テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
アス 過去
,※性的犯罪行為
「⚪︎⚪︎ちゃんの1番下の妹さんって、可愛げあるけどわがままばっかりの男たらしらしいよ」
「え!?そうなの!?」
「普通にいい子そうに見えたんだけど…今時の中学生女子怖〜い…!」
「て言うか、2番目の妹さんもやばいって聞いたんだけど…
なんかヒステリックですぐ病むんでしょ?」
「らしいね〜、……あ!⚪︎⚪︎ちゃんだ!」
「ねえねえ!3人で一緒に帰らない?」
。
アス「……お母さん、私水泳やってみたい」
アス「授業の時には1番早く泳げて、先生にも褒められたんだ」
アス「……だから…その_」
母「何を言ってるの?」
アス「…え?」
母「あなたは中学生にして発育も良くなってきてるんだし、
水泳なんてやったら男から変な目で見られるだけよ。」
母「それにお金もかかるし…私1人の稼ぎじゃ生活できなくなっちゃうのよ?」
アス「……えっと…でも、あの……」
母「そうだ!アスは絵描くの昔から得意でしょう?そう言うのだったらやってもいいわよ」
母「お母さん、協力するわ!」
アス「………お母さん、でも…」
母「…アス。」
アス「…………うん、」
私は昔から運動が得意で、特に水泳が大好きだった。
水泳の成績はトップ。
先生や学校のみんなにも褒めてもらった。
ただ、お母さんだけは違った。
女子「山野先輩って絵上手なんだ…」
女子「アスちゃんは上手なんて程度じゃないよ!コンクールで一位取ってたんだよ!」
女子「えっ、そんな人がうちの学校にいたんだ…すご〜」
“女子生徒達の話し声”
アス「……」
先生「山野さん、描けたかな?」
アス「あ、はい…!描けました…」
先生「…うん。流石だね。今回も飾らせてもらってもいいかな?」
アス「わかりました。ありがとうございます」
男子「スゲー、この辺に飾ってある絵って全部うまいよな〜」
男子「最近飾られるのは二組の山野が描いてる絵がほとんどらしいな。」
男子「マジか…山野ってすげーんだな…」
男子「…なあ、ちょっとイタズラ程度で遊ばね?」
男子「はぁ?俺は怒られるの勘弁なんだけど。」
男子「んなら見とけ!」
男子「……何すんだよ…?」
“筆に絵の具をつける”
男子「……は…お前、まじかよ…!」
“女性の絵画に落書きをする”
男子「ふ、ふははっ…!見ろよこれ!」
男子「傑作だろ?」
男子「馬鹿かお前………ふ、はははっ!」
男子「まあでも…確かに傑作だな…笑」
先生「お前ら!何をしている!」
男子「うげっ!?」
アス「……あ、」
先生「それは山野が今度コンテストに出す絵だぞ!?」
男子「…すみませんでした……」
アス「……いや、大丈夫。
先生も…大丈夫ですよ。これくらいなら…」
アス「拭き取れますし、最悪は描き直します。」
「え〜?笑 男子生徒に落書きされたの?笑」
「らしいよ〜。まあちょっといい気味だよね」
「アヤちゃんもこんなだらしない妹がいて可哀想〜。」
アヤ「うーん。そうだねー。」
アヤ「…」
(ガチャ)
アヤ「ただいま〜。」
母「あら、お帰り」
母「晩御飯は…」
アヤ「いらない。」
(パタン)
母「………」
(ガチャ)
アヤ「……アス、邪魔。スペース取りすぎ。」
アス「…ごめん。ルイ姉さんは?」
アヤ「知らないし、アンタがまた余計なこと言って出て行ったんじゃないの?」
アス「……」
アヤ「……てか、アンタのせいで友達にうざいこと言われたんだけど。」
アヤ「は〜あ。もっと可愛げある妹達が欲しかったな〜。」
アス「…」
アヤ「そういえばさ〜、お母さんにまた“水泳やりたーい”とか言ったんでしょ?」
アヤ「…どうせ男に身体見せたくてやりたがってんでしょ?笑 お母さんにそんな理由で言えないもんね〜?」
アス「!…違う!」
アヤ「はぁ?どこが?
