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「美並と付き合う少し前まで、学生時代から付き合ってた彼女がいて
その子とは、お互い嫌いになって別れたわけじゃなくて……」
『元カノにとって、死ぬほど屈辱的な事件に関わることで紆余曲折あり
自分から別れを告げたのだが──』
という話からはじまり、その元カノの里穂さんと別れることになった経緯を
丁寧に本田くんが話してくれた。
「それで終わりのはずだった……でも」
この辺までは、詳細を自分の感情などを交えて淀みなく話していた本田くん
の口調が、少しずつ歯切れ悪くなった。
「あれはまだ君にプロポーズする3か月ほど前のことだった。
里穂に相談があると言われて──
別れてから初めて彼女の部屋に行ったんだ。
そこで──
『あの男にされたことをなかったことにしたいの。達也に上書きしてほしいの、お願い。
ピルを飲んでいるから妊娠の心配はないから……』
と、最後に一度だけとその──泣きながら性行為を懇願されてしまって……」
「泣きながらそんなこと言うなんて……。
それでそれに応えるなんて、どちらも信じられないっ」
私は泣きながらこの場に居ない女性と本田くんの両方を責めた。
「それで結果、妊娠してしまいました。
子供と自分への責任を取ってねなんて、卑怯だわ。
ううっ……。
本田くん、騙されてたのよ。わからないの?」
「客観的に見て、それはないと思う」
彼女を庇うかのような言葉に、私の感情は荒ぶった。
誰が聞いても、振られた恋人を取り戻すための策略だったとしか思えない。
だって、現実に出産までしているわけだし。
そして、ずっと妊娠中そのことを本田くんに隠してたわけで……。
私の夢と期待を乗せた結婚を無茶苦茶にした相手の里穂という女のことが
とてもじゃないけど許せない。
「誰が聞いても騙されたとしか思えない話なのに本田くんは彼女を庇うんだ」
AZ

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コメント
4件
信憑性は、61話で明らかになります。🥕
うわ、このエピソード重すぎる……。本田くんの元カノ・里穂さんの話、読んでて胸が痛くなったわ。泣きながら「上書きしてほしい」って懇願されるシーン、受け入れた本田くんの心情も複雑すぎるし、結果妊娠して出産までってそりゃ美並さん怒るよな。でも「客観的に見てそれはないと思う」って庇う本田くんのセリフ、逆に気になる——何か彼にしかわからない事情があるのかな?続きめっちゃ気になるわ🔥