俺が先生になって2年目
この春から俺は一年生の担任になった
準備段階から忙しく、生徒を向かい入れ数ヶ月経った今も俺は慌ただしい毎日を過ごしていた
「お前っ、明日も忙しいんだろ?‥‥こんな事してないで‥‥あっ‥‥早く寝ろよ」
「やだ。先生が欲しい」
「昨日もしただろっ‥‥んっ!‥‥あっ‥‥」
先に寝ていた先生の身体を解し、俺を中に埋め込んでいく
「嫌だった?」
「嫌じゃないっ‥‥けどっ‥‥」
「けど?」
「あっ、あぁっ!‥‥いいっ‥‥んぁっ‥‥」
「良い?‥‥俺もだよ‥‥」
「起きろ、もう時間だろ。目覚まし終わってるぞ」
「ん‥‥‥‥んん‥‥」
ロウの声と同時に、ネギと味噌の匂い
薄っすら目を開けるとロウがしゃがみ込み、俺を起こしに来ていた
「オハヨ」
「何がオハヨだよ。一回で起きてくれ、頼むから」
「オハヨのチューして」
立ち上がりダイニングへ戻ろうとしていたロウが怪訝な顔で俺を見た
それでもすぐにしゃがみ込み、ちゃんとキスしてくれる
「もっとして」
「馬鹿か、時間なくなるって言ってんのに」
「はーい、今起きるよ」
「急げよ。味噌汁冷めるから」
食卓に並んだ和食の朝ごはん
ロウが和食好きだから俺も好きになった
「朝からこんなにちゃんと作らなくても良いのに。大変だろ?」
「体が資本なんだからちゃんと食べろよ」
元々朝ごはんなんて食べなかったのに、一度作ると決めたら毎日作ってくれる
俺には出来過ぎなお嫁さんだ
「俺今日は午前中外出で、昼過ぎないと戻らないからな。じゃ、先出るよ」
「ん、分かった」
俺も皿洗いを済ませて急いで家を出た
学校に着くと朝礼が始まる
今日は臨時の先生が来るらしい
「今日から1か月の予定でこちらでお世話になります、宇佐美リトです。短い間ですがよろしくお願いします」
体育の先生が先週末に足を怪我した
その代わりの臨時の先生らしい
身長も大きいし体もがっしりとしていて、いかにも体育教師って感じだ
放課後になり、来週ある体育祭で使う旗の準備をしている
していると言っても、俺はする事がない
旗に絵を描くのも色を塗るのも生徒達
買い出しの時の財布管理と生徒の見守りだけ
俺は教室に顔を出して、一度職員室に戻ろうと立ち上がった
その俺に1人の生徒が声をかける
「先生、多分ゴールドのアクリル絵の具が足りなくなりそう」
「え?もう?」
「背景黒で、そこにゴールドも使いたいから多分二本じゃ足りない」
「んー、じゃあ俺買ってこようか?」
「他の人も資料取りに行くって言ってるし、俺も絵の具買いに着いて行っても良い?」
「じゃあアクシア1人で行ける?」
「‥‥先生と一緒がいい」
「‥‥分かった。じゃあ行くか」
1人で旗に使う色を選び、道具の準備をしていたアクシア
話しやすく人懐っこい性格で明るい
だが、時折寂しそうに見える
だから1人で行ってこいとは言えなかった
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