うちのクラスでみんなアスは男たらしって言ってるけど?」
アス「え?…」
アヤ「ほんとキモい。お姉ちゃんとして恥ずかしい。」
アヤ「妹なんていらなかったのに。」
アス「…」
姉さんは多分、いや絶対。
私ともう一個上のルイ姉さんを嫌ってる。
ルイ姉さんはほとんど部屋から出ることはなく、トイレの時だけにリビングにくることがある。
私とお母さんはルイ姉さんの精神に害を与えないようにそっとしている。
女子「ねえ、アスちゃんって彼氏作りとか興味ない?」
アス「え、彼氏ですか…?」
女子「うん。今度の体育祭の後に打ち上げするんだけど、
その時に彼氏作るって言う女子達が沢山いるんだよね。」
アス「……なるほど、」
女子「どう?うちのクラスの男子達、イケメン多いよ」
アス「…行ってもいいんですか?後輩の私なんかが……」
女子「アスちゃん体形的に同い年に見えるから多分気づかれないよ」
アス「なら……行きたいです…!」
女子「ナイス!体育祭の後に体育館集合ね!」
アス「はい…!」
(ガチャ)
アス「お母さん…ただいま…」
母「アス、お帰りなさい。ちょっといい?」
アス「どうしたの…?」
母「私来週から予定があってしばらく家にいないから、お姉ちゃん達と家に居てね。」
アス「…え、……え?でも……」
アス「……来週は…体育祭があるんだよ…?」
母「あら、そうだったわね。」
母「でもいいでしょう?どうせあなたが一位取って勝つんだから。」
アス「………」
アス「どうしても、予定変更できないの…?」
母「そうねぇ。彼氏が出来たのよ、私。」
アス「…え?」
母「だから彼と旅行に出かけるの。」
母「もしかしたらあなたのパパになるかもなんだし、また紹介するわね。」
アス「……………」
母「ね?アス。」
アス「……うん。」
お母さん。
お母さんは、私の頑張ってる姿を見たいなんて思わないんだ。
きっと、興味がないんだろうな…
昔からずっと………
ずっと。
(ガチャ バタンッ………)
アス「!……」
アヤ「はぁ、本当に有り得ない。」
アヤ「お母さんなんて大嫌い。」
アス「…」
アヤ「何見てんの?キモ。」
アス「…え?あ、……ごめ…」
アヤ「もう嫌。みんな死ねばいいのに。」
アス「…………」
母「アス、アヤちゃんに晩御飯持って行ってくれない?」
母「私怒られちゃって…」
アス「…でも、晩御飯いらないって言ってたよ、お姉ちゃん。」
母「…」
母「……そう。」
アス「じゃあ…私が食べるね…」
アス「ちょうどおかわりしたかったし…」
母「ダメよ。」
“ゴミ箱に皿の中身を捨てる”
アス「………え…?」
母「そうだ。今日もルイちゃんにご飯持ってってもらえる?」
アス「……あ、……わかっ…た。」
“ノック”
アス「ルイ姉さん……今日はご飯…食べれる?」
…
アス「………ここに、置いとくね…」
(……ガチャ)
アス「…あ、」
ルイ「…………アスちゃん。」
アス「る……………ルイ…姉さん。」
“アスの腕を掴む”
アス「!」
腕を掴まれた衝撃でお盆が落ち、食器が割れて散らばる。
アス「姉さん…やめて…!」
ルイ「………アスちゃん。アスちゃんアスちゃんアスちゃんアスちゃん。」
アス「…やだ………やめて…離して…!」
ルイ「アスちゃんアスちゃんアスちゃんアスちゃんアスちゃんアスちゃんアスちゃんアスちゃんアスちゃんアスちゃんアスちゃんアスちゃんアスちゃん。」
恐怖でルイ姉さんの顔が見れない。
私の腕を握る手が段々強くなり離さない。
じわじわと痛みが腕に走る。
アス「やめてってば!!」
“振り払う”
ルイ「…」
アス「…………あ」
アス「…ご………ごめっ…!ごめんなさい…
ルイ姉さん…ごめんなさい…」
顔を背けながら謝るが返答が来ない。
ゆっくり視線を姉さんの方に向けようとする。
…
私を鋭く睨みつける姉さんの顔が暗闇から見える。
怖くなり、咄嗟に階段を降りて自分の部屋へ戻る。
アス「…は……はぁ……は……っ」
息が途切れながら、疲れてそのままベッドに転がる。
気づいたら眠っていた。
昨日の出来事が頭から離れない。ルイ姉さんの目。
私を睨みつけてきた…あの目。
先輩「アスちゃん!もう明後日体育祭だね〜!どう?緊張してる?笑」
アス「あ、先輩…!」
アス「はい……ちょっとだけ…緊張してます、」
先輩「あはは!アスちゃん運動神経いいんだから、きっと上手くいくよ!
頑張ろー!」
先輩「それに、その後の打ち上げもね!」
アス「……はい!」
ついに体育祭当日。
リレー、綱引き、騎馬戦も障害物競走も全部勝てた。
もちろんお母さんは見に来なかった。
友母「アスちゃんの組はすごいねぇ!全部勝利しちゃって〜!」
女子「でしょ!勝てたのはほぼアスちゃんのおかげだよ!」
アス「そんなことないよ。みんなで頑張ったおかげなんだから」
男子「何惚気てんだよ!次玉入れだろー!ほら行くぞ!!」
女子「惚気てないですー!行こアスちゃん!」
アス「…うん…!」
『結果を発表します_』
