「やっぱりライブって最高だねぇ」
当たり前のように俺のベッドでくつろぐ恋人の隣に潜り込み、その髪を撫でる。
東京より寒いがその分部屋は暖かく、そして側にいる彼の体温も相まって自然とほっと息を吐いた。
「そうだね、ただなんで涼ちゃんはここにいるのかなぁ?」
「え、えぇっとぉ···だめ?」
「だめじゃないけど」
若井からイチャイチャするのは禁止ね、と色々心配されて笑顔で釘をさされた俺にこの距離感は嬉しくて切ない。
「若井が怒るよ、さっさと寝ろって」
そう言いながらもさっきから枕の感触がぴたりとこなくてもぞもぞしてしまう俺を見て涼ちゃんがふふ、と笑った。
いつだってほっとさせてくれる笑顔に癒されて枕のことは諦める。
「若井が言ってるのは、きっとからだに負担かけることはするなよってことだよね」
「···まぁ、たぶん」
「じゃあ、キスはいい?」
「いい、よね?」
腕の中にいた涼ちゃんが身体を起こしてキスしてくれる。最初は軽いキスだったのに、涼ちゃんの舌が入ってきて俺の舌を舐めて手が俺のものをズボンの上から撫で、思わず熱を帯びる。
「もう、シたくなるから···」
「ん、だから今日はこっちで、ね?」
こっちならいいでしょ、そんな風に笑って涼ちゃんがぺろ、と舌を見せた。もしかして、口でしてくれる···ってこと?狼狽える俺をよそにもぞもぞと布団に潜ってズボンがずらされて熱い、柔らかなものにそこが包まれる。
「ちょ、涼ちゃん···!?」
「ん、んむ、んぐ···」
熱くて柔らかくて、しかも吸われながら先は舌で滑られている感触···見えないことでより感覚にだけ集中してしまい、どんどんと気持ちよさが溜まっていく。
「あぁ···、きもちい···ん···」
「んぅ、ひもちいい···?んぐ···っ♡」
「しゃべんないで···ぁ、やばっ」
口に含んだまま喋られて、しかも奥まで一気に咥えられて喉の奥に当たっているのがわかる。
だめだ、奥気持ちよすぎる···いきそうになって腰を引こうとすると柔らかい手が腰を撫でながらもしっかりと抑えてきてまた奥までのみ込まれた。
「だめ、離して···でちゃう、から」
「んっ、んーん♡」
口からは離さずにこくこくっと頷く動きが伝わる。もう限界だった俺は思わず、ぐっと腰を突き出してしまった。
「ごめ、涼ちゃ···いくっ···」
だめだ、涼ちゃんの口の中に、しかも喉の奥になんて、そう理性的に考えながらも身体は正直で精を喉の奥に吐き出した。
「んっ、んくっ、んぅ···」
「ぅぁ、きもちい···」
「ぷはぁ···はふ、きもちよかったぁ···?」
布団の中でいて熱くなった涼ちゃんが赤い顔で出てきて少し汗ばんだ前髪をかきあげた。
綺麗な人だ、と思う。
優しくて強くて涙脆い愛する人。
「すごく良かった、ありがとう···喉ごめんね、痛くない?」
「うん、大丈夫···それより元貴眠いでしょ?目、瞑ってて···」
次は涼ちゃんを気持ちよくさせてあげたかったのに、言われたとおりライブでの疲れと気持ちのいい気怠さで瞼が重たくなる。
それに腕の中にいる彼の体温が心地よすぎて···俺は眠ってしまっていた。
「いい子だね···お疲れ様、おやすみ···」
藤澤はそう告げると少しの間、恋人の頭を撫でて深く眠りについたのを確認するとそっとベッドを抜け出し、自分の部屋に戻った。
「僕がしてあげられることがあって良かった···」
恋人のあどけない寝顔を思い出してふふっと満足そうに笑う。
藤澤はわかっていた、彼が誰よりも気を使ってライブに全力を注いでいたことを、そのくせ疲れていても慣れない場所ではよく眠れないことを。
だから眠りを誘うにはどうしたらいいかと考えた後に実行し、成功した。
いつも自分より策士な彼をすんなりと眠りにつかせること出来て、そして気持ちいいと言われて藤澤は満たされた気持ちだった。
「元貴···ゆっくり眠ってね···。ぼく
もねむい···明日、若井に褒めてもらわなきゃね···」
その言葉通りに僕が寝かしつけてあげたの偉いでしょと自慢し、何してあげたの?と無邪気な若井に聞かれて大森と赤面することになることをまだ彼は知らない。
End.
コメント
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最後のくだりが!!好き😍🥰大森さんが大人しくフ◯ラされましたなんて、若井さんに言ったら、確実に揶揄いネタにされるもんな。それは言えないわ。何より照れる大森さんが可愛い🩷