仮面ライダーカブト

天道総司。仮面ライダーカブトのゼクターに選ばれし勇者。風は舞う、赤き時代の担い手の化身を歌い世界の中心となる。二号ライダー・ザビー「矢車想」はNEO ZECTの完全調和（パーフェクト・ハーモニー）の煽動者を添い遂げる存在、未来の警鐘人！ワームの街は留まる事を知らず市民の恐怖心を逆撫でする絶望都市！三島と陸が笑う……東京タワーのライトが消灯した。

「時間です」

「不思議の国のアリスの神話は序破急の創造と絶頂期へと誘う。メインディッシュを」

「次の手は講じてあります」

「歌姫から女神へと進化したドーパミンは最高なる脳の栄養補給」

総ては新世界のハッピーエンドの為に！田所と岬が新の仕事を評価した。

「まだまだだな。若過ぎる」

「お仕置きが必要です、学びが足りません」

仮面ライダー三号目の意志。影山が作戦行動の前線に入る！

「敵は脱皮前とクロックアップが弱点（ウィークポイント）だ！攻めるぞ！」

港が制圧された、猛獣咆哮の激突が余波を産む！暗闇の攻防は争いとバトル・ファイトを呼び戦慄を走らせる激情の一途を辿る！打撃を攻め合うゼクトルーパー達がワームの群れに飛び込む熱狂の嵐をすり抜けゼクター舞う！！

「変身」

ザビー強襲！港は革命を迎える、平和なる理想郷−アルカディア−の夢のロマンを掲げて、男は勃つ。

「俺が叶える。勝利の栄光を君に！」

矢車が握り拳で天を仰ぐ……守護者の救世主は自分自身！現場に居た新が羨ましがってその勇姿を見守る。

「仮面ライダー！いいぞ、行け！！」

ワームが叫び声を上げて緑色の爆風となり消えて行く。良かった……一件落着。その時！

「お婆ちゃんが言っていた。時代とは人の感情、御心のまま流れ去る過去と未来の虚像、天は一途」

「天道ー！！」

変身。ザビーのクロックアップが止まった時間の中、踊り狂う。ゼクトルーパーの散弾銃も歯が立たない！カブト危うし！

「クナイガンを捨てる、キャストオフ！」

チェンジビートル。スタイリッシュなシンプルなデザインが間接照明の後光を浴び耀く。

「決着を付けるぞ！一騎討ちだ！」

三島がライブカメラを見る。三、二、一……

「今だ」

突然の爆発！！時限爆弾が作動した、格納庫が崩れ去る！咳き込む新。オレンジ色の空が時を包む彼方の旋風、カブトが人差し指を立てた。

「社長。ご決断を」

「息子なら出来る。始め給え」

ガタックゼクターが夕日の向こう側から新の元へ舞う。

「喜べ加賀美君。最高の力だ」

倒れ込む矢車を尻目に新が決意する。俺だって！！

「天道！勝負だ！！変身！！」

仮面ライダーガタックの誕生、青い光の正義の使者。祈りの道が実現した。夢は叶う……親父の言葉。

「俺が戦う！！皆の為に！！」

「ZECTも本気を出したな。実に面白い」

「寄せ、止めろ……もう限界だ」

三島が影山にLINEを送る。歌謡祭もお開き、ハッピー・エンド。クロックアップ。

「お前とは戦いたくない、行け！！」

視界暗転。時間超過のタイム・リープが天空を裂く。気が付けば新は涙を流していた。

「新。お前は仮面ライダーだ」

「親父……」

天道が笑う。ワームは七年前の隕石の落とし物。色褪せぬ約束の誓いが男を成長させる。バトル・ファイト第二幕、火星の神。