『二年二組 勝利』
こうして無事に体育祭は終わった。
私は先輩に言われた通り、体育館に向かった。
アス「……先輩!遅れてすみません…!」
先輩「大丈夫だよ!まだ来てない子達結構いるし、始まるの後15分後だから!」
アス「よかったです…!」
先輩「ほら、来たよ!男子達が」
アス「……本当だ…」
先輩「多野くん!こっちこっち!」
アス「…?」
マキ「あ!⚪︎⚪︎さん!」
先輩「アスちゃん、この人は多野マキくん」
マキ「初めまして、話は聞いたよ。山野さんだよね!今日はよろしくね」
アス「よ、…よろしくお願いします…多野…先輩」
マキ「先輩呼び?⚪︎⚪︎さん、もしかして山野さんって後輩?」
アス「あ…」
マキ「まあ僕は別になんとも思わないんだけど…笑」
マキ「全く…他の奴らに山野さんが後輩ってバレたら先生にも怒られますよ〜?」
先輩「ごめんごめん!」
マキ「ってことだから山野さん、僕のことは先輩付けなくてもいいよ」
アス「わかりました…多野…さん……?」
マキ「そうそう!でも…“君”の方が良かったな〜…なんて!」
先輩「え〜?なになに〜?多野くん、アスちゃんのこと好きになっちゃった?」
マキ「⚪︎⚪︎さん、うるさいです」
アス「……多野くん………よろしくお願いします…」
マキ「…え!?無理に呼んでくれなくてもいいんだよ…!?」
先輩「なんかいい感じ〜、お邪魔だから私友達のところ行ってくるね」
先輩「お楽しみに〜!笑」
マキ「あ、⚪︎⚪︎さん!」
マキ「あの人すぐ茶化すんだから…
ごめんね?山野さん」
アス「…あ、あの……」
アス「私のことも……“ちゃん”って呼んで欲しいです…」
マキ「え、…え!い、いいの…!?」
マキ「わかった!!よろしくね、!!アスちゃん!!」
マキ「……あ、ご、ごめん…!名前で呼んじゃった……や、山野さ_」
アス「…よろしくお願いします、マキくん……」
マキ「………う、」
マキ「うれしい……!!」
この日がきっかけで、多野先輩…マキくんと仲良くなった。
よく一緒に下校し、一緒にお昼を過ごす。
マキくんは優しくて、肯定もしてくれて、たくさん褒めてくれる。
私の………“初恋の人”
マキ「アスちゃん!一緒に帰ろ〜!」
アス「あ、マキくん…もちろんです…!」
マキ「それにしてもさ、アスちゃんって三年の中で結構話題なんだよ〜」
アス「えっ、そうなんです_」
アス「………か…」
突然姉さんに言われたことを思い出した。
『うちのクラスでみんなアスは男たらしって言ってるけど?』
アス「…………」
マキ「…アスちゃん?」
アス「!……すみません…ちょっと考え事してて……」
マキ「……そっか」
マキ「…あ僕こっちだから!じゃあまた明日ね!」
アス「あ、……また、明日……」
(ガチャ)
アス「…ただいま。」
アヤ「アス、私今日友達の家に泊まってくるから。」
アス「え?……そんないきなり…」
アス「それにお母さんは…帰ってくるまで泊まりはダメだって……」
アヤ「はぁ?別にいいでしょ?」
アヤ「あんたさぁ、全部アイツの言う通りにして、しんどくならないわけ?」
アヤ「キモすぎ。あんたはお父さん似なんだ。」
アス「………」
(バタン……)
……私にはお父さんがいない。
正確にはいなくなった。
お父さんはお母さんが大好きで、なにもかもお母さんに従ってたらしい。
………私は…したくてしてるんじゃないのに。
“階段を降りる音”
アス「………」
アス「…?」
アス「…あ。」
ルイ「…………アスちゃん。」
アス「…るっ……ルイ姉さん…」
ルイ「…何してるの」
ルイ「ねぇねぇ。ご飯は」
アス「今……作ってて………」
アス「もう…できるから…!」
ルイ「………」
ルイ「…アヤちゃんは」
アス「あ、姉さんは……今家に居なくて…」
ルイ「………」
ルイ姉さんは料理をする私をじっと無言で見つめる。
恐怖で背筋が凍りつく。
アス「………はい、出来たよ。ルイ姉さん…」
ルイ「…」
無言で料理の乗ったお盆を持って二階へ上がって行く。
心臓の音がバクバクと耳元で煩く鳴る。
アス「……よかっ……たぁ、…」
安心で力が抜ける。
ルイ姉さんは本気で怒れば殺す勢いで襲いかかってくる。
この間の“あれ”もきっと、抵抗してなければ私は殺されていたかもしれない。
マキ「アスちゃん!」
アス「マキくん…」
マキ「今日ね、料理実習したんだ〜!」
アス「…マキくんは料理上手そうですね」
マキ「え、そう!?えへへ、アスちゃんにそう言ってもらえるの…嬉しいなぁ……」
マキ「………でも、アスちゃんの手作り料理も…食べてみたいかも。」
アス「…!」
アス「えっ?…わ、私のですか…?」
マキ「うん……ダメ…かな?」
アス「い、いや…!嬉しい……です…!」
アス「絶対…作ります…!」
マキ「ほんと!?楽しみにしてる!!」
嬉しい。マキくんが私の手作りを食べたいと言ってくれるなんて…夢にも思わなかった。
もしかしたらマキくんも私のことを………
なんて、たまたまかな…?
