人様には関係ございません。
コメント
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解説:ザッてやつで穀されてます。風で後ろの葉が強く揺れる〜みたいな所は、風が原因ではなく、熊でしょうね。熊がそこからパンダさんの後ろに迫っていました。ただパンダさんはやまびこに夢中になっているので殆ど気にしてません。聞こえるな〜くらいです。