テラーノベル
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吉田:……どこだ、ここ
目を開けると真っ白な天井が浮かび上がる。頭がクラクラする。この消毒の匂い、と、視界の端に見える点滴……ここは、
?:目、覚めましたか?
隣から男の声が聞こえた。その方向を見上げると
吉田:…えっと、あの時運転されてた…
マネ:佐野のマネージャーです。あ、体無理して起こさなくて大丈夫ですよ。とりあえずお医者さん呼びますね
それだけ言い残して部屋を出て行ってしまった。俺 …なんでここにいるんだっけ
起き上がって辺りを見渡すとThe病室って感じの質素な部屋だった。周りには誰もいなくて、窓のカーテンの隙間からは月明かりが入り込んでいる。何時かと思い時計を見ると日付が回っていた
えっと、いつも通り働いてたよな、?そしたら、勇斗に久しぶりに会って、そんで、あ、そうだ、あの監督に
ぼんやりそんなことを考えていると、ノック音と共に医者らしき人とマネージャーさんが入って来る
医者:お、目覚めましたか?
吉田:あ、はい…えっと
医者:担当医師の〇〇です。ちょっと体触りますよ
吉田:は、はい…ご迷惑おかけして、すみません
医者:いやいや、とりあえず明日一通り検査しましょう。首は、痛みますか?
吉田:あっ……
点滴をうたれていない右手で首をそっと触る。なんか熱い。まだ、痛い気がするけど、これはあの感覚があるからか、?
医者:…まだ起きたばかりで状況も分かってないですよね。明日また聞きます
吉田:あ、はい…
医者:…うん。 とりあえずは大丈夫そうですね。体調おかしいと感じたらナースコール押してください。それでは、
吉田:…佐野さんについてなくて、大丈夫なんですか?
マネ:はい。今は俳優業担当のマネージャーが一緒に動いているので
吉田:なんか、すみません。もう、俺、大丈夫ですよ
マネ:うーん
マネージャーさんは少し困ったような表情をして苦笑いをしている
吉田:……?
マネ:いやぁ…僕も博士さん、いや、吉田さんの邪魔になると思って、目を覚まし次第帰ろうと思ってたんですけど……佐野さんが
吉田:勇斗、なんかしたんですか?
マネ:「俺が病院に着くまで一緒にいろ」と
吉田:は、?
マネ:寝ている隙に誰かに襲われるかもしれないからって笑、病院だしそんなことないとは思うんですけど
はぁ、、まじ呆れるわ。自分勝手過ぎだろ。マネージャーさん、流石にぶん殴っていいと思う
吉田:はぁ…なんなんですかね、アイツ
マネ:…きっと、吉田さんのことが愛おしくて仕方ないんだと思いますよ
吉田:へっ、?
意外な言葉に俺は驚いてマネージャーさんの顔を見る。マネージャーさんは笑いながら言葉を続ける
マネ:まさかドアのチェーンを壊して部屋に入ったと聞いた時は驚きましたが、暴力沙汰になってなくて良かったです。あの馬鹿力で殴るなんてことあったら、いくら監督が悪くても一時活動休止せざるを得ないですから
吉田:…そんなことがあったんですね
マネ:その後は救急車が来るまでずっと吉田さんの隣から離れなかったんですよ。だから救急車に乗ろうとする佐野さんを引き離すの大変でしたよ笑、明日も朝から仕事あるから乗り込まないでって言ってるのに、ほんと子供みたいに駄々こねて
吉田:なんか、想像つく笑
マネ:もぉ、笑い事じゃないですよ笑
佐野:ほんと、笑い事じゃないんだけど
いつの間に部屋に入ったのか。声の方向を見ると、そこには少し眉間に皺を寄せてた顔でこっちを見つめる勇斗がいた
マネ:ノックくらいして下さい!
佐野:だって、楽しそうに話してる声聞こえたから
吉田:あの、!勇斗…ごめ、、っ!?
そして、勇斗は俺に駆け寄ってくるやいなや飛びついてきた。いきなりのことで驚いてしまい、反射で振りほどこうするが離れない。目でマネージャーさんに訴えかけるが、ニコッと微笑んで部屋から出て行ってしまった。おい、なんだその微笑みは!?
