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「はぁぁぁぁぁぁ⁉」


潔世一の驚愕の声に凛、冴、少女は苦虫を嚙み潰したような顔をした。

それの表情とタイミングがあまりにも三人そろっているので潔は久しぶりに凛を見て怖い。と思った。

そもそもなんで凛宅に冴がいるんだ?

まさか結婚?結婚した?兄弟で?

しかも子供いるし。

法律どこいった?

俺、夢見てんのか?

うん、きっとそうだ。そうに違いない。

この間わずか0.03秒。

脳内会議を開いた結果、これは夢である。との判決が出たので、一度目を閉じて深呼吸する。

そして目を開ける。


「はぁぁぁぁぁぁ⁉」


振出しに戻る。




ブルーロックで運命を覆し、世界まで上り詰めた潔世一はフランスに用事があるついでにブルーロック時代、共に己を高め合った仲である糸師凛を尋ねた。来る前に一応連絡はしたもの、既読スルーと言う事だったのでこれは了承の意味だな。と持ち前の超ポジティブ思考でそう解釈したのである。そしていざ来てみれば凛の兄である冴と後ろに小さな少女が二人とまったく同じ眼差しでこちらを見つめている。

必然的にもう二人の娘だと悟った。(超不正解)


「あー、そういうことだったのか…」


そして凛から国語力の無さがにじみ出る説明を受けた潔はようやくこの状況を理解したのである。


「てっきり二人の娘かと思ったわ…」

「てめぇ殺すぞ。」


殺気立つ凛をなだめながら潔は少女に目を向けた。


「俺、潔。凛の知り合いなんだ。よろしくな。」


少女目線に屈み、優しく微笑む潔に少女は硬直した。

え、俺なんかまずいことした?と冴の方を向くと、冴は「あぁ。」と何かを思い出したように少女に声を掛けた。


「こいつはほんとに凛の知り合いだ。そして害のねぇやつだから安心しろ。」


冴がそう言うと少女はこくりと頷き。よろしく。と小さく呟いた。

はて。と冴の方に視線を送ると意外にもすんなり答えてくれた。


「凛や俺の知り合いと言って近づいて来る輩は多い。だからそういう奴と遭遇したらアッパーからのボディーブロー、んで目狙ってからの、回し蹴り。最後は脳天を自慢の足でかち割れ。ってちょっと前に教えたところだったんだ。」


「えぇ…」


「おまえは賢いから、凛と話してるコイツを見て、本当に知り合いかもって考えたんだろ。上出来だ。士道の時と比べて瞬時に頭も働かせられるようになってる。」


えらいえらい。と言わんばかりに少女の頭をぽんぽんと優しく撫でる冴を見て、潔は歳をとれば人間は穏やかになる。と言うのは迷信なんかじゃないんだな。と一人納得した。


「ところで士道の時って?」


話を聞くと、凛を驚かせるためにエイリアンの被り物をして凛宅にやってきた士道を運悪く少女が発見してしまい、アッパーをかましたということらしい。


「かわいそう。」

「あのクソゴミ触覚キモピンク野郎に可哀想もクソもねぇだろ。」


呟く潔にすかさず突っ込む凛。だが、潔はすぐに首を振った。


「いや、(お前らに育てられる)その子が。」

「「?」」


国語力が著しく低い首を傾げた糸師兄弟の横で、潔はすやすやと眠る少女を哀れみの目で見つめるのだった。


糸師冴に子育ては無理だった

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