マキ「にしても、最近本当に暑いよね〜…」
マキ「僕は春が好きなんだよな。」
マキ「早く来年の春来ないかな〜」
アス「………私は…」
アス「…私は、春になって欲しくないです…」
マキ「………どうして?」
アス「……マキくんが…………いなくなるのは、寂しいので。」
マキ「…!」
マキ「えっ、え!?それ……って…」
アス「………マキくん。また明日ね」
マキ「……う、うん…!また…明日…!!」
(ガチャ……)
アス「ただいま_」
アヤ「だからぁ!!」
アス「…」
アヤ「気持ち悪いんだよ!!」
ルイ「……アヤ…ちゃん…」
アヤ「キモいキモいキモい…!!!」
アヤ「気安く呼ばないでよ!!」
アス「……姉さん…?」
アヤ「男のくせに。」
ルイ「…」
(バタンッ‼︎……)
アス「………ルイ…姉さん……」
ルイ「…アスちゃん。」
ルイ「アスちゃんも…………アスちゃんも私を気持ち悪いと思ってるの?」
アス「…」
ルイ「ねぇ?」
アス「おもっ…てな……」
ルイ「…」
ルイ「嘘。」
ルイ「思ってるんでしょ?」
“刃物を取り出す”
アス「ルイ………姉さん…」
ルイ「いいよ………もういいよ…!!!!」
アス「…やめ、!やめて……!!」
…
「……起きろ。」
アス「…ぅ、」
アヤ「さっさと起きろよ。」
アス「……姉さん…」
アヤ「…………あんなんで気絶してんの?だっさ。」
アス「………」
そうだ。私、気絶して……
アヤ「明後日にはお母さん帰ってくるらしいから。部屋綺麗にしな。」
アヤ「私のスペース取らないでよ。」
アス「…うん、ありがとう。姉さん。」
アヤ「はぁ?何が。」
アス「………ううん。なんでもない…」
目覚めたところは自分のベッドの上だった。
きっと姉さんはわざわざ運んでくれたのかな…
私のことを嫌ってても、こうやって面倒なこともしてくれるんだ…
アス「………」
先生「山野さん、ちょっといい?」
アス「…はい」
先生「今度のコンテストなんだけど………」
女子「………」
女子「ねぇねぇ、山野ってさぁ…自分がすごくて偉い〜って思ってそうだよねぇ。」
女子「二年のくせに……」
男子「ふはっ!わかるわ〜。うざったいよな」
女子「そうだ…私いいこと考えちゃった」
女子「あんたさ、⚪︎⚪︎達と絡みある?」
男子「んー、俺はあんまないけど、俺の弟なら⚪︎⚪︎達のパシリにされてるらしいぜ笑」
女子「ナイス〜。いいカモになるよ、これは」
マキ「…いたいた!アスちゃん!」
アス「マキくん、どうしました?」
マキ「アスちゃんの絵見にきた!」
マキ「相変わらず上手だね……!」
マキ「僕も絵描けるようになりたいな〜、」
アス「………描けますよ」
マキ「え!?そ、そうかな!!でも僕絵描いたことないし…下手くそだと思うし……」
アス「そんなのは関係ないです」
アス「…絵は、想いがこもっていれば、誰が描こうと素敵な芸術になるんですよ」
アス「なので下手とか関係ないんです。」
マキ「………アスちゃん…」
マキ「うん、……うん!僕も描いてみる!」
マキ「…せっかくだし、アスちゃんのこと描いてみようかな〜!」
アス「え、ほんとですか…?嬉しいです…」
アス「なら私も…マキくんのこと描きます…!」
マキ「やったー!じゃあ一緒に描こう!」
アス「はい…!」
マキ「じゃーん!できたよ!アスちゃん!」
アス「…ふ、……あははっ…!」
マキ「え…!?な、なに!?」
アス「いや、かわいいですよ…笑」
マキ「え〜!?じゃあなんで笑ってるの〜!」
アス「ふふ…笑」
マキ「………でも、アスちゃんがそうやって笑ってるところ…初めて見たかも…!」
マキ「…僕、好きだなぁ……アスちゃんが笑ってる顔………」
アス「…えっ?」
マキ「……あ、!えっと!!…あ、…あ」
マキ「そうだ!アスちゃんは描けた?」
アス「……か、描けました…!」
マキ「見せて見せて〜!!」
“スケッチブックを見せる”
マキ「わ、すごい…!!僕だ!!」
マキ「でも僕、こんなかっこいいかな…?笑」
アス「…マキくんは……この絵なんかよりもずっとかっこいいです……」
マキ「……へ、!?ほ、ほんと、!?」
マキ「えへへ、嬉しい…」
アス「………マキくん、この絵あげます…!」
マキ「いいの…!?じゃあもらう!!」
マキ「あ、じゃあ僕も!この絵アスちゃんにあげる!」
アス「ふふ、ありがとうございます…!笑」
マキくんと一緒にたわいない話をして、一緒に笑って、一緒に帰る。
この時間がずーっと、続けばいいのに。
ずーっと……ずっと。
…
“筆をキャンバスの上で滑らす”
アス「………」
アス「……あ、そろそろ帰らないと…」
マキくんは今日、用事があるから先に帰ってしまった。
私はいつものようにキャンバスに絵を描く。
立ち上がり、筆と絵の具で濁った水バケツを持って廊下を歩く。
アス「………今日はたしか…お母さんが帰ってくる日だったな………」
アス「……」
“蛇口の水で筆を洗う”
アス「………帰る前にトイレだけ行こう。」
“トイレを出て手を洗う”
アス「……」
…
アス「…?」
“入り口の戸が開く”
男子「お、タイミング良すぎ〜!」
男子「流石っす⚪︎⚪︎くん!笑」
男子「⚪︎⚪︎くん運の神ついてる〜!笑」
アス「……え、?」
女子トイレに男組3人が戸を開けて入ってくる。
蛇口から滴る水滴が響くと同時に入り口の戸が閉まる。
アス「………あ、あの…三年の方ですか…?」