吉田:ちょ、、勇斗
佐野:よかった、無事で…
俺の耳元で、弱々しい声が聞こえる。そっか。コイツはただずっと俺を気にかけて、心配してくれてたんだ
吉田:ごめん…迷惑かけちゃって
佐野:名前、呼んでくれたから気付いた。頑張って呼んでくれてありがと
吉田:…こっちこそありがとう。あの時来てくれてなかったら、俺どうなってたか
佐野:……首
吉田:ん、?なに?
佐野:まだ、首に爪痕残ってる
吉田:あぁ…
やっぱ残ってるんだ。通りで痛みが引けないわけだ
吉田:まぁ、そんくらいすぐ治るよ
佐野:…痛くない?
吉田:痛いっちゃ痛い。でも、全然大丈
佐野:大丈夫じゃないでしょ
吉田:え、?
佐野:今くらい、そんな強がんないでよ
そう言って俺の頭を優しく撫でる。なんか恥ずかしくて、でもどこか嬉しくて
佐野:え、なんで泣いてんの!?
吉田:…分かんないよ、、なんか、勇斗に会えて安心して
いい歳した大人なのに、涙が止まらない。色々重なりすぎて涙腺のリミッターが外れたんかな。せっかく会えたのに、こんな姿見せたくないのに
佐野:俺に会えて、安心した…?
吉田:…うん、そうだよ
佐野:そんで泣いてんの?
吉田:悪いかよ
佐野:…可愛すぎだろ!しかも、ナチュラル名前呼びはやばい、、
吉田:だって、!あの時は、あの距離感がよかったから、お互い名前呼ばなかっただけで、お前の名前くらい、俺はずっと知ってたし。だから、また会えたから嬉しくて、つい、、
佐野:はぁぁ、、、
は?なんで一人で悶えてんの。しかも勝手に照れてるし。でもまぁ、泣いてることに対して馬鹿にしてこないから良い、のか?
吉田:…仕事は、?今終わったの?
佐野:うん。終わってすぐ来た
吉田:そこまでしなくていいのに
佐野:そっちは仕事、どうするの?
吉田:…どうしよっかな。フラッシュバックしたらどうしようとか、こんな気持ち抱えたまま仕事復帰出来るかとか、今は不安が強くて…でも、慣れるしかない。時間が解決するまで、耐えるしかない
佐野:……
吉田:まぁ俺も成人男性だし?そんくらい耐えれるよ笑
佐野:俺、今住んでるマンションの隣の部屋空いてるんだ
吉田:……おぉ、急だね
佐野:そこに、来ない?
吉田:…は?
佐野:そんな不安定な状態で1人にさせたくないよ。管理人さんに伝えとく
はぁ!?なーにを言ってんだ。お前は俺の保護者かなんかなの?え、「俺、至って普通のこと言ってますけど」みたいな顔してるけど、おかしいからな?
吉田:いや、いきなり過ぎでしょ?!そんなの、勇斗に迷惑かかるし、
佐野:嫌、?
吉田:……嫌じゃないけどさ
佐野:じゃあ決まりね!今日はもう帰らないといけないんだけど…だから、その話もしたいから、連絡先、交換しない、?
吉田:……
なんか、うまく言いくるめられた気がするんだけど。しかも、連絡先なんて交換したら、確実に関係性が崩れる。もう、あの時の距離感に戻れない
佐野:ごめん、変な事聞いた
でも、
吉田:交換したい
佐野:…ほんと、?
俺は勇斗の顔色を伺いながら、今まで思っていた気持ちをぶつけた
吉田:…俺、あの時の、なんもお互いについて知らないのに映画で繋がってた、あの時の関係性が心地よかった。でも、会わなかった期間、なんか寂しくて。忘れてって言ったくせにこれで良かったのかな、って考えちゃって。首締められてる時、最後何したかったか考えたら、勇斗と映画見たかったとか顔見たかったとか、そんなことばっか考えちゃって。俺が思ってる以上に、勇斗は、俺にとって必要な人だと思う。だから……あのさ、暑いんだけど笑
佐野:もう、可愛すぎるんだけど。なに、?告白ですか?
吉田:は、はぁ?!そんな、お前思春期かよ?
てか抱きつきすぎ!!しかもこんな一般人に連絡先聞くとか、芸能人としての危機管理能力終わってるだろ!!
