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私の家庭は、何処にでもあるような普通の家だった。母も父も仲がとても良くて、”それ”は私が産まれてからも続いていた。
…
私は小さい頃、夜中に目が覚めて水を飲みに行った。すると、両親の部屋から物音が聞こえた。
小さい頃の私は”それ”が何なのか理解出来ていなかった。
両親が裸で抱き合い。
母が苦しそう、いや気持ち良さそうに声を上げている。
…⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯”それ”を理解出来るようになったのは高校にあがってからだった。
高校生。
それだけで少し大人の仲間入りをしている気がして、私はダメだと知りながらも男友達に誘われて酒を飲んだ。
何もかも全て”うん”と言えばことが進んでいく。
初めての経験は、少し怖かった。
だけど、終わってしまえば怖いことなど一つもなかった。
自分が求められている。自分を必要としてくれている。自分で気持ち良くなってくれている。
それだけで良かった。
「好き」なんて偽りの言葉を掛け合いながらするのは何とも言えない気持ちだった。
……
それからと言うもの私は手当り次第に手をつけた。
顔がいいチャラ男でも
陰キャのデブにも
彼女がいる人にも
そんなうちに私は周りの人が居なくなった。
人と言っても女だけ。
“ビッチ”や”クソ女”言われるようになったのは何時からだか覚えてない。
別になんて言われても気にはしない。
だって、負けたくないならまた私から奪えばいい。奪えないと言うことは男が私から離れたくないだけ。
私は男を縛るつもりは無い。大体は1度してしまえば私は2度目をする気は無い。ただ男が私と2度目をしたいだけ。
私は何にも悪くない。男が勝手に縋り付いてくるだけ。そんなのも奪えないならその程度の女ということなのに。なんで分からないんだろう?
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普通の道を歩めるはずもなく、私は途方に暮れていた。そういう仕事に就く事も考えたが、お店のルールやらが面倒くさそうだからやめた。
私は自由がいい。誰にも縛られたくないし、私も縛りたくない。
そんな時に1人の人と出会った。
「へえ…珍しい女の人じゃーん」
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