アス「…ここ女子トイレなので……間違って_」
“アスの腕を掴んで壁に押し付ける”
アス「いっ……」
男子「間違ってねぇよ。“ワザと”だよ。“ワザと”。」
アス「…やめてください……!離して…!」
男子「おい、コイツの口塞げ」
男子「はい!ガムテ持ってきてます!笑」
男子「おー笑 準備いいじゃねえか。」
口にガムテープを貼られ、個室に引っ張られる。
ドアが閉まり、鍵がかかる音が聞こえた。
恐怖で頭が働かず、何も考えられない。
怖い。そう思うことしかできなかった。
男子「まず先にヤりたいやついるー?」
男子「じゃ、俺いっちゃっていいっすか!?」
男子「なら俺その次で!!」
アス「…ぅ……!んん…!!」
1人の男が私の前に立ち、制服を脱がし、スカートを捲る。
身体が言うことを聞かず動かない。
アス「ん……!……ん、う…!」
男子「すっげ〜!めっちゃ最高〜!笑」
男子「こいつ二年のくせにデケェし、いい女じゃん。笑」
男子「どうせ他の男ともヤってんだろ?」
男子「まあこの身体ならそうだろ!笑」
男達の話し声が聞こえるが内容が理解できない。
息ができない、苦しい、痛い、辛い。
怖い………誰か…助けて。
時間帯は16時を廻る。残ってる生徒も少ない。
それにここはすでに使われてない職員用トイレ。
先生が来るはずもない。
男子「じゃあ最後俺な。」
口に貼られたガムテープが外され、呼吸がしやすくなるのは束の間。
男は構わず私の口に性器を突っ込む。
さらに息が苦しくなり、吐き気がする。
身体中が熱い。
アス「…っゔ、……ん、うぅ……」
抵抗ができない。
気づけば男達はいなかった。
記憶がないがハッキリと覚えているのは3人の男にレイプをされたことだけだ。
苦しい、胸が引き締まる。
アス「………ぅ、……ぐ…………」
息ができない、声が出ない。助けを呼べない。
身体も動かない。
目の前がぼやけて薄暗くなる。
その場で倒れ込んでしまった。
…
「…」
アス「………?」
目が覚める。
身体が動くことに気づいて身を起こして座る。
場所は保健室。保健の先生と誰かの話し声が聞こえる。
アス「……」
“カーテンが開く”
リテ「あら、起きたのね。」
リテ「二組の山野さんよね?」
アス「……」
声は出ないままだ。
隣に座る見知らぬ先生が話しかけてくる。
返答することができない。
リテ「……声を出すのが苦手なのかしら?」
アス「…」
違う………苦手なんかじゃない。出ないだけなのに……
先生に伝えようと首を振る。
リテ「…?」
リテ「そう言うわけではないのね…?」
アス「…」
“頷く”
リテ「………ちょっと待っててね。」
先生は立ち上がって、机の上にある紙とペンを持って再び近くに座る。
リテ「あなたは女子トイレで倒れていたわ。
それにスカートも制服も着ないままで。」
リテ「なにがあったのか、ここに話せることを書いてくれる?」
“紙とペンを渡す”
アス「…」
女子トイレであったこと。思い出したくないのに嫌でも頭に浮かぶ。
私の一つのトラウマになり、思い出せば思い出すほど瞳が震える。
すごく怖かった。辛かった。痛かった。
ペンを持つも紙に文を書くことができない。
ただ一言、“声が出ない”それだけを伝える。
リテ「……」
リテ「…山野さん、声が出ない原因と、あなたは女子トイレなにがあったのか……」
リテ「それを書くことができない。」
リテ「……つまりあなたは苦しくなるほどのトラウマがあの場で起きたのね。」
アス「…」
リテ「………場所を変えましょうか。」
リテ「ここだと余計話しづらいでしょう?」
リテ「立てる?」
私は先生の言うままにふらふらと立ち上がり、保健室を出た。
先生についていく。
着いた場所はカウンセラールームだった。
リテ「無理にとは言わないわ。
できるだけ声を出してみてくれない?」
アス「…」
アス「………ぁ、……う、」
リテ「…そう、ゆっくりでいいわ。」
リテ「深呼吸して、話してみて。」
アス「………せ…」
アス「…せん………せ、」
アス「……先生…………」
リテ「……」
気づけば涙がボロボロと溢れていた。
喉の奥が熱くなる。
リテ「………ねぇ、私にだけ話してくれないかしら。」
リテ「あの場で、何が起きたのか。」
アス「………ぅ、う…」
私は先生にできる限りを尽くして全て話した。
無理矢理男達に襲われ、レイプをされたこと、痛みと苦しみで身体も動かず声も出なかったこと。
全てを、先生に話した。
リテ「………酷い話ね…」
アス「…先生………私………怖いです…」
アス「………男性が……………怖いです……」
リテ「……そうね。」
リテ「あなたはよく頑張ったわ。」
リテ「……それと、その男子生徒達のことをもう少しわかる範囲で教えてもらえる?」
リテ「もしかしたら………検討がつく。」
その日は全て先生に話し、帰ることになった。
次の日になったら親を呼ぶ。そう先生に言われた。
(ガチャ)
アス「…」
頭から男達の声、体の感触、何一つ離れない。
ベッドに入り、布団に包まる。
アス「……………」
(ガチャ)
玄関のドアが開く音が聞こえた。
きっとお母さんが帰ってきたんだ。
母「ただいま〜」
母「アス〜?アヤちゃ〜ん?」
(ガチャ)
私達の名前を呼ぶ声が聞こえ、部屋のドアを開けられる。
母「あら、アヤちゃんはまだ帰ってないの?」
母「…まぁいいわ、」
母「アス、紹介したい人がいるの!
