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そして、ベルゼン騎士長との戦いが始まろうとしていた夜、皇帝陛下が部屋に来られた。
「聞いたぞ?
ベルゼンと勝負するそうだな?」
「はい。
知識でしか戦を知らない私にベルゼン殿は怒っていらっしゃるのでしょう…
なれば、これしか黙らせる方法はありません。」
「はっはっはっ!
勇ましい事だ!
それでこそ軍師姫だ!」
皇帝陛下は満足そうに笑った。
「して、策はあるのか?」
皇帝陛下は続けて聞いた。
「ございますが、陛下にも言えませぬ。
どこから漏れるやも知れませぬゆえ。」
「そうか…
しかし、戦ともなれば、血が飛ぶぞ?
俺はそなたの身が心配でもある。
いくら指揮するだけとは言え…」
「陛下…
これは、真剣勝負にございます。
血が飛ぶのは、ベルゼン殿とて同じ。
であれば、私だけが安全な場所から指示する訳にはまいりません。」
「そうか…
その覚悟があるならば、俺がどう止めた所でそなたはするだろう。
いや、分かっていた。」
皇帝陛下は少し寂し気にそう言った。
「私は明日の早朝に行く場所があります。
それゆえ、陛下とゆっくりお話はできません。
どうか、ご容赦ください。」
「わかった。
そなたの無事と勝利を…祈っている。」
そして、皇帝陛下は帰って行かれた。
♦︎♦︎♦︎
次の日、私が出向いたのは、バーバラ地方の山奥に住む1人の男性の元だった。
彼はもちろん、普通の男性では無い。
彼は世界に3人しか居ない調教師のスキルを持つ者なのだ。
今回の私の作戦には、彼の協力が絶対に必要だった。
山奥に入っていくと、無精髭を生やした男性が薪を切っていた。
「…何の用だ?」
その男性は後ろも振り向かずに私にそう言った。
「私の名はエティーナでございます。
あなた様にお話があって参りました。」
「エティーナ…?」
「巷で噂される軍師姫と言えば分かるでしょうか?」
私はそう言い換えた。
「ふん!
軍師姫様が俺のような落ちこぼれに何の用だ!?」
「あなたは落ちこぼれなどではありません。
力を隠して、この地に息を潜めている優秀なお方です。」
「だからどうした?
俺はあんたの力にはならん!」
「お見通しでございますね…
そうです。
あなたの力を借りにきました。
なぜ、私の力にならぬと?」
「お前が軍師姫だからだ!
軍師姫は戦いによって死を招く!
俺は平和に生きるのが好きなんだ!
お前とは話が合わん!」
「あら、それでしたら、私とあなたの願いは同じかと思いますわ。」
「はぁぁぁ!?」
「私が戦をするのは…
長い長い平安の時代を築く為でございます。」
「嘘だっ!!!」
「徳川家康という男はっっ!
51回の戦を繰り返し!!!
ついに全国を平定し!!!
260年の平和な時代を築いた!!!
私はこの世界の徳川家康になりたいのです!
飢えて死に、戦で死に、戦の被害に遭い…
それを無くすために正義の戦は必要なのです!
何故逃げる!?
それは、あなたが臆病だからだ!!!」
「…………」
「お願いです。
共に戦ってください。」
「先程の言葉に嘘は無いだろうな…?」
男は斧を私の喉元に突きつけながら言った。
「一欠片もございません!」
「…何をすれば良いんだ?」
そして、調教師のラッセルさんを仲間に引き入れることに成功した。