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4 - 空を見上げて愛してる。

2022年03月30日

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「3月7日…今日は僕達が付き合って5年目の記念日だね。」

『おう!でさ、陸。』

「うん」

『苗字一緒にしてくれない?』

「…え、それって…」

『俺と、結婚してください』

「ニコッはい!」

『じゃあ、これに名前書いてくださーい』

「はぁーい」

「『ww」』

俺は今日、病室のベットに座っていた恋人に、

プロポーズをした。



でも現実は全くを持って甘くは無かった。











3月8日

「竜、ずっと、愛してるよ、」

『うん、俺も、俺も陸の事を愛してる、この先何があったとしても、ずっと』

「うん」





「ねぇ、竜、最期のキスをして?」

『グッ(歯を食いしばる)』

『ニコッおう!』

「(目を瞑る)」


『「チュッ』」




「グスッありが、とう、そして、ばいばい竜、何度も言う、けど、愛してる」

『グスッ俺も、陸を愛してる』

「ニコッ」





[2022年、3月8日、午後14時25分、七瀬陸さんが息を引き取られました。]




『陸…グスッ』













愛してる、それが、俺の1番愛した人の、

俺を1番愛してくれた人の、最後の言葉だった。

俺は最後に、今は亡き恋人の冷たいくて細い指にはめられた、昨日からお揃いでつけた指輪に

チュッと口付けをした。その後、

涙を流しながら恋人の安らかな寝顔を1人で

ずっと眺めていた。そして、















『さよなら陸、愛してる』

俺は空を見上げながらそう呟いた。

空から、

「僕も竜を愛してる」

そう聞こえた気がした。

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