こっちへ来て!」
お母さんは私を布団から引っ張り出し、リビングへ無理矢理連れて行く
アス「……」
母「今日からあなたの新しいパパになる⚪︎⚪︎さんよ!ほら、挨拶しなさい!」
アス「…!」
男性「アス、初めまして。新しいパパだよ。」
アス「……………………………」
男性「アスはすごいねぇ。中学二年生なんだろ?」
男性「ふぅん………いい身体付きだね。」
アス「………ゃ、」
男性「…ん?」
アス「………………嫌…」
アス「嫌…!!!嫌、嫌嫌嫌嫌嫌!!!!!!」
アス「気持ち悪い……気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!!!!!」
目の前に立つ男の視線が私の身体をじっと見つめ、恐怖で目の前が揺らぐ。
息ができないくらい苦しくなり、声を荒げる。
母「あ、アス!?何を失礼なことを…!!」
母「今すぐ謝りなさい!!」
男性「………な、なんなんだ…」
アス「やだ、嫌だ……嫌嫌嫌嫌……!!ぅ、ゔ」
アス「ぉ゙え、っ……ぅ”……ぐ、」
吐き気が喉までくる。咄嗟に手で口を押さえ、走って部屋に戻る。
紙袋を取り出し、中に吐く。
アス「ぅえ゙っ……はぁ゙………んっ……お゙ぇ”」
アス「………ぅ、ぐ」
アス「はぁ………はあっ…は、……」
ようやく少しづつ落ち着き、呼吸を整える。
その日は何も食べず、ベッドの中に入り込んで眠りについた。
目が覚めると朝の4時過ぎ。
お母さんや姉さん達は寝ていた。
私は制服を着て、カバンを持って外に出る。
その辺の野道を散歩して、段差に座って時間を潰す。
気づけば7時になり、学校へ向かう。
きっと私は……いや、絶対に私は
“男性恐怖症”だ。
学校で門の前に立つ男性の先生、教室前でふざけていたり、ただ廊下を歩くだけの男子生徒達。
年齢問わず、誰であろうと関係なく、男性が視界に映るだけで身が震えて吐き気が襲う。
できるだけ前を見ずに下を向き、カウンセラールームに向かう。
“ぶつかる”
アス「…!」
先生「山野、ちゃんと前を向いて歩かないと危ないだろ?」
アス「………………っ!」
先生「や、山野!!」
先生「…?」
“ノック”
アス「…」
(ガラガラ……)
リテ「…あら、山野さん。いらっしゃい。」
先生が戸を開け、優しく迎えてくれる。
中に入って机の前に置かれた椅子に座る。
リテ「当たり前だけど、この学校は女子生徒よりも男子生徒の方が多いから…」
リテ「登校もキツかったでしょう?
頑張ったわね。」
アス「…はい。」
リテ「昨日と何か変わったこととかあった?何かをしたらマシになったとか…」
アス「……男性を見ると…吐き気がして………」
アス「怖くて……呼吸ができないです…」
リテ「………一度病院で診察を受けて、症状を調べましょう。」
リテ「多分あなたは“男性恐怖症”。」
リテ「普通の人は男性と話すことができない、男性が怖い。そう思うでしょうけど、」
リテ「あなたの症状はきっと重症ね…」
アス「……」
リテ「親御さんの連絡先を教えてもらえる?」
リテ「一度山野さんのお母さんに相談をしてみましょう。」
先生の言う通り、やっぱり私は“男性恐怖症”、それに重症。
通常の症状よりも酷いらしい。
お母さんの連絡先を紙に書き、先生に渡す。
リテ「山野さん、今日はお母さんを呼んで相談をしたらそのまま帰りましょう。」
リテ「こんな男性だらけの場所にいるなんて耐えられないでしょう。無理に授業を受ける必要はないわ。」
アス「………はい、ありがとうございます…」
リテ「安心してね。私はいつでも山野さんの味方よ。」
リテ「こう見えて私柔道とか習ってるのよ。あなたに何かしようとする奴がいたら私がぶっ飛ばしてあなたを守るわ。」
優しく微笑む先生を見て少し安心する。
先生も見るからに若いのに、私の味方をして守ってくれようとする。
母「どうも、アスの母です。」
リテ「わざわざ忙しい中ありがとうございます。」
リテ「少し山野さんについてのご相談があるのですが、よろしいですか?」
母「はい。もちろんです。どのようなご相談で?」
アス「……」
先生は私が言われたくないことを避けて、お母さんに“男性恐怖症”のこと、“病院で診察を受けた方がいい”と言うこと。
全てを話した。
母「………失礼ですが、そんなはずありません」
アス「……え?」
リテ「…それは、何故ですか?」
母「昨日、アスは私の新しい旦那さんを紹介した時に喜んで受け止めてくれました。」
アス「…お母…さん………何言って_」
母「そうでしょう?アス。」
母「嬉しそうにしながら“お父さん大好き”って抱きついてまでしちゃって」
母「そんな子が、男性恐怖症なわけありません。」
リテ「……」
アス「…」
違う…こんなの出鱈目………
私は怖くて吐き気までして……息もできなくて…!!
リテ「そう…ですか。」
アス「!……」
そんな…先生………
違う…私はそんなこと言ってない……
そんなことしてない……
母「話はそれだけですか?」
リテ「………」
リテ「はい。」
母「じゃあアス、帰るわよ。」
アス「お母さん…………まっ…て、」
リテ「あの、山野さんだけ、もう少し私と2人でお話しいいですか?」
母「………」
アス「…先生……」
母「…時間がないので、失礼します。」
アス「………」
リテ「……山野さん。大丈夫。」
リテ「絶対に…信じてるから。」
アス「………ありがとうございます…」
お母さんに連れられ、家に帰宅する。
先生が信じてくれてよかった。
嘘を見抜いてくれて…よかった……。
“リテ 視点”
リテ「……」
“チャイム”
犯人は大体誰だかわかった。
校内で有名な不良の男子生徒達。
女子生徒との性行為、レイプ、問題行動、様々起こし続けているらしい。
去年、彼らに妊娠させられたと言う女子生徒の情報もある。
絶対に今回でそんなことできないように、
私が説得する。
(ガチャ)
リテ「…!」
不良母「はい。どなたですか?」
不良母「すみませんが、セールス販売はお断りしているんで。」
リテ「私はお宅の息子さんが通っている学校のカウンセラーをやっておられます。」
リテ「少しお話し伺ってもよろしいですか?」
不良母「………」
不良母「それで?うちの⚪︎⚪︎がどうかしました?」
リテ「彼は去年から他の男子生徒2人と共に不同意の性行為を女子生徒に対し行ったと言うこと、ご存知ですか?」
リテ「二年生の山野アスと言う女子生徒が、息子さんからの被害に遭ったと訴えておりました。」
不良母「……」
リテ「その点について、詳しくお聞きしたいのですが。」
不良母「……何を言うんです?」
不良母「うちの子はまだ中学三年生ですよ?