佐野:仁人だからこんなことしてんの!
退院した後は即座にマンションへ移る手続きをして、無事入居することができた。最初は俺の給料に見合わないマンション過ぎて、断ろうと思っていた。しかし、何故か勇斗から 俺が家賃を出すと言われ、それは申し訳なさすぎるから半分だけという約束をして今に至る。仕事にも徐々に行けるようになって、ここでの生活にも慣れてきたのだが、、、
吉田:あのさ、隣に住んでるんだよね?
佐野:うん
吉田:隣です。あなたの家は
佐野:そう
吉田:…じゃあ、なんで俺の方にいっつも帰ってくんの?!
そう、勇斗は隣なのに、夜遅くても帰ってくるのは俺の家。最初は心配で来てるのかと思っていたが、そうでもないらしい
吉田:あのさ、俺、仕事にも復帰できてきたからそろそろ別のアパート探そうと思って
佐野:拒否
吉田:はい?
佐野:ここ住むの嫌だった?
吉田:だってここに来たのは心配だからって話だったし
佐野:まぁ、それは、ね
濁された。空々しいな。さては、、
吉田:あ、なんか、隠してんな?言えよ?
佐野:……それは、ただの口実、
吉田:え?
勇斗は顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしながら、めちゃくちゃ早口で伝えてきた
佐野:ずっと、一緒に住みたかったの。だから隣の部屋空いたって聞いた時にずっと押さえておいてたのいつでも仁人が来れるように。そしたらあの事件起きて、今しかないと思って、って、全部言わせんな!!!
吉田:お前が勝手に言ってんだろ!えぇ、なに、あの事件も仕込みってこと?
佐野:は、冗談でもそんな事言わないで
吉田:ごめんて笑、てか、そんなに一緒に住みたいならさ、俺、勇斗の家に移るよ!どうせ荷物少ないし、ほぼ毎日こっち来てくれてるけどめんどいっしょ、なんつって
半分冗談で言ったのだが、それが良くなかった。勇斗の方を見ると目を輝かせている。おかしいな、しっぽをブンブン振ってるようにしか見えないんだけど
佐野:ほんと!!??
吉田:あ、えぇ、と
佐野:俺、え、やば、とりあえず部屋片付けるわ
吉田:おい、
佐野:手続き、明日、は仕事だよね。明後日か、?
ダメだ。こうなると止まらねぇんだよな。まぁ、自分の家の家賃もあるのに俺ん家の分まで払ってもらってたのは申し訳なかったし、俺もアパート探す手間無くなったし。あと、ちょっと嬉しいからいっか
俺は今でも暇があれば映画館に行く。やっぱ雰囲気が良いんだよな。家で観るのとはひと味違うというか。でも、家って映画館で観るより何百倍も素晴らしいかもって、思えるようになったんだ
吉田:これ久々に見たい
佐野:え、恥ずいんだけど
お互いの仕事終わりとか、ふたりの時間がつくれた時は決まって映画を見るようになった。映画館じゃないから気兼ねなく喋れるし、まったり出来るし、これもこれで悪くない
吉田:いいでしょ。初めて一緒に観た作品だろ?
佐野:そうだけどさぁ
佐野:ズピッ……グスグス…
吉田:泣きすぎ
佐野:だってぇ、、俺成長したんだなぁって、あと、この時仁人と出会ったって思ったら
吉田:そうだな。感慨深い
佐野:はぁ、涙止まらん
吉田:はい、ティッシュ
あの時、俺の隣で泣いてた奴は、俺からしたら主演俳優だった
でも、
今俺の隣で泣いてるのは
END
最後まで読んで頂きありがとうございました!
今隣で泣いてるのはどんな奴なのか。濁しているみたいに見えますが、どこかにハッキリと書いてるので是非見つけて下さい✨
それでは!
#そのじん
ma
1,550
#ご本人様には関係ありません
透楽※お知らせ必読願います
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#snjn
なゆ
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はえさん
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コメント
11件

コメント失礼致します! まさかのタイトル回収で驚愕致しました、、! 本当に素敵な作品をありがとうございました😌
フォローとブクマ失礼します🙇♀️🙇♀️
素敵な作品でした! 思わず一気読みして2人の関係が変わっていく様子にソワソワドキドキしました!ありがとうございます