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涼ちゃんと滉斗は、熱に浮かされ、
互いを求め合い、
汗と喘ぎ声を絡めながら堕ちていた。
床には散らばった服。
室内には、熱と淫靡な匂いが満ちていた。
そんな二人を、
元貴は椅子に座ったまま、
頬杖をつきながら見下ろしていた。
静かに、そして、
不気味に微笑みながら。
「……あのさぁ」
ぽつりと、
まるで雑談みたいに話し始めた。
「俺さぁ、
2人のこと、大好きだったんだよね」
天井を見上げながら、
どこか楽しそうに。
「……ずっとさ。
涼ちゃんのピアノも、滉斗のギターも。
全部、宝物みたいに思ってた」
涼ちゃんと滉斗は、
はっとして動きを止めた。
息を荒げたまま、
汗だくで、震えながら。
「でもさぁ」
元貴は、
ゆっくりと二人に視線を戻した。
その目は、
冷たい光でギラついていた。
「俺が今まで、どれだけ……
お前らのために、音楽作ってきたと思ってんの?」
「俺が、お前らに賭けてきた想い、全部さ」
「こんな、
安っぽい欲望で、台無しにするわけ?」
涼ちゃんも、滉斗も、
何も言えなかった。
ただ、怯えた目で元貴を見つめるしかできなかった。
元貴は、
片手でリズムを取るように膝を叩きながら、
不自然なほど大きな声で笑い出した。
「ははっ、はぁー、俺ってえらーい!」
「こんな馬鹿な二人のために、
音楽捧げて、曲作って、全部やってきたんだもんなぁ!」
不気味な高笑い。
けれど——
笑い声の中で、
元貴の頬を一筋、涙が伝っていた。
自分でも気づかないうちに、
込み上げた感情が、
勝手に零れ落ちていた。
「はぁー、おっかしぃー!!」
笑いながら、
瞳の奥は、悲しみと怒りで真っ赤に滲んでいた。
(なんで……こんなことになったんだよ……)
(俺は、ただ……)
「ねぇ、俺、すごくない? 偉いよね?」
自嘲気味に叫びながら、
元貴は立ち上がった。
「——だからさぁ」
笑いをぴたりと止めると、
冷たく、鋭い声で言った。
「道を正すために、
お前らに……お仕置きしなきゃなぁって」
足音を響かせて、
淫らに絡み合う涼ちゃんと滉斗に、
元貴はゆっくりと割って入ってきた。
汗だくの身体を、
涙ぐむ瞳を、
ぐちゃぐちゃになった心を——
すべて、壊すために。
涼ちゃんの顎を掴み、
滉斗のシャツを引き裂くように乱暴に引き寄せる。
「さぁ」
低く囁きながら、
元貴は唇を舐めた。
「俺が直々に、
お前ら、めちゃくちゃにしてやるから」