テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
太陽組おたく ❤︎
しろっちー
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ユウ 過去
,※暴力,自殺行為
僕は生まれつき弱い体だ。
狼のくせに、狐のくせに、周りの人たちよりも弱い。
そのせいで学校ではいじめられていた。
でも、僕はお母さんたちを恨んではいない。
お母さんは病気持ちだけどいつも優しくて、僕のことをちゃんと考えてくれて、美味しいご飯も作ってくれる。
お父さんは強くて、力持ちでたくさん遊んでくれるし、元気をくれる。
僕はそんなお父さんとお母さんが、
“ 大好き ”
“食器が割れる”
ユウ「………」
母「ごめんなさい…!!やめて…!!」
父「なんで酒がもう無いんだよ!」
母「ごめんなさい…ごめんなさい……!!」
母「お昼に……買い忘れて…………」
父「言い訳するな!今すぐ買ってこい!」
母「…で、でも………お金がないんです…もう…」
父「それはお前が余計なものばっかり買うからだろ!!
無駄遣いばっかりしやがって……」
父「俺の金だぞ!?わかってるのか!!」
母「…ごめんなさい………許して…」
父「………チッ。もういい。」
(バタンッ………)
ユウ「……おかあさん。」
母「…ユウ、ごめんね。……怖かったよね…」
母「お母さんがユウを守るから………」
ユウ「…」
今日もお母さんはお父さんに殴られて、つらそうに泣いてる。
僕はそれをただ眺めてることしかできない。
一回だけお母さんを庇おうとしたことがあるけれど、僕もお父さんに蹴飛ばされてしまった。
それ以来、お父さんが怖くてお母さんを庇えなくなる。
どうしてお父さんはお母さんに暴力を振るうんだろう。
“数ヶ月前”
母「……おかえりなさい、あなた。」
ユウ「お父さんおかえりなさい!!」
父「…あぁ、ただいま。ユウ。」
父「………それより、大事な話があるんだ。」
母「改まってどうしたの…?」
ユウ「…?」
母「…ユウはもう寝なさい。もう9時すぎてるわよ。」
ユウ「うん!わかった」
お父さんはいつもお母さんと僕のためにお仕事をして、毎日帰ってくるたびに僕とお母さんの好きなお土産を買ってきてくれる。
でも今日は違った。
お父さんは何も買ってこないで、いつもより暗い表情をしていた。
母「…え………解雇…?」
父「……そうだ。」
母「どうしてそんな急に…!!」
母「ユウの学費や食費はどうなるの…!?」
父「仕方ないだろ!!」
父「そんなに言うならお前もちょっとは働けよ!!」
母「こんな状況で働けるわけないでしょ!?不治の病気なのよ!?」
母「なのにどうやって働けって言うのよ…!」
キッチンからお母さんとお父さんの怒鳴り声が鳴り響いて聞こえる。
怖くて眠れない。きっと明日には仲直りしてるはずだよね。
…………そうだよね。
ユウ「お母さん、今日もクラスメイトから狼なのに弱いって言われちゃった……」
ユウ「……どうしたら強くなれるの…?」
母「大丈夫よ、ユウ。あなたは今でも十分強いわ。」
母「これから先もお父さんみたいに強くなる。」
母「だから今はそのままでいいのよ。」
母「ユウが強くなればきっと、私の病気も治る。」
ユウ「……うん!僕、絶対に強くなる!!」
ユウ「そしてお母さんの病気を治すんだ!」
母「…ユウは優しくて良い子ね。」
母「……お父さんに似て、かっこよくなれるわよ。」
ユウ「なるよ!!僕、かっこよくて強い大人になる!!」
母「楽しみにしてるわね。」
前までは、“お父さんみたいな大人になりたい”って思ってた。
今ではそう思えることも、多分ない。
ユウ「………?」
目が覚めると、静まり返っていた。
時間帯はもう真夜中。
呆然と時計を眺めていたら突然父の悲鳴が聞こえた。
ゆっくりと両親の部屋に向かう。
ユウ「…おかあ……さん…?」
母「…」
その場に倒れているお父さんと、血まみれの包丁を持ったお母さんが立っていた。
お母さんが僕に気づいて手の力が抜け、持っていた包丁が落ちる。
母「………ユウ。」
母「……ごめん………ごめんね。ユウ…」
お母さんが僕を見た途端、泣き崩れてゆっくり座り込む。
僕はお母さんの近くに駆け寄って優しく慰めるように抱きつく。
ユウ「お母さん、泣かないで。」
母「…ごめんね。ごめんね………」
ユウ「大丈夫だよ。僕はずっと、お母さんの味方だから……」
母「ユウ……………」
謝り続ける母を強く抱きしめて慰める。
“次の日”
ユウ「いってきます」
母「いってらっしゃい。」
いつも通り学校に行き、いつも通り帰宅する。
その日からはお母さんと2人きりだけど、もう暴力も暴言もなくなり、幸せな気がした。
お母さんは僕の味方。
僕もお母さんの味方。
お母さんが幸せなら、もうなにもいらないんだ。
ユウ「お母さん、いってきます」
母「……ユウ。今日は早く帰ってきてね。」
母「…………いってらっしゃい。」
ユウ「…?わかった。」
(パタン…)
今日も学校に行く、でも………
何故か“今日だけ”は幸せな気がしなかった。
ユウ「…今日は友達ができたんだ!
