テラーノベル
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──その後、リビング──
だぁ、すかー、夢魔。
3人はもう写真も録画もやめて、ただそっと2人を甘やかしていた。
ネグとマモンはソファの上、すやすやと静かに眠り続けている。
まずは、だぁがネグの頬を優しく撫でた。
「……やわ……」
ぽそっと、誰に言うでもなく呟きながら。
だぁの手が、ネグの頬をゆっくりと撫で、指先で軽くつまんでみる。
「モチモチ……」
ぽそっとまた呟いた時──
ふと、ネグの唇に触れてしまった。
その瞬間だった。
がぶっ
「ん、ッ……ネグ……?」
思わずだぁは小さく声を上げた。
ネグは、眠ったまま、だぁの指を口に含み、甘噛みしていた。
そのまま、ゆっくりと舐めるように、ぺろ、ぺろ──
だぁ(………………は?)
思考が完全に止まる。
だぁ(……いや……待って……無理……普通に無理……こんなん……)
だぁ(可愛すぎるだろ……どーすんのこれ……マジで……)
心臓がバクバクしすぎて、喉が詰まりそうだった。
けど、手を引くのも惜しくて、そのまましばらく動けない。
──
一方、すかーはマモンの頭を優しく撫でていた。
手元の感触が柔らかくて、心が少しずつ落ち着いてくるようで──
その時。
「えへへ……すかぁだ……」
マモンが、寝たままふにゃっと微笑んで、そう呟いた。
すかー(……ッ)
その瞬間、すかーの手がピタリと止まった。
すかー(いやいやいやいやいや……!)
すかー(何それ……!何その声と笑顔……!)
すかー(可愛すぎだろぉぉおおおおおお!!!!)
呼吸すら出来なくなるほどだった。
全身が熱くて、顔から火が出そうで、
それでも、撫でる手を止めたくなくて、何とか意識を繋いでいた。
──
夢魔もまた、2人の背中を撫でていた。
ネグとマモン、交互に。
優しく、一定のリズムで撫でる。
その時──
ふ、と気づけば、2人が無意識に夢魔の手を握っていた。
「……」
それも、寝てるとは思えないくらいの強さで。
絶対に離さない、と言わんばかりに。
夢魔(ッ……!!)
夢魔(おいおいおい……マジか……)
夢魔(何これ、何この破壊力……無理……)
静かに、ジッとそのまま動かずにいるしかなかった。
握られた手を解こうなんて、思えるわけもなく。
夢魔(怒れない……もう、怒る気すら起きない……)
夢魔(ただただ、ひたすら……可愛い……)
──
だぁも、すかーも、夢魔も。
最初はあんなに怒っていたのに。
今はもう、全員心の中で同じことを繰り返し叫んでいた。
だぁ(ああもう……ほんと無理……)
すかー(可愛すぎて心臓止まるって……)
夢魔(これ以上は勘弁してくれ……マジで……)
でも、誰も言葉に出すことはなく。
ただただ、ネグとマモンが目を覚ますその時まで。
静かに、そっと、ずっと甘やかし続けていた。
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