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「3月7日…今日は僕達が付き合って5年目の記念日だね。」
『おう!でさ、陸。』
「うん」
『苗字一緒にしてくれない?』
「…え、それって…」
『俺と、結婚してください』
「ニコッはい!」
『じゃあ、これに名前書いてくださーい』
「はぁーい」
「『ww」』
俺は今日、病室のベットに座っていた恋人に、
プロポーズをした。
でも現実は全くを持って甘くは無かった。
3月8日
「竜、ずっと、愛してるよ、」
『うん、俺も、俺も陸の事を愛してる、この先何があったとしても、ずっと』
「うん」
「ねぇ、竜、最期のキスをして?」
『グッ(歯を食いしばる)』
『ニコッおう!』
「(目を瞑る)」
『「チュッ』」
「グスッありが、とう、そして、ばいばい竜、何度も言う、けど、愛してる」
『グスッ俺も、陸を愛してる』
「ニコッ」
[2022年、3月8日、午後14時25分、七瀬陸さんが息を引き取られました。]
『陸…グスッ』
愛してる、それが、俺の1番愛した人の、
俺を1番愛してくれた人の、最後の言葉だった。
俺は最後に、今は亡き恋人の冷たいくて細い指にはめられた、昨日からお揃いでつけた指輪に
チュッと口付けをした。その後、
涙を流しながら恋人の安らかな寝顔を1人で
ずっと眺めていた。そして、
『さよなら陸、愛してる』
俺は空を見上げながらそう呟いた。
空から、
「僕も竜を愛してる」
そう聞こえた気がした。