そんな子が、女子生徒に手を出すと思います?」
リテ「はい。私も信じ難いですが、被害に遭ったと言う女子生徒からの訴えが何件もあるので事実かと。」
不良母「証拠は?」
リテ「…はい?」
不良母「その不同意性交の証拠はあるんですか?」
リテ「ですから、女子生徒からの訴えが何件も……」
不良母「そんなの証拠にならないですよね?」
不良母「もし本当にうちの子がそんなことをしたと言うなら、実際にしたという明確的な証拠を用意してもらえます?」
リテ「…」
不良母「どうせないのでしょう?」
リテ「…………」
リテ「息子さんを呼んでもらえませんか?」
不良母「はぁ?呼んだところで変わりません。」
男子「…母ちゃんうるせえよ。」
男子「……は?誰?」
不良母「⚪︎⚪︎!」
リテ「……⚪︎⚪︎さん、少しお話しが。」
私は彼にも同じことを話した。
男子「は?何言ってんだよオバさん。」
リテ「…」
男子「俺がそんなことするわけねぇだろ?」
男子「根拠もないのによく言えるな。」
不良母「ほら、言ってるでしょう?もうお引き取りください。」
リテ「……そう、どうしても認めないのね。」
男子「当たり前だろ。やってねぇし。」
リテ「………ならこれを見てもらえるかしら?」
“スマホを取り出して動画を再生する”
男子「…?」
不良母「…」
男子「………!?」
男子「は、!?は……はぁ!?」
そこにはがっつりと彼の写った顔と、女子生徒を無理やり縛り付けてレイプをしている姿が撮影されていた。
リテ「これは去年撮ったものらしいです。」
男子「お前……!!!それ…っ!どこで……」
リテ「あら、覚えていないの?」
リテ「あなたのお友達が撮影したのよ?」
リテ「そうでもないと⚪︎⚪︎さんがこっちを向いてピースなんかするわけないでしょう?」
男子「………くそが…!!」
不良母「…………」
リテ「不同意性交は犯罪です。これは警察に出させてもらいます。」
不良母「ま、!待って…!!」
不良母「いくら…?いくらなら警察には黙っててくれるの!?」
リテ「……はい?何を言ってるんですか?」
不良母「お金ならいくらでも出すわ…!!だから警察だけには…!!」
リテ「私は金に目が眩むほどの人間ではありません。」
リテ「それに、これから女子生徒達に被害が遭わなくて済むと考えたら金なんて安いものです。」
リテ「では失礼します。」
録画された動画は警察に提出し、すぐに削除した。
動画をくれた本人達にも削除することを言い、ほとんどやることを終えた。
残りは山野さんの親御さんを説得。
“アス 視点”
アス「………」
机の中に手紙が入っているのを見つけた。
宛先は書いてない。
“放課後、理科準備室で待っていて欲しい。”
その一言だけだ。
放課後のチャイムが鳴り、理科準備室に向かう。
少し不安混じりで足元が震える。
マキ「……アスちゃん…!」
アス「…!!」
マキ「…昨日から元気なさそうだし、全然一緒に帰れてないし……心配だったんだ…」
マキ「もう大丈夫?」
アス「…」
マキ「……あ、あのね、アスちゃん……」
マキ「僕………アスちゃんのこと……」
マキ「好きなんだ。」
アス「…………………………………」
マキ「だから…付き合って欲しい_」
アス「気持ち悪い。」
マキ「………………え?」
嫌だ…………好きなのに………好きだったのに
なんで…?
怖い………気持ち悪い………吐き気がする。
息ができない。苦しい。辛い。
怖い怖い怖い怖い怖い。
アス「怖い…………嫌……」
マキ「アス……ちゃん…?」
アス「気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い」
アス「気安く呼ばないで…!!!!」
“走って教室を出る”
マキ「アスちゃん…!!!まって…!ごめん…!!」
マキ「………………………」
もう嫌だ……
なにもかもめちゃくちゃで………怖くて……
……何を見ればいいのかもわからない…
好きな人も…あの“トラウマ”のせいで好きじゃなくなった……
苦しいよ……誰か………
助けて。
…
「うちのクラスの不良、1週間くらい来てなくない?
