「 … 」
「 …、どうしたの、辰美君。 」
「 あぁ、五木…いや、実際に龍樹さんに会えると思ってなくって…実感湧いてないっていうか… 」
荷物の整理をしているとそんな話になる。
「 偶にあるよね。現実を現実として受け止めらないって言うか…これが奇跡なんだなって思う時。 」
「 うん。だから俺、もっと頑張んないとって… 」
「 んお、辰美くん…ついに本気モード? 」
そういってクスって笑う五木はなんだか嬉しそうだった。
「 漱くん~?ついに辰美くんが本気モードなった~ 」
と五木が漱に報告する。
「 ちょ、五木?! 」
「 あらあら、お兄さーん、本気モードなん~?偉いですやん~? 」
そういってモップをかけていた漱がダル絡みしてくる。
「 やめて、漱。ほんと。ほんとやめて。 」
そういって逃げる俺を見て浅原さんは言う。
「 ほーら。そこー。片付けしろよー? 」
「 は、はーい。 」
俺含め三人は返事をして片付けに戻る。