テラーノベル
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ある晴れた日。
私は近くの湖に行った。
周りは誰もおらず、とても静かだ。
湖はとても広く、遠くに小さな島がある。
ざあぁ……と静かに波が立っている。
私は湖の水にかからない少し離れたところに腰かけた。
涼しい風が吹いてきて、心地よい……。
少し眠ってしまったようだ。
突然、目の前に船が見えてきた。
クルーズ船のような見た目だが、小さい船だ。
とても懐かしく感じ、中に入った。
中に入ると真ん中に廊下があり、左右に部屋がいくつもあった。
見てみると学習するような部屋だったり食堂があった。
甲板もあったので出てみた。
突然、誰もいないはずの船の中から小学生くらいの子供の楽しそうな笑い声が聞こえてきた。
私は不思議と怖くなかったが、以前お世話になった船を思い出した。
この船に似ていて、学習するための船だった。
同じように甲板もあって、こうやって出て周りの景色を見たこともある。
同じ年の子と話をしたり勉強をしたりして楽しかったな…。
本当に良い思い出だ…。
私は一通り船内を見終わって外に出た。
初めは気付かなかったが近くにフェイジョアという植物があった。
快く楽しい思い出を思い出させてくれたのかと感じた。
「そうだよ」と言っているようにフェイジョアが風になびいた。
突然、意識が遠退いていく……。
あれっ?…寝て…いたのかな?
腰掛けていた場所にいる。
さっきまで見ていた船は何処にもない。
きっと夢でも見ていたのだろうな。
何時間も寝てたらしく、すっかり夕方になっていた。
あまりにも無防備すきで、我ながら驚いている。
夕食の準備もあるから、そろそろ帰ろう。
すると、夢の中と同じように風が吹いてきた。
ふと辺りを見回したら、近くにフェイジョアがあった。
不思議な気持ちになった。
あれは夢なのか夢じゃないのか分からない…。
だけど、忘れかけていた思い出を見させてくれてありがとう。
私にとってあの思い出は……
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