この作品はいかがでしたか?
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「ロー、みんなも、待たせてごめん」
待ち合わせ場所にはすでにいつもの面々がいた。
「いや、いい。待ち合わせ時間にはなっていない。それにまだ昼だ」
「そうそう、むしろ約束の時間前だぜ」
「ありがとう。それで、行こうと思ってる場所って?」
「ヒューマンショップだ」
「〝ヒューマンショップ〟なぁ……」
「あぁ」
ぽつりと呟いた俺に、ローが短く返事をした。
「……まあいいよ。ついていく」
正直そういう奴隷やらは嫌いなのだが、シルバーズ・レイリーはこの目で一度は見ておきたい。あの人シャボンディ諸島ふらふら歩いてるらしくて見つけられてないんだよな。
それにローの誘いを断るのも心苦しいしな。
「…にしても、なんで待ち合わせ場所ここにしたんだ?」
「面白いものが見れると思ってな」
「?」
どういうことだ? と聞こうとした時、激しく地面が揺れる。
「怪僧が暴れてる!」
「急いでここを離れないと!!」
「……は…?」
逃げる人々の叫び声を聞き、俺は己の体がピシッと固まるのを感じた。
地鳴りの発生源の方を向くと、そこには怪僧ウルージと、キラーさんが戦っていた。
「ッ!?」
俺はしゃがんでローの陰に隠れる。
「ジェディ?」
「何も聞かないでくれ…」
まずいまずいまずい、キラーさんだからまだギリ大丈夫かもしれないけど、それでもあんまり見つかるのはよくない!!
ローの影から盗み見るように怪僧ウルージとキラーさんの様子を見ていると、その2人に割って入るように、ドレークが現れた。
「暴れたきゃ…〝新世界〟へ!!」
「なるほど。堕ちた将校、ドレークか」
「……」
せ、戦闘モードのドレークって結構怖いな……。とか思ってる場合じゃないんだよな…。
「ふふ。命を拾いなさったな、マスクの人」
そんなやり取りを期にもせずにドレークが俺たちの方に歩いてくる。
「今…いいとこだったのに。……ドレーク屋、お前……何人殺した?」
「…………ん?」
ドレークの僅かに発せられた疑問を思わせる声に、俺の体がビクリと跳ねる。
「ジェディ、何故隠れてる? それにどうしてトラファルガーと一緒にいるんだ?」
「え、あ、えっと……」
「おい、ジェディ、お前ドレーク屋を知ってるのか」
「えっと……ドレークは俺の友人で…ローも俺の友人……です…」
俺はそれぞれにそう説明する。俺がそう言うと、互いに驚いた様な表情を見せる。ローに至っては少しだけ眉間にシワを寄せていた。
そしてローの方を見ると、ローは小さくため息を吐いた。
「行くぞ」
立ち上がるローについていくハートの海賊団たち、それに混ざって俺もローの隣を歩く。
去り際、一応ドレークに頭を下げておいた。すまんドレーク……ローが先約なんだ…!!
「……敵は多いな」
ドレークは呟く。
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