遊んでからその友達のことをお母さんに話そう!」
ユウ「………そう言えば、早く帰ってきてって言われたけど………どうしてだろう?」
ユウ「…」
初めてできた友達と遊びたい気持ちは満々だったけど、お母さんに言われたことを思い出して先に家に帰ろうと、いつもの帰り道を通る。
玄関を開けようと、ドアノブを握る。
(ガチャンッ)
鍵が閉まっていて、ランドセルから鍵を取り出して開ける。
(ガチャッ )
ユウ「ただいま!」
中に入ると、いつもは迎えてくれるお母さんが“今日だけ”はきてくれなかった。
それに、やけに静かな時間が続く。
時計の針が動く音が聞こえる。
( チクタク チクタク )
お母さんの部屋に向かう。
ユウ「……おかあさん?」
そこには首を吊って宙にぶらりと浮いたお母さんの姿があった。
左右にゆらゆらとゆっくり揺れるお母さんと、倒れた椅子。
置き手紙のようなものが置いてあった。
喉が詰まり、吐き気がする。
手紙を持って外に出ると、さっきまで涼しかった風が冷たく感じた。
必死に手紙を読もうとするが、僕は字を読むのが苦手で、パニックになってることもありなかなか読むことができなかった。
たまたま通った警察官に話しかけられて事情を話し、親戚の人を呼ぶことになった。
葬儀を終え、その日から僕は親戚の人に引き取られた。
数年が経ち、17になった今でも母の最期に見た顔を覚えている。
いつでも忘れたことなんてなかった。
楽しい時も悲しい時も、母のことを思い出す。
「おい。また居眠りか?」
ユウ「……ん、……あ…すみません。」
ラテ「テスト前なんだから怠けるなよ〜。」
ユウ「…はい。」
リュ「せんせ〜!ユウくんはテスト前とか関係なく怠けてると思いま〜す!」
ユウ「うるせえ…!やめろバカ…!!」
ラテ「そう言うお前も、さっき寝てたのバレてるからな〜。」
リュ「げ、バレてたのかよ………」
ユウ「おつ。」
ラテ「とにかく、もうすぐ卒業なんだからしっかりやれ。」
リュ「はぁーい。」
当然成績も悪く、低クラスに入れられた。
クラスにはたった数人程度のクラスメイトがいた。
コイツ(リュ)とは違ってまだ俺が1番マシな方らしい。当たり前だけど。
ユウ「今日は寄り道でもして帰ろう。」
ユウ「確か近くにカフェが………」
ユウ「…!」
目の前に座り込んでいる隣の学校の女子生徒がいた。
ユウ「………なー、ちょっと退いてくれないか?通りにくいんだけど。」
アス「……誰…」
ユウ「それは俺が聞きたいわ。」
ユウ「そんなとこで座り込んでどうしたんだよ。生理?」
アス「…………最低。」
ユウ「……」
アス「……男って…やっぱりみんなそうなんだ。」
ユウ「…はぁ?」
アス「………男なんて……きらい。」
ユウ「…………」
ユウ「……俺だって女は嫌いだ。」
ユウ「………すぐ勝手なことばっかりだし。」
ユウ「……1人にするんだ。」
アス「…………」
ユウ「…とりあえず、そこ退いて。」
アス「……本当に、女性が嫌いなの?」
ユウ「あぁ。」
アス「………さっき小学生くらいの女の子達のことめっちゃ見てたのに?」
ユウ「は!?見てねえよ!!」
アス「見てたじゃん。ロリコンなの?」
ユウ「違っ!!ロリコンじゃない!!」
アス「………やっぱ男って怖い。」
ユウ「やめろ!俺はそんなじゃないから!!」
ユウ「……あーーー、俺女嫌いだけど……」
ユウ「特にお前みたいなやつ。嫌いだ、!」
アス「…ならもう退かない。」
ユウ「めんどくさいタイプかよお前…」
でも、何故か……誰かに似てる。