結局お父さんを起こすのに30分近くかかった。いつも、俺が下に行くときにはもういるのにあんなに朝が弱いとは。さすがの俺でも気が引けて起こしている時に思わず「マジか…..」と声を出してしまった。
空寝じゃないといいが。
起こすのに疲れ果てて歩調がいつもよりも遅くなっていた。いつも通り1階に行くと、やはり一番最後だ。亮平が座る椅子も見つかったらしい。
亮平の右隣には優がいる。優はにやにやと笑っていてどういう表情をすればいいのかわからず笑った。
「ねーっっ!れーーーんっっ!早く来てーー!」
何事かと思ったら亮平が両手を振っていた。1時間弱くらい経っているのにまだ先生の時の亮平になってないのはある意味すごい。どちらかというと悪い意味でだが、可愛かったらそれでよし。
「わかったからちょっと待ってよ」
早歩きで亮平のほうへ向かって空いてる席に座ったが、その横で亮平は頬を膨らませて俺のほうをにらんでいる。
俺を殺す気か。
多分殺す気はないが、そうとしか思えない。かわいいとかあざといとか、一言で済まない。
「ねえ兄ちゃん」
「ん?どした?」
そういうと優は小さな声で「絶対阿部先生、嫉妬してるよ。兄ちゃんに」といった。俺は目を丸くした。
あの先生が嫉妬?あり得るかもしれないが、してると思いたくない。俺の恋人だから嫉妬なんか絶対させたくない。
「じゃあ亮平、何してほしい?何でもやるよ?」
何でもやるという言葉に反応したのか、亮平の顔がご褒美といった時の顔になった。その隣では俺が名前呼び下からか知らないが優が固まっている。
「じゃあ、夜、シよ?」
「おわったー」
「よし、やっぱりお仕置にしよう」
オーマイガー。嫌な予感しかしないのだが。
「あ、ごはん!」
朝ごはんのことをすっかり忘れており、すでに親は2人揃って完食済み。まだ食べてないのは俺と亮平、弟の優だ。
「さっさと食べなかった蓮たちが悪いんだからねーー」と言いながら母は去っていった
コメント
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阿部ちゃん、起こしかた可愛すぎ!