「先生〜、重いよぉ!」
「お前が喉乾いたって言うからだろ?」
「だって飲みたかったんだもん」
アクシアの手から箱を持ち上げ、今度は俺が持つ
ペットボトルが詰まった箱を順番で持ち帰る
今クラスにいる分だとすれば、この箱で間に合うだろう
アクシアに絵の具だけ持たせて校門を潜る
校庭の脇にある小道を歩く
「先生、代わろうか?」
「良いよ。大丈夫」
「これってどのくらい重さあるんだろう?」
「多分10キロオーバーだな」
「えぇ⁈そんなに重いの?やっぱ代わるよ!」
「いいから、お前は帰ったら作業しないといけないだろ?」
「ローレン、優しい!」
「先生をつけろよ、先生を」
「やだね。この方が距離近いじゃん!」
「近すぎな?」
「良いだろ?」
そう言って俺の腕に手を絡めてくる
「お、おい!重くなるだろ!やめてくれっ」
「重くなければ良いって事?」
「そうじゃない!」
もう少しで保健室の窓の前
まだ保健室にロウは残ってるか?
今日も開いている窓の中
最初に目に付いたのは‥‥
宇佐美先生?
来たばかりで体調でも崩したのか?
遠目で捉えた俺は足取りが遅くなる
「‥‥ローレン?」
「‥‥‥‥‥‥」
「‥‥ローレン!」
「‥‥‥‥‥‥」
机に向かい座るロウの後ろに立つ宇佐美先生の表情があまりにも穏やかで‥‥
何故か俺が不安になる
今度は足早に保健室横の窓を通り抜ける
急に早く歩き出す俺に、アクシアが小走りでついて来た
「どうしたの?ローレン‥‥保健室になんか‥‥」
「‥‥‥‥」
「聞こえてる?もしもーし!」
「‥‥‥‥」
なんでこんなに気になるんだろう
距離だってロウの真後ろにくっ付くみたいに立ってた
宇佐美先生は何しに来たんだ?
朝にロウが居なかったから挨拶に‥‥
保健医にわざわざ?
いや、宇佐美先生が律儀な性格なのかもしれない
こんなにウダウダ考えてるなら確かめに行こう
俺は更に足を早めて玄関へ向かった
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コメント
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え、何やってたんだろう... ロレ嫉妬してる~最高か?


めっちゃ面白かったです!! 続き楽しみにしてます!