不登校になってんじゃん笑」
「本当にね〜。前まではイキってたくせに笑」
「そう言えばアイツ、アヤちゃんの妹さんに手出したんだって〜!笑」
「え!?そうなの!?笑」
「でもまぁ自業自得だよねぇ、あんな身体で男たらしなんだし…笑」
「確かに〜!笑」
「てか、その噂どこから聞いたの?」
「隣のクラスの男子から噂回ってきただけだからよくわかんないけど、」
「どうせ多野でしょ」
「あり得る〜!あいつ噂話好きだし、不良とも前まで仲良かったらしいし〜笑」
「だよね〜笑 ヤリモクで彼女作りまくってたし、⚪︎⚪︎も騙されたらしいよ?笑」
「ヤバすぎ!笑」
アヤ「…………キッモ。」
アス「………お母さん。私女子校に行きたい。」
母「はぁ?近くに女子校なんてあるわけないでしょ?」
アス「…」
母「アス、あなた最近おかしいわよ。」
母「水泳やりたいとか、男性が怖いとか、パパにも失礼なこと言っちゃって……」
母「それに今では女子校?いい加減にして。」
母「転校する余裕なんてないし無理よ。」
母「冗談ばっかり言ってないで、勉強して、趣味の絵でも描いてコンテストに出なさい。」
母「ね?アス。」
アス「…」
アス「………」
(ガチャ)
アス「……」
“ビンタ”
アス「!……」
アヤ「キモいんだよ………」
アヤ「うちのクラスの男子とヤったんでしょ?」
アヤ「本当に気持ち悪い。あんたなんか妹じゃない。」
アス「…」
アス「………」
苦しい
“座り込む”
アス「……」
私は何をしているんだろう。
お母さんのことも説得できないし、何もかも言いなり。
姉さんも私のことなんてもう他人としか見てくれない。
アス「…」
涙が止まらない。
先生………助けて………
もう嫌だ……
「………なー、ちょっと退いてくれないか?通りにくいんだけど。」
アス「…!」
男の声………見かけない顔……
男性のはずなのに……なぜか息が苦しくない…
でも、少し怖い……
本当に…男性…?
キツネ…?犬?…人間のじゃない耳が生えてる……
アス「……誰…」
ユウ「それは俺が聞きたいわ。」
ユウ「そんなとこで座り込んでどうしたんだよ。生理?」
アス「…………最低。」
ユウ「……」
アス「……男って…やっぱりみんなそうなんだ。」
ユウ「…はぁ?」
アス「………男なんて……きらい。」
ユウ「……俺だって女は嫌いだ。」
ユウ「………すぐ勝手なことばっかりだし。」
ユウ「……1人にするんだ。」
アス「…………」
ユウ「…とりあえず、そこ退いて。」
アス「……本当に、女性が嫌いなの?」
ユウ「あぁ。」
アス「………さっき小学生くらいの女の子達のことめっちゃ見てたのに?」
ユウ「は!?見てねえよ!!」
アス「見てたじゃん。ロリコンなの?」
ユウ「違っ!!ロリコンじゃない!!」
アス「………やっぱ男って怖い。」
ユウ「やめろ!俺はそんなじゃないから!!」
ユウ「……あーーー、俺女嫌いだけど……」
ユウ「特にお前みたいなやつ。嫌いだ、!」
アス「………ならもう退かない。」
ユウ「めんどくさいタイプかよお前…」
何故だろう………初対面だし、この人も男なのに……普通に話せる。
少しだけ…安心感がある………
アス「………帰る。」
ユウ「あ?あぁ……やっとかよ」
アス「……」
ユウ「…………おい。」
アス「……何。」
ユウ「……なんかあったのか?」
ユウ「顔暗いし、帰りたくなさそうじゃん。」
アス「…………他人に話して何になるの。」
アス「あんたに関係ないでしょ。」
ユウ「………生意気。」
ユウ「俺、相談乗るの得意だし、相談してみろよ」
アス「…………」
初対面で馴々しくしてくるし、変な人なんだ。
でも…なんで帰りたくないことわかったんだろう。
………ちょっとだけ話したら、楽になるかな。
アス「………私、自分で描いた絵をコンテストに出して、何度も優勝したことがあるの。」
ユウ「へぇ〜、すげぇんだな。お前。」
ユウ「絵描くの好きなんだ?」
アス「…………ううん。」
アス「………本当は…嫌い。」
ユウ「………」
アス「……私、絵なんかよりも水泳の方が得意だし、好きなの。」
ユウ「……なら絵描くのやめて水泳やればいいじゃん。」
アス「………それができたらとっくにしてる。」
ユウ「……できるだろ。」
アス「…」
アス「………何も知らないくせに…軽々しく言わないで。」
アス「…相談した私が馬鹿だった。」
ユウ「………何言ってんだよ。」
ユウ「やりたいならやればいい。それだけだろ?」
アス「…だからそれは_」
ユウ「人に何か言われて、自分が好きなこと規制してまでそいつの言うこと聞いとくのかよ。」
ユウ「そんなの人生つまんねえだろ。」
ユウ「好きなことだけ追いかけて、最終的に疲れたらやめればいいんだよ。」
ユウ「他人に干渉される筋合いねえだろ?」
アス「……」
ユウ「そんなに逆らえないような相手なら、俺が直接言ってやるよ。」
ユウ「こいつの夢はこいつが叶えるんだ。邪魔をするなってな。」
そうだ。
全部この人の言う通り。
私が縛られてまで我慢する必要なんてないのに……
ずっと、私は何をしていたんだろう。
アス「…………今でも……間に合うかな…」
ユウ「間に合うも何も、始めるタイミングなんて人それぞれだろ?」
ユウ「お前がやりたいって思ったタイミングでやればいいんだよ。」
アス「…………うん、……ありがとう。」
アス「……言ってくる。」
ユウ「…おお。頑張れよな。応援する気は更々ないけど。」
先生、ありがとう。
私、頑張って好きなことだけを追いかけれたよ。
卒業しても、先生のこと絶対に忘れない。
辛くても頑張れたのは先生のおかげだよ。
本当に、ありがとう。
太陽組おたく ❤︎
しろっちー