テラーノベル
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🍵「……これ以上聞いたら、本当に連れてっちゃう」
震えた声。
でも、こさめは気づいてしまった。
それが“脅し”じゃないことに。
すちは本気だ。
本気で、自分をここから連れ出そうとしてる。
なのに——。
怖くない。
むしろ胸の奥が熱くなる。
🦈「……いいよ」
ぽつりと零れた声に、すちの動きが止まった。
🍵「え」
こさめは涙で濡れた目のまま笑う。
🦈「連れてって」
静かな独房。
空気が凍る。
すちはしばらく瞬きすらしなかった。
まるで、自分の願望をそのまま返されると思ってなかったみたいに。
🍵「……こさめくん」
🍵「それ、どういう意味か分かって言ってる?」
🦈「分かってる」
こさめは鉄格子を握る。
🦈「こさめは、すちがいなくなるくらいなら、全部捨ててもいい」
その瞬間。
すちの中の何かが、完全に切れた。
がちゃん。
突然、鉄格子が鳴る。
こさめがびくっと肩を揺らした。
次の瞬間。
すちは鉄格子の隙間から腕を伸ばし、こさめの手首を掴んでいた。
🦈「……っ」
強い力。
逃がさないみたいに。
でも痛くはない。
熱い。
すちの体温が、直接伝わってくる。
🍵「そんなこと簡単に言わないで」
低い声。
今までで一番危うい声だった。
🍵「俺、本当にこさめくん攫えるよ」
こさめの心臓が激しく鳴る。
すちは静かに笑った。
その笑顔は優しいのに、どこか壊れていた。
🍵「看守の動きも、この施設の構造も、全部覚えてる」
指先がゆっくりこさめの手首を撫でる。
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🍵「こさめくんが鍵持ってる時、どこ狙えば奪えるかも分かる」
ぞくり、と背筋が震える。
普通なら怖がる言葉。
でも。
こさめは逃げなかった。
🦈「……じゃあ、連れてってよ」
すちの呼吸が止まる。
こさめは泣きそうに笑った。
🦈「そんなに言うんだったらこさめ連れて抜け出してよ!」
🦈「すちがいない世界なんて、こさめは望んでないし、いらない!」
その一言で。
すちの理性は、完全に崩れ落ちた。
🍵「……っあーあ」
苦しそうに笑う。
🍵「ほんと、だめだなぁ」
すちはこさめの手首を引き寄せ、鉄格子越しに額を押し当てた。
近い。
呼吸が混ざるくらい。
🍵「そんなこと言うなら、もう返さないよ」
静かな声。
でも、その奥には狂気みたいな執着が滲んでいた。
🍵「こさめくん、俺のものにする」
こさめの瞳が揺れる。
すちは目を細めた。
🍵「逃げても無駄」
優しく笑う。
なのに怖い。
🍵「どこ行っても、絶対見つけるから」
コメント
1件
あーもう、この回やばかった……!「返さないよ」ってタイトルからしてずるいよね。すちの「本気で連れて行く」って覚悟と、こさめの「全部捨ててもいい」って覚悟、どっちも本物で胸が熱くなった。鉄格子越しに手首掴んで「俺のものにする」って言い放つすち、優しくて狂ってて最高だった。逃走劇、どうなるんだろう。続きが待ち遠